

【フローニンゲンからの便り】18797-18802:2026年6月3日(水)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18797 新体操選手としての両手の指 18798 今朝方の夢 18799 今朝方の夢の振り返り 18800 指板上の運動芸術 18801 生物と無生物の間 18802 低音弦のハイフレットが持つ豊かな音色 18797. 新体操選手としての両手の指 昨日、ギターを練習している最中、ふと面白いことに気づいた。クラシックギタリストとは、ある意味で両手の指だけで演じる新体操選手なのではないかということである。新体操の選手は、身体全体を使ってリボンやボール、フープを操る。観客の目には優雅で自然な動きとして映るが、その背後には膨大な訓練が隠されている。柔軟性、独立性、タイミング、空間認識、そして無数の反復練習。それらが高度に統合されたとき、初めて美しい演技が生まれる。考えてみると、クラシックギターも驚くほど似ている。左手の指は、それぞれが独立した演者である。人差し


ハーバード・ビジネス・レビューへの投稿記事の公開(第14回〜第15回)
皆さま いつもお世話になっております。 成人発達学者の加藤洋平です。 今週と来週にかけて、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー(DHBR)にて、新たな連載記事(第14回〜第15回)が公開されます。 今回の記事では、ハーバード大学教授カート・フィッシャー(Kurt Fischer)が提唱した「ダイナミックスキル理論」を取り上げています。 私たちはしばしば、人の能力を「できる人」「できない人」という固定的な見方で捉えてしまいます。しかし実際には、人の能力は状況や支援の有無によって大きく変化します。ある場面では高いパフォーマンスを発揮できても、別の場面では十分に力を発揮できないことは珍しくありません。 ダイナミックスキル理論は、このような能力の変動性を前提に、人間の成長を理解しようとする理論です。 第14回では、「能力とは何か」という根本的な問いから出発します。 多くの企業では、能力を固定的な資質として捉えがちですが、フィッシャーは能力を「文脈の中で発揮されるスキル」として理解しました。そして、一人の人間の中には


【フローニンゲンからの便り】18790-18796:2026年6月2日(火)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18790 エディンバラ大学へ提出する修士論文の執筆を始めて 18791 今朝方の夢 18792 今朝方の夢の振り返り 18793 夢の現象学的体験に関する興味深い気づき 18794 唯識とサイケデリック研究が合流する地点へ向かって 18795 長調・短調・教会旋法 18796 プレシーズンを迎えての新たな感覚 18790. エディンバラ大学へ提出する修士論文の執筆を始めて 昨日から本格的にエディンバラ大学へ提出する修士論文の執筆を始めることにした。テーマは良遍の『法相二巻鈔』である。これまで何度も関連文献を読み、研究計画について考えてきたが、いよいよ実際に文章として形にしていく段階に入ったのだと思うと、不思議な高揚感と緊張感が同時に湧いてくる。論文について改めて考えていて気づいたの


【フローニンゲンからの便り】18784-18789:2026年6月1日(月)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18784 9月からのエディバラ大学での探究に向けたプレーシーズンの開始 18785 今朝方の夢 18786 今朝方の夢の振り返り 18787 原子の内面性について:汎心論と観念論の間に 18788 作曲家からの手紙としての楽譜を「弾き解く」楽しさ 18789 重力の中での最も自然な身体配置 18784. 9月からのエディバラ大学での探究に向けたプレーシーズンの開始 時刻は午前6時を迎えた。ここ最近のフローニンゲンは天気がとても良い。4月に入ってから晴れの日が増えてきて、5月はさらに晴れの日が増えた。起床直後の屋外でのHIITの際には、朝焼けを見ながら覚醒に必要な太陽光を浴びることができている。いよいよ今日から6月ということで、エディンバラ大学での研究に向けたプレシーズンがスタートした。9月からのエディンバラ大学での研究活動


【フローニンゲンからの便り】18777-18783:2026年5月31日(日)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18777 マイケル・コモンズによるテロリズム論の論文 18778 今朝方の夢 18779 今朝方の夢の振り返り 18780 新しい身体組織化の始まり 18781 小指の覚醒と可能性の扉 18782 汎心論的観念主義の目覚め 18783 原子に内面性を認めることについて 18777. マイケル・コモンズによるテロリズム論の論文 今週は、マイケル・コモンズによるテロリズム論の論文を読んでいたのだが、非常に独特な視点に驚かされた。普通、テロリズム研究というと、宗教、経済格差、地政学、イデオロギーなどが中心になる。しかしこの論文では、それを成人発達理論の観点から分析しようとしていた。つまり、国家や組織、文化そのものにも発達段階が存在し、その発達課題がうまく達成されない時に、暴力やテロが生まれやすくなるというのである。読んでいて特に印象的だったのは、「社会は発


