

2452. 欧州での故郷に戻ってきて
数時間前にフローニンゲンの街に戻ってきた。駅のプラットフォームに降りた時、なんという安堵感を感じたことだろうか。 オランダという国が、そして何よりフローニンゲンという街が自分の大切な故郷の一つになっていることを実感する。心休まる故郷があるということの恩恵は計り知れない。...


2451. 【中欧旅行記】旅の終わりに思うこれからの旅
たった今ホテルの朝食を摂り終えた。これからフランツ・リスト空港に向かうバスに乗るためにバス停に行こうと思う。 ブダペストのホテルを出発する前に最後の日記を書き留めておきたい。今日も晴天に恵まれ、今回の旅を締めくくるための素晴らしい天気が今目の前に広がっている。...


2450. 【中欧旅行記】中欧旅行の最後の朝に
いよいよブダペストを出発する朝を迎えた。滞在期間中と全く同じように、今朝も朝日がブダペストの街に降り注いでいる。 一切風がなく、一切の雲もない。晴れ渡る青空だけが見える。 時刻は早朝の六時を迎えた。季節がすっかり春になり、この土地の気温が初夏の様相を呈しているためか、この時...


2449. 【中欧旅行記】二人の学者からの贈り物
ブダペストの滞在最終日も終わりに近づいている。これはすなわち、今回の中欧旅行の終焉を意味している。 いよいよ明日の朝、ブダペストからフローニンゲンに戻る。明日の夕方にフローニンゲンに到着し、再びオランダでの生活が幕を開ける。...


2448. 【中欧旅行記】 教会の鐘の音と新たな行進曲の始まり
——人間は他の人と考えや感じ方を取り交わし、共感し合うことで真に偉大になる。たった一人だけでの仕事は、たとえそれがどんなに素晴らしいものであっても、それは風で一瞬にして吹き飛ばされてしまうだろう——フランツ・リスト ブダペストの街に教会の鐘の音が鳴り響く。時刻は夕方の五時半...


2447. 【中欧旅行記】ドナウ川沿いにたたずむハンガリー国立美術館を訪れて
ブダペスト滞在の最終日も素晴らしい天気に恵まれた。もう長袖では暑いぐらいであり、実際に街中には半袖の人で溢れかえっていた。25度を越す気温となり、ブダペストの街は初夏の様相を呈していた。 ふとフローニンゲンの天気を確認したところ、今日はなんと29度を記録しており、異常な暑さ...


2446. 【中欧旅行記】突如の閃き
ブダペストで迎える四日目の朝。昨日の早朝に経験していた実存的抑鬱状態に今はない。 心身は至って軽やかであり、そこには重さはなく、心も体も透明な光であるかのように知覚される。昨日、バルトーク博物館を訪れた後にすぐさまホテルに戻り、ホテルのプール横に備え付けられているジャグジー...


2445. 【中欧旅行記】不可能性に向かって
衝撃的なオルガンコンサートから一夜が明けた。昨夜私は間違いなく、聖イシュトヴァーン大聖堂の中で超越的な意識状態を体験していたと言える。 昨夜のコンサートについては今後様々な観点で文章を書き留めるだろう。今この瞬間に全てを書き留めることができないのは、その体験を私がまだ咀嚼し...


2444. 【中欧旅行記】音の大伽藍を知覚して:聖イシュトヴァーン大聖堂でのパイプオルガンコンサート
「こんな音楽がこの世に存在するのか・・・」と思わずにはいられないほどの体験をした。時刻は夜の十時半を回り、普段であればもう就寝している時間だ。 しかし今日は、どうしても就寝前に書き留めておきたいことがある。つい先ほど、ブダペストで最も美しい教会の一つである聖イシュトヴァーン...


2443. 【中欧旅行記】皆の小宇宙:バルトーク博物館より
ホテルに戻ってきてからしばらく経つが、午前中に訪れたバルトーク博物館での体験についてまだ書き留めていないことが随分とあることに気づいた。博物館でガイドを務めてくださった女性はとても親切であり、私の些細な質問に対して全て笑顔で答えてくれた。...