1244. 大海原を飛ぶ一羽の白鳥と世界の儚さ
崇高さや美しさというよりも、一点の曇りもない静けさが内側の世界に広がっていくようであった。一羽の白鳥が、その羽根をゆっくりと羽ばたかせながら、大海原を優雅に飛んでいる姿を初めて見た。 大海原の上を駆け抜けていくそよ風が、海面に静かな跡を残すように、静かな感動のさざ波が私を襲...
1243. 着実な更新
気づけば今日から七月に入った。七月という言葉を聞けば、それは夏を私たちに喚起させるが、依然としてフローニンゲンの夏はそれらしさを見せない。 先ほども、書斎の窓から外を見ると、パーカーを着て歩いている人を見かけた。家の中にいる私もそのような格好をしている。...
1242. ひとつづきの夢
「更新」について記した昨夜から一夜が明けた。起床するのが少しばかりためらわれるような一日の始まりだった。 だが、ひとたび起き上がってしまえば、また新しい一日の中に溶け込んでいくかのように、普段と変わらない一日が始まった。ここ数日間は、雨模様が続いており、寝室に朝日が差し込ん...
1241. ダーウィンとマルクスからの励ましと明日への更新
夜の九時に近づき、そろそろ今日一日の仕事を終えようと思う。その前に、最後に文章を一つ書き留めておきたい。 雨がしとしとと降りしきる中、書斎の中を静かに流れるバッハの曲に伴奏するように、雨滴が書斎の窓ガラスに時折ぶつかる。今日一日を振り返ってみたときに、自らの探究に関して、あ...
1240. 人間関係と自己弾力
今日は、予定していた仕事にほとんど着手することなく、“Microdevelopment: Transition Processes in Development and Learning (2002)”を読み続けていた。昨日、ステファン・グアステロ教授の書籍を読み通したのと...
1239. この夏、無の世界の淵から
目には見えないものと向き合い、それと格闘し、それと調停し、それとの関係の中で営まれる日々が淡々と過ぎていく。バッハの曲が書斎の中をコツコツと歩いていく。 その姿は、まるで異なる世界から降ってきた聖者の行進のように思える。昼食を摂り、先ほど少しばかり仮眠を取っていた。...