

【フローニンゲンからの便り】18990-18993:2026年7月10日(金)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18990 武術家の身体操作法から学ぶこと 18991 今朝方の夢 18992 今朝方の夢の振り返り 18993 仏教における悪 18990. 武術家の身体操作法から学ぶこと 武術家の身体操作や身体意識の涵養法は、クラシックギタリストにとっても非常に大きな意味を持つように思う。なぜなら、両者は一見まったく異なる領域に属しているようでありながら、深いところでは同じ問いに向き合っているからである。それは、いかにして身体から余計な力を抜き、意識を散漫にせず、最小の動きで最大の働きを生み出すかという問いである。武術家は、腕だけで打たない。足裏、膝、股関節、丹田、背骨、肩甲骨、肘、手首が一つの流れとしてつながった時、力は局所的な筋力ではなく、全身を貫く波のように現れる。クラシックギターでも同


【フローニンゲンからの便り】18985-18989:2026年7月9日(木)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18985 仏教の観点から考える健全な発達 18986 今朝方の夢 18987 今朝方の夢の振り返り 18988 問診と鍛錬の場としてのウォームアップ 18989 必要最小限の力で、必要最小限の距離を動くこと 18985. 仏教の観点から考える健全な発達 「健全な発達」という言葉について、昨日は少し立ち止まって考えていた。発達というと、能力が高まること、視野が広がること、複雑なものを扱えるようになること、社会の中でより大きな役割を担えるようになることを想像しがちである。だが、そこに「健全」という言葉が添えられると、発達は単なる上昇運動ではなくなる。高く伸びる木が、根を失えば風に倒れるように、発達もまた、深まりを伴わなければ不安定な成長になってしまうのだろう。仏教の観点から見るなら、健全さとは、苦を増やさない方向性のこと


【フローニンゲンからの便り】18981-18984:2026年7月8日(水)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18981 タントラ仏教について 18982 今朝方の夢 18983 今朝方の夢の振り返り 18984 世界そのものに触れる体験を大切にして 18981. タントラ仏教について タントラ仏教におけるタントラという語について考えていると、それは単なる神秘的な儀礼や秘教的な技法を指す言葉ではなく、もっと根源的には、生命と意識の流れを織り直すための方法体系を意味しているように思われる。サンスクリットのtantraは、語源的には √tan、すなわち「伸ばす」「広げる」「織り成す」という意味を持つ語根に関わるとされる。そこから、糸を張った織機、連続する織物、体系的な教説、実践の網目といった意味が生まれたのだろう。タントラとは、断片的な教えではなく、身体、言葉、心、欲望、象徴、宇宙観を一つの織物として結び直す実践体系なのである。タントラ仏教の独自性は、欲望を単純に否定


【フローニンゲンからの便り】18978-18980:2026年7月7日(火)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18978 セルフマッサージを通じて起こった現象についての考察/サハルとフィンと 18979 今朝方の夢 18980 今朝方の夢の振り返り 18978. セルフマッサージを通じて起こった現象についての考察/サハルとフィンと 今朝、起床して驚いたのは、時刻が午前7時半を迎えていたことである。昨夜もいつも通り午後9時に就寝したので、10時間半も寝ていたことになる。昨日は特に疲労が溜まるようなことをしておらず、むしろ一昨日に思い立ったように、体の様々な部位をセルフマッサージを丹念に行っていた。一昨日と比べて昨日は、マッサージの部位を増やし、時間を増やした。マッサージをしてみると、自分でも気が付かない部位に気付かぬ凝りがあり、そうした箇所を丁寧にほぐしていた。ひょっとしたら、突然行った長時間の緊張のほぐしによって


【フローニンゲンからの便り】18974-18977:2026年7月6日(月)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18974 唯識を通じたサイケデリック体験や性愛体験の探究 18975 今朝方の夢 18976 今朝方の夢の振り返り 18977 覚めのその先 18974. 唯識を通じたサイケデリック体験や性愛体験の探究 いつか、サイケデリック体験や性愛体験における超越的体験を、唯識の観点から探究してみたいと思う。これらの体験は、一見すると現代の意識研究、神経科学、宗教学、身体論の領域に属するものに見える。しかし自分には、それらが唯識の核心に触れる非常に重要な窓であるように感じられる。なぜなら、そこでは通常の自己感覚、身体感覚、時間感覚、他者との境界が揺らぎ、普段は自明だと思っている現実構成の仕組みが一時的に露わになるからである。唯識は、世界が単に外側に固定的に存在しているのではなく、識の働きによって


