

【フローニンゲンからの便り】18186-18188:2026年2月10日(火)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18186 ポール・ヴィリリオの速度学を通じた発達倫理 18187 今朝方の夢 18188 今朝方の夢の振り返り 18186. ポール・ヴィリリオの速度学を通じた発達倫理 ポール・ヴィリリオの思想、とりわけ「速度(dromology)」と「事故(accident)」の概念は、人間発達に関する実践を倫理的に再点検するための、きわめて鋭利な視座を提供する。まず、ポール・ヴィリリオの中心的な主張は、近代以降の文明は「空間」ではなく「速度」によって組織されてきたという点にある。技術革新とは、何か新しいものを生み出すこと以前に、「到達までの時間を短縮すること」であり、速度の増大こそが権力・支配・効率の本質である。ここでヴィリリオが強調するのは、速度が増せば増すほど、人間の知覚・判断・倫


【フローニンゲンからの便り】18179-18185:2026年2月9日(月)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18179 神経系を書き換えるための質の伴った練習 18180 今朝方の夢 18181 今朝方の夢の振り返り 18182 発達理論を学び、用いることそのものが孕む倫理的リスク 18183 発達速度の倫理──「早く成長させたい」という誘惑 18184 発達論的エリート主義に対するドーソン/スタインの根源的批判 18185 ポール・ヴィリリオの速度学 18179. 神経系を書き換えるための質の伴った練習 ブランダン・エイカー氏の助言の核心は、「量ではなく質が神経系を書き換える」という一点にある。練習時間を増やすことは安心感を与えるが、可塑的変化を起こすのは、誤差を精密に修正できる条件が整った練習であるという主張である。まずメトロノームの使用は、主観的時間感覚の不確実性を是正する外部基準の導入である。人間のリズム感は感情や疲労に強く左右される。一


【フローニンゲンからの便り】18174-18178:2026年2月8日(日)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18174 和声空間の身体化に向けて 18175 今朝方の夢 18176 今朝方の夢の振り返り 18177 因縁生起と量子の生成 18178 リアルタイム・バイオフィードバック装置としてのクラシックギター 18174. 和声空間の身体化に向けて 和声空間を身体化することについて昨日に引き続き考えていた。和声空間の身体化とは、和音や調性、機能和声の進行を、頭で理解する抽象的な理論としてではなく、身体感覚として直接的に把握できる状態を指す概念である。単なる知識としてのトニック・ドミナント・サブドミナントではなく、それらが空間的な「重力」「方向性」「張力」として感じ取られる段階である。和声は本来、時間の中で展開する音の関係性であるが、熟達した演奏家にとっては、それは三次元的な地形のように感じられ


【フローニンゲンからの便り】18167-18173:2026年2月7日(土)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18167 ゼミナールの第169回のクラスの事前課題 18168 今朝方の夢 18169 今朝方の夢の振り返り 18170 ピアジェの発達理論(その1) 18171 ピアジェの発達理論(その2) 18172 ピアジェの発達理論(その3) 18173 唯識とピアジェの発達理論 18167. ゼミナールの第169回のクラスの事前課題 今日は午後にゼミナールの第169回のクラスがある。いつものように事前課題について自分なりの回答を考えておこうと思う。一つ目の問いは、「ピアジェの認知発達理論において、子どもは知識をどのように獲得していく存在として捉えられていますか。構成主義という立場に触れながら説明してください」というものだ。ピアジェの認知発達理論において、子どもは知識を外界から受動的に受け取る存在としてではなく、環境との相互作用を通して能動的に


【フローニンゲンからの便り】18161-18166:2026年2月6日(金)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18161 ダブルスラーの安定化に向けて 18162 今朝方の夢 18163 今朝方の夢の振り返り 18164 親指と人差し指の交互運動の深み 18165 ステフィン・カリーのプレーからの考察 18166 完璧な演奏とは 18161. ダブルスラーの安定化に向けて ダブルスラーを安定して行うために左手の薬指と小指を実質的に独立させるには、単なる筋力強化ではなく、神経制御の再編成と不要緊張の除去を目的とした段階的訓練が必要だろう。薬指と小指は解剖学的に深指屈筋腱の一部を共有し、神経支配も部分的に重なるため、初期段階では「同時に動いてしまう」「片方を動かすともう一方が浮く」といった現象が起こる。これは能力不足ではなく、制御パターンが未分化な状態である。第一段階は、独立性の可視化である。ギターを持たず、机上で薬指のみをゆっくり上げ下げし、小指は机に接地さ