【フローニンゲンからの便り】18770-18776:2026年5月30日(土)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18770 マイケル・コモンズの階層的複雑性モデルに関する論文を読んで(その2) 18771 今朝方の夢 18772 今朝方の夢の振り返り 18773 関係性の時間的織物を分析する交差再帰定量化解析(CRQA) 18774 種々の同期現象を分析する交差再帰定量化解析(CRQA)の魅力 18775 アトラクター・ランドスケープの変容としての発達 18776 自己を彫刻する日々のコミットメント 18770. マイケル・コモンズの階層的複雑性モデルに関する論文を読んで(その2) 数日前にマイケル・コモンズの「Model of Hierarchical Complexity(階層的複雑性モデル)」の入門論文を読んでいたのだが、読めば読むほど、この理論は単なる発達理論ではなく、「世界そのものを


【フローニンゲンからの便り】18764-18769:2026年5月29日(金)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18764 テロリズム論に関する論文を読んで 18765 今朝方の夢 18766 今朝方の夢の振り返り 18767 右手の小指の独立の価値 18768 意味づけの発達に関する興味深い研究 18769 マイケル・コモンズの階層的複雑性モデルに関する論文を読んで 18764. テロリズム論に関する論文を読んで 一昨日読んでいたテロリズム論の論文が非常に印象的だった。特に面白かったのは、「暴力が強さの証拠ではなく、むしろ権力や正統性の崩壊の兆候である」という議論である。普通、自分たちは国家や軍事力を力そのものだと思いやすい。しかしこの論文では、ハンナ・アーレントの議論を踏まえながら、「本当の力とは、人々が自発的に従い、協力し、共同行為を形成できる状態である」と整理されていた。つまり、暴力に頼らなければならない時点で、その権力はすでに


【フローニンゲンからの便り】18758-18763:2026年5月28日(木)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18758 シロシビンやLSDの興味深い性質 18759 今朝方の夢 18760 今朝方の夢の振り返り 18761 サルヴィアの興味深い意識変容作用 18762 クラシックギターの身体化のプロセス 18763 交差再帰定量化解析について 18758. シロシビンやLSDの興味深い性質 最近改めて興味深く感じているのは、シロシビンやLSDが「脳を興奮させる物質」というより、むしろ脳内の固定化された秩序を一時的に緩める作用を持っているらしいという点である。特に印象的だったのは、デフォルトモードネットワークと呼ばれる、自我感覚や自己物語を支えているネットワークの活動が和らぐという話だった。普段の意識は、まるで巨大な鉄道網のように決まった路線に沿って動いているのかもしれない。しかしサイケデリクス状態では、その線路の拘束が緩


【フローニンゲンからの便り】18752-18757:2026年5月27日(水)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18752 決められたスケールでの即興演奏 18753 今朝方の夢 18754 今朝方の夢の振り返り 18755 単純な運動の中に潜む演奏の本質 18756 即興の土壌作りとしての楽曲練習 18757 エディンバラとフローニンゲンの気候の違い 18752. 決められたスケールでの即興演奏 ここ数日、不思議なほど楽しいと感じているのが、「決められたスケールの中だけで自由に即興する」という遊びである。外から見ると、使える音を制限しているのだから不自由になっているようにも見える。しかし実際には逆で、制約があるからこそ、かえって音楽の内部へ深く潜っていける感覚がある。以前は、即興とは「どれだけ多くの音を使えるか」に関係していると思っていた。より複雑なスケール、より高度な理論、より難しいコード


【フローニンゲンからの便り】18747-18751:2026年5月26日(火)
⭐️心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「加藤ゼミナール─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18747 世界を音として知覚し直す訓練としての脳内即興 18748 今朝方の夢 18749 今朝方の夢の振り返り 18750 音そのものの快感の中へ 18751 ギターを身体に馴染ませること 18747. 世界を音として知覚し直す訓練としての脳内即興 最近気づき始めているのは、即興演奏という営みは、必ずしもギターを手に持っていなくても成立するということである。むしろ興味深いのは、脳内だけで即興を行っているときにも、どこか演奏時に近い集中感や感覚の活性化が起きている点である。街を歩いている時間、あるいはスーパーのレジ待ちのわずかな時間ですら、脳内では静かな演奏会が始められることに気づき始めている。最初は単純に、頭の中でコード進行を流すところから始まった。AmからF、そこからGへ進むだけでもよい。しかし不思議なのは、ただコード名を思い浮か