

【フローニンゲンからの便り】18421-18425:2026年3月26日(木)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18421 母校一橋大学とエディンバラ大学のつながり 18422 今朝方の夢 18423 今朝方の夢の振り返り 18424 交互実践の効能 18425 学習のリズム 18421. 母校一橋大学とエディンバラ大学のつながり 昨日ふと考えてみると、自分がこれから進学しようとしているエディンバラ大学と、母校である一橋大学のあいだに、思いがけない思想的な回路が通っているように感じられた。一橋大学において事実上の校是とされる「キャプテンズ・オブ・インダストリー」という言葉は、19世紀イギリスの思想家であるトーマス・カーライルの著作『過去と現在(Past and Present (1843))』に由来するものであるが、この言葉は単なる産業的成功者を意味するのではなく、社会全体を導く倫理的責任を担う指導者像を示している点に本質があるように思われる。そしてそのカー


【フローニンゲンからの便り】18417-18420:2026年3月25日(水)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18417 贈与としての演奏 18418 今朝方の夢 18419 今朝方の夢の振り返り 18420 修士論文の引用文献数について 18417. 贈与としての演奏 ブランダン・エイカー氏の助言の核心は、「演奏とは評価される場である」という暗黙の前提を転換することにあると考えられる。多くの演奏者は、本番の場を試験のように捉え、正確さやミスの回避に意識を集中させる傾向がある。しかしその枠組み自体が、身体と認知に過剰な負荷を与え、結果として音楽の本来の流動性や表現性を阻害している可能性が高いのである。ここで重要なのは、「評価」というフレームが注意の方向を内側へと過度に引き寄せてしまう点である。すなわち、自分の指の動き、ミスの可能性、他者からどう見られるかといった自己監視的な意識が前景化する。この状態では、認知資源の多くが制御と検査に費やされ、音楽そのもの


【フローニンゲンからの便り】18413-18416:2026年3月24日(火)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18413 断捨離に伴う文献の再読で生じている現象 18414 今朝方の夢 18415 今朝方の夢の振り返り 18416 真如の非実体的顕現論としての唯識思想 18413. 断捨離に伴う文献の再読で生じている現象 毎週日曜日の午後には、書籍や論文の断捨離をしながら懐かしのJ-POPを聴いている。その時に相川七瀬さんの曲が流れてきて、音楽活動を続けているのか調べてみたところ、彼女が修士課程を修了されたという事実を知った。また先日は、協働者の知人の方が50歳を過ぎて博士課程に進学することになったという嬉しい知らせを受けた。自分よりも年長である二人の大学院進学や卒業の知らせは、ここからの自分の大学院進学の励ましとなった。 書籍の断捨離に伴い、寄付やリサイクルに出すと決めた書籍を再読してみると、もうその書籍


【フローニンゲンからの便り】18407-18412:2026年3月23日(月)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18407 書物の断捨離の快感を味わって 18408 今朝方の夢 18409 今朝方の夢の振り返り 18410 ゼロと空 18411 日本史を踏まえた日本法相唯識研究 18412 知識と物質の両面における循環としての書籍の断捨離 18407. 書物の断捨離の快感を味わって エディンバラへの引っ越しに伴って、毎週日曜日の夕方から一時間ほど使って、もう読まないであろう書籍と読むであろう書籍を弁別している。今日が二回目の弁別だったのだが、もうすでに大量の文献を寄付したり、リサイクルに出すことになった。断捨離の気持ち良さを存分に味わっている。書物に関する断捨離がこんなに爽快なものだとは知らなかった。エディンバラへの移行という人生の節目において、書籍の弁別という行為は単なる整理整頓ではなく、自分の知的環境そのものを再設計する営みである。この過程で


【フローニンゲンからの便り】18401-18406:2026年3月22日(日)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18401 音楽の抽象性と数学の抽象性 18402 今朝方の夢 18403 今朝方の夢の振り返り 18404 知的パズルとしての学術論文の執筆とクラシックギターの演奏 18405 クラシックギターの特徴を再考して 18406 ゆっくり正確に進むこと 18401. 音楽の抽象性と数学の抽象性 音楽の抽象性と数学の抽象性は、どちらも具体的対象から離れて構造を扱うという点で共通しているが、その抽象の方向性と成立基盤は本質的に異なっている。まず数学の抽象性は、端的に言えば差異を消去し、不変な構造だけを残す方向に進む。数や関数や空間は、具体的な対象から切り離され、形式的な関係性のみが保持される。例えば三角形は、どのような素材で描かれようと「三つの辺と三つの角」という構造だけが問題になる。このように数学は、具体性を削ぎ落とし、再現可能で普遍的な形式へと収束して