【フローニンゲンからの便り】18970-18973:2026年7月5日(日)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18970 書籍の剪定を通じて見えてきたこと、感じること 18971 今朝方の夢 18972 今朝方の夢の振り返り 18973 海の音に包まれながら 18970. 書籍の剪定を通じて見えてきたこと、感じること 書籍の整理をしていると、単に紙の束を移動させているのではなく、これまでの自分の思索の地層を掘り返しているような感覚になる。一冊一冊の背表紙には、その時々の関心、問い、葛藤、期待が染み込んでいる。かつては、そのすべてを読み尽くし、理解し、所有することが、自分の探究を豊かにしてくれると思っていた。しかし今は少し違う感覚がある。大量の書籍に囲まれてきたからこそ、書物の森の中で本当に自分が辿りたい小径が見えてきたのだと思う。本を手放すことは、知識を軽んじることではない。むしろ、自分に


【フローニンゲンからの便り】18966-18969:2026年7月4日(土)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18966 音を聴く瞑想 18967 今朝方の夢 18968 今朝方の夢の振り返り 18969 太極拳とクラシックギター 18966. 音を聴く瞑想 ここ最近、再び瞑想実践に戻っていこうとしている自分がいる。以前のように、どこか大きな覚醒体験を求めて座るのではなく、今はもっと静かに、もっと地に足のついた仕方で瞑想に向かいたいと思っている。クラシックギターの練習を続ける中で、音を聴く力、身体の微細な変化を感じ取る力、そして一音が生まれて消えていく瞬間に立ち会う力が、いかに大切かを日々感じているからである。まず取り組んでみたいのは、聞こえてくる音に焦点を当てる瞑想である。呼吸に集中する瞑想も良いが、今の自分には音を入口にすることが自然に思える。窓の外の風の音、鳥の声、部屋の中の微か


【フローニンゲンからの便り】18962-18965:2026年7月3日(金)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18962 メロディーを探究する時期 18963 今朝方の夢 18964 今朝方の夢の振り返り 18965 近くにある上達の鍵 18962. メロディーを探究する時期 時刻は午前6時を迎えた。今、一羽の小鳥が清澄な鳴き声を上げており、美しい朝日が室内に差し込んでいる。気温は14度と低く、今週はまた涼しい日々が続くようで何よりである。夏の季節がひんやりと涼しいことは、脳を働かせることに関して非常に助かる。エディンバラはフローニンゲン以上に夏が涼しいようなので、来年の夏はとても楽しみである。 今はハーモニーを意識するよりも、美しいメロディーを探究する時期なのだと思う。和声は音と音の関係性の建築であり、そこには空間を組み立てる知性がある。一方でメロディーは、もっと一本の息に近い。空間を構築するというより、内側から生まれた生命の線を、時


【フローニンゲンからの便り】18958-18961:2026年7月2日(木)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18958 七年間支えてくれた小松美羽さんの二冊の画集を誰かのもとへ 18959 今朝方の夢 18960 今朝方の夢の振り返り 18961 速さによって露わになる非効率さ 18958. 七年間支えてくれた小松美羽さんの二冊の画集を誰かのもとへ 昨夜、小松美羽さんの画集を二冊、久しぶりにゆっくり眺めていた。2019年に一時帰国した際に購入したものだから、もう七年ほど自分の生活の傍らにあったことになる。画集というものは不思議である。書物でありながら、読むものというより、浴びるものに近い。頁を開くたびに、そこから色彩と線と祈りのようなものが立ち上がり、自分の内側の眠っていた感覚に触れてくる。小松さんの作品は、単に美しいというより、生命の奥で燃えている霊的な火をそのまま紙面に封じ込めたような力を持っている。この七年


【フローニンゲンからの便り】18954-18957:2026年7月1日(水)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18954 生命と非生命の分岐点 18955 今朝方の夢 18956 今朝方の夢の振り返り 18957 一つの生命体と汎心論における結合問題 18954. 生命と非生命の分岐点 生命と非生命を分ける基準について考えていると、境界線は思ったよりも細く、しかも震えているように感じられる。石と犬、机と樹木を比べれば、生命と非生命の違いは明らかに見える。しかし、ウイルス、休眠中の種子、凍結された胚、人工細胞のようなものに目を向けると、その境界は霧の中の岸辺のように曖昧になってくる。生命とは何かという問いは、単に生物学の問いではなく、存在がどのように自己を保ち、環境と交わり、時間の中で変化し続けるのかという哲学的な問いでもあるのだろう。生命を特徴づけるものとして、代謝、自己維持、境界、情報、応答性