

1390. 示唆に富む夢
不気味な灰色の雲が空を覆っている。早朝にその空を見た瞬間、一日の行く末がわかるかのようであった。 だが、天気の移り変わりの激しさを考えれば、今日の行く末など誰も正確にわかりはしないだろう。天候の変化が示す小さな機微は、いつも私の内側の世界に微細な変化をもたらす。...


1389. 道徳教育と霊性教育
激しい風が外の世界を行進している。その足取りはとても力強く、そして勇ましい。 開いた窓から強い風が書斎の中に吹き込んでくる。あまりの風の強さに、窓が開閉を繰り返している。今日は少しばかりおかしな日だ。 早朝に論文を一本読み、ついに書斎の机から論文の山が消えた。夏季休暇もちょ...


1388. 発達の天窓と新たな始まり
自分の中で何かが終わり、また新たな何かが始まった。もし仮に、今この瞬間に自分の目を開けて、目の前の物を視覚で捉え、「それがそこにある」と確信を持って言うことができるのであれば、それと同様の確信を持って、自分の中で何かが終わり、また新たな何かが始まったと言うことができる。...


1387. 変化と知識の網の目について
早朝、イマヌエル・カントの“Critique of Pure Reason”を音読している時、一つの記述に立ち止まった。改めて考えてみると、一つの現象が変化するというのは実に不思議かつ奇妙なことのように思える。 変化というのは、前の状態と異なる状態に移行することを余儀なくさ...


1386. 「色即是空・空即是色」を暗示する夢
早朝起床するとすぐに、季節が変わり目にあることがわかった。ここ最近、薄々とその変化の兆しに気づいていたのだが、今朝起きた時にそれが確かなものだとわかった。 八月に入って間もないが、すでに秋に向かって季節が動き出している。日が沈む時間が早くなり、日が昇る時間が遅くなっているこ...


1385. 「日記的随筆」「随筆的日記」の確立に向けて
早朝はあいにくの曇り空だったが、自分の思いが届いたのか、昼食前から晴れ間が広がった。数日前に計画していた通りに、昼食前にランニングに出かけた。 欧州に渡って以降、曜日の感覚というものがいよいよ無くなり、今日が平日の水曜日であることにはたと気づかされる。八月に入っても依然とし...


1384. 幸福感の漂うフローニンゲンの中心街から
先日、歯の定期診断に行き、今日は歯のクリーニングを行いに歯医者に立ち寄った。予定時間ちょうどに着いたのが、先客がまだ待合室におり、自分の番になるまでしばらく時間があるようだった。 そのため、持参した“New Diresctions for Child...


1383. 芸術家として生きる道
予報では晴天だったのだが、一向に晴れ間が見えず、薄い雲が空を覆っている。太陽の光を浴びながらランニングに出かけたいと思っていたのが、この様子では曇り空の下を走ることになるだろう。 そうだとしても、身体を動かすことは心身の優れた調整であることに変わりはないため、昼食前にランニ...


1382. 自己の不動点と日記文学と随筆について
昨年の今日、私はオランダのフローニンゲンの地に着いた。まさに去年の今日から新しい生活が始まったのだ。 フローニンゲンでの生活の初日に起こった様々なことを今となっては懐かしく思い出すことができる。あれから一年が経ち、自分の中で随分変わったと思われることがある一方で、変わらずに...


1381. 人生の節目と六年前の論文
人生の節目節目に読み返す本。そんな書籍が誰しも一冊はあるかもしれない。私にとって、そうした一冊の書籍は、今から数年前にお亡くなりになられた松永太郎氏が翻訳した『存在することのシンプルな感覚』である。 この書籍の原著は、米国の思想家ケン・ウィルバーの書籍 “The...