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855. 今後の進路について


今日は午前中に、論文アドバイザーのサスキア・クネン先生の研究室に足を運び、ミーティングを行った。普段は何気ない雑談からミーティングを開始するのだが、先日クネン先生に執筆してもらった推薦状のお礼を述べた流れで、私の今後の話から今日のミーティングが開始した。

クネン先生に推薦状を書いてもらったのは、フローニンゲン大学での二つ目の修士プログラムへ応募するためのものである。二つ目のプログラムは、今のところ、「実証的教育学」を第一希望にしている。

ダイナミックシステムアプローチや非線形ダイナミクスに関する理解を深めていくことを継続させながらも、もう一度、発達心理学の理論を学びたいという思いが強くある。実証的教育学のプログラムでは、発達心理学のみならず、教育心理学や学習理論についても学ぶことのできるコースが提供されているため、このプログラムは今の私の関心に非常に合致していると言える。

二年目のプログラムが終わった後は、”search year”を活用することによって、さらにもう一年フローニンゲンに滞在したいという計画をクネン先生に伝えた。それを聞いたクネン先生は、私がフローニンゲンという街と大学を気に入っていることを喜んでいたようだった。

その後すかさずクネン先生から、博士課程への進学は考えていないのか、という問いかけが投げかけられた。もちろん、私はその可能性を考えており、フローニンゲン大学で人間発達とダイナミックシステムアプローチに関する博士号を取得することは願ってもないことである。

しかし、この大学で博士課程のポジションを得ることは難しいということを知っていたため、そのあたりについてクネン先生にあれこれ質問をしてみた。確かに、発達心理学科が毎年採用する博士課程の研究者は、一人か二人しかいない。

しかし、実際にはそれほど多くの応募者がいるわけではなく、何より、発達心理学とダイナミックシステムアプローチや非線形ダイナミクスの双方のトレーニングを受けた応募者はほとんどいない、ということを聞いた。

現在、フローニンゲン大学の発達心理学科は、発達科学と複雑性科学を架橋する研究に関して、世界的に見ても重要な役割を果たしており、それら双方の学術領域に馴染みのある応募者を採用し、それらの領域を架橋することに関してより大きな役割を担っていきたいという流れがあることを知った。

これは私にとって良い知らせだった。確かに、フローニンゲン大学で博士課程のポジションを得るというのは、日本の大学と違い、大学から給料と生活費が支給されるという形を取る。

つまり、大学から研究者として雇われるという形式になるのだ。もちろん、実際のところ、大学側としては、私が二年前に不合格になった、研究だけに特化した修士号を取得した者を優先的に雇いたいという意図があるようだ。

そのため、そのプログラムを修了した方が、研究者として大学から雇われる可能性が高くなるのは確かである。しかし、一昨年から、大学側が博士課程の研究者を増やす方針を打ち出し、新たな仕組みが導入され始めたということを聞いた。

それは、研究者として雇われるという形ではなく、博士課程の学生としてポジションを得ることになるというものである。この場合でも、ポジションの数はそれほど多くなく、研究に特化した修士課程を修了している方が有利に働くそうだが、大学から生活費や給料が支給されるという形は同じである。

そして、クネン先生曰く、フローニンゲン大学で博士号を取得するもう一つのオプションがあることを聞いた。それは、生活費に関しては自分で賄い、自分の研究プロジェクトを練り、そのプロジェクトに合致したスーパーバイザーを見つけることができれば、大学側から博士課程への進学を許可されるというケースである。

最初のオプションは、大学から雇われるという形式であるが、これがなぜ少人数であり、毎年ポジションがあるわけではないかというと、博士課程の研究者へ支払うための生活費と給料を、教授陣が外部から資金を獲得する必要があるからだ。

仲の良いドイツ人の知人のヤニックは、ルート・ハータイ教授が外部のプロスポーツクラブなどから資金を獲得し、その資金を活用して雇われたそうだ。保証はできないとのことであるが、クネン先生から有り難い申し出があったのは、仮に先生が外部から資金を獲得することができたら、クネン先生に雇ってもらうという話である。

今の私はすぐに博士課程に進学することを考えているわけではなく、自分のその他の仕事を行いながら、二、三年後に博士課程に進学したいという考えがあるのだが、クネン先生からの申し出は本当に有り難いものだった。

フローニンゲン大学で博士号を最短で取得する年数は三年であり、友人のヤニックは、三年だと慌しすぎるため、四年の時間をかけることを勧めていた。博士号を取得する大学の候補先を考えてみた場合、結局、ハンガリーの大学で博士号を取得するにも三年がかかり、アメリカの大学で博士号を取得するには五年ほどの年数がかかる。

それほどまでに時間をかけて一つの拠点に留まって探究活動をすることが求められるため、博士課程の進学先については、今後もう少し検討を重ねていく必要があるだろう。2017/3/20

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