⭐️最終告知【オランダ生活最後の記念講座】『心の複雑さに向き合うとは、どういうことか』完全解読!監訳・翻訳者と読み解く「複雑性の心理学」実践講座
皆さま 春も深まりを見せている季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 今週末からスタートする新しい講座について、最終のご案内をさせていただければと思います。 今回の講座はいよいよ今週末、 4月25日(土) より開講となります。ご関心をお持ちくださっていた皆さまには、ぜひこの機会にご参加いただけましたら幸いです。 今回の講座のテキストは、私が監訳を務め、2026年3月に上梓したマーク・フォーマン著『 心の複雑さに向き合うとは、どういうことか:成人発達理論がひもとく痛みと成熟の心理学 』です。 今回の講座で私たちが向き合うのは、「治癒(癒やし)」と「発達(成長)」は決して切り離せない不可分なものであるという真実です。 過去の傷を癒やすことと、未来へ向けて自己を成熟させること。この両輪がどのように噛み合い、一人の人間の変容を導くのか。そのダイナミズムを、本書は鮮やかに描き出しています。 本書の原著のタイトルには「サイコセラピー」という言葉が含まれていますが、その射程は臨床の場にとどまりません。コーチング、組織開発、教


【フローニンゲンからの便り】18395-18400:2026年3月21日(土)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18395 ゼミナールの第175回のクラスに向けて 18396 今朝方の夢 18397 今朝方の夢の振り返り 18398 クラシックギターの奥深い楽しさに触れて 18399 仏教研究にも当てはまる奥深い楽しさ 18400 クラシックギターと微分幾何/位相幾何の親和性 18395. ゼミナールの第175回のクラスに向けて 今日は午後にゼミナールの第175回のクラスがある。本日のクラスでは、ギブソンの生態学的知覚発達理論を扱う。この理論は、知覚を単なる受動的な刺激処理ではなく、環境の中で行為を可能にする情報を能動的に抽出する過程として捉える点に特徴がある。本理論の中心概念であるアフォーダンスとは、環境が生物に対して提供する行為の可能性であり、それは環境の物理的性質と個体の能力との関係として成立する。したがって、同一の環境であっても、個体の発達段


【フローニンゲンからの便り】18391-18394:2026年3月20日(金)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18391 定位と明確さを意識した練習 18392 今朝方の夢 18393 今朝方の夢の振り返り 18394 この五ヶ月間のクラシックギターの総練習時間とここから 18391. 定位と明確さを意識した練習 ブランダン・エイカー氏は、楽曲習得の初期段階における認知の在り方を根本から再定義する助言をしている。多くの演奏者は新しい曲に出会った瞬間、それを無意識に「テスト」として扱ってしまう傾向があるように見える。音がうまく出るか、ミスがないか、流暢に弾けるかといった観点で自己評価を開始し、崩れた箇所を即座に修正しようとする。しかしこの反応は、本来まだ成立していないものに対して完成度を要求するという点で、学習の順序を逆転させている可能性が高い。ここで指摘されている核心は、初見の目的は「遂行(execution)」で


【お知らせ】Back Number Vol 909-920(記事18161-18400)
いつもブログをご覧になってくださり、どうもありがとうございます。 過去記事18161-18400のPDFを公開いたしました。 お役に立てる情報は少ないかもしれませんが、皆さんのご関心に合わせて、必要な箇所を読んでいただければ幸いです。 閲覧・ダウンロードは下記よりご自由に行えます。 ・ Blog Back Number


【フローニンゲンからの便り】18385-18390:2026年3月19日(木)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18385 ギネス申請の提案を受けて 18386 今朝方の夢 18387 今朝方の夢の振り返り 18388 ギネス世界記録の意義・価値・面白さ 18389 学位に関するギネス世界記録について 18390 悪作について 18385. ギネス申請の提案を受けて フローニンゲンの朝、静かな空気の中で、知人から受けたある提案が心に残っている。エディンバラ大学で四つ目の修士号を取得した暁に、ギネス記録への申請を検討してはどうかという勧めを受けた。その瞬間は半ば冗談のようにも感じられたが、よくよく考えてみると、それは単なる記録の話ではなく、自分のこれまでの歩みをどのように位置づけるかという問いに直結しているように思われるのである。アメリカ、オランダ、そしてイギリスへと連なる学びの軌跡は、振り返れば偶然の積み重ねではなく、ある種の必然