【お知らせ】Back Number Vol 897-908(記事17921-18160)
いつもブログをご覧になってくださり、どうもありがとうございます。 過去記事17921-18160のPDFを公開いたしました。 お役に立てる情報は少ないかもしれませんが、皆さんのご関心に合わせて、必要な箇所を読んでいただければ幸いです。 閲覧・ダウンロードは下記よりご自由に行えます。 ・ Blog Back Number


【フローニンゲンからの便り】18156-18160:2026年2月5日(木)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18156 ダブルスラーの技術 18157 今朝方の夢 18158 今朝方の夢の振り返り 18159 神経系の再教育 18160 英語専門書の音読の効能 18156. ダブルスラーの技術 ジュリオ・サグレラスの教則本の中にダブルスラーの技術が試される曲があるのだが、実際のところこの技術の使用頻度は低いように思うが、この技術を習得することには意義があるのだろうかということについて考えていた。というのも、左手の薬指と小指を同時に着地させるのが非常に難しく感じているからである。結論から言えば、ダブルスラーの使用頻度が相対的に低く感じられるとしても、その習得には十分な意義がある。特に、サグレラスの教則本に含まれるダブルスラー課題は、単に特殊技巧を学ぶためのものではなく、左手の運動制御体系そのものを再編成するための


【フローニンゲンからの便り】18150-18155:2026年2月4日(水)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18150 身体の可塑性を感じながら 18151 今朝方の夢 18152 突然の警報アラーム/今朝方の夢の振り返り 18153 音読による多角的な刺激 18154 アルペジオの理想的イメージ 18155 救済論的仏教心理学としての唯識思想 18150. 身体の可塑性を感じながら 昨日届かなかった指が、今日はわずかに届く。その変化を目撃する体験は、単なる技巧の向上ではなく、身体の可塑性を直接観察する行為である。ギターという楽器は、とりわけ左手の独立性、指間距離、伸展角度、微細な圧力調整を要求するため、身体の限界が可視化されやすい。ゆえに練習は、音楽活動であると同時に、身体可能性の探究でもある。まず、これは神経系の再編成を体験しているということである。指が届くようになる背景には、単なる筋力


【フローニンゲンからの便り】18146-18149:2026年2月3日(火)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18146 渡英前の最後の冬の厳しさより/フェルナンド・ソルの教則本 18147 今朝方の夢 18148 今朝方の夢の振り返り 18149 和声思考の身体化に向けて 18146. 渡英前の最後の冬の厳しさより/フェルナンド・ソルの教則本 時刻は間も無く午前5時半を迎える。今の気温はマイナス6度だが、体感温度はマイナス16度らしい。今年の冬は過去10年間の中で最も過酷であり、オランダで過ごす最後の冬がこうした過酷さを伴うというのは何かのメッセージなのだろう。自分にとってみたら、冬は厳しければ厳しいだけ有り難い。厳しい冬の先には、それに見合うだけの暖かさと優しさ、そして輝きがあるからである。それは自己修練の観点においても当てはまり、厳しい冬の後には必ずより磨かれた自己がある。オ


【フローニンゲンからの便り】18141-18145:2026年2月2日(月)
⭐️ 心の成長について一緒に学び、心の成長の実現に向かって一緒に実践していくコミュニティ「 加藤ゼミナール ─ 大人のための探究と実践の週末大学院 ─ 」も毎週土曜日に開講しております。 タイトル一覧 18141 音楽と数学の共通性を感じて 18142 今朝方の夢 18143 今朝方の夢の振り返り 18144 日々の音色に注意深く耳を傾けること 18145 ジュリオ・サグレラスとバッハの音楽語法の身体化に向けて 18141. 音楽と数学の共通性を感じて クラシックギターの楽譜と向き合っているときに、数学の問題を解いている感覚が生じるのは偶然ではないのではないかと思う。両者は表面的には音楽と数理という異なる領域に属するが、深層構造においては驚くほど共通している。まず、どちらも記号体系の解読を要求する。楽譜は音高・リズム・強弱・運指といった多層的情報を、限られた視覚記号で圧縮している。数学もまた、数式や記号によって抽象関係を表現する。いずれも、目に見える記号の背後にある構造を再構成する作業が本質である。楽譜を読むとは、単なる音符の逐次処理ではなく、和