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705. 実証的教育学とMOOC


フローニンゲン大学での二年目の生活について、少しばかり進展があった。二年目の生活において、どのプログラムに在籍しながら自分の研究を進めていくかに関して、二つの選択肢で揺れていたことを以前言及したように思う。

具体的には、「産業組織心理学」のプログラムに在籍しながら、ネットワーク科学の理論と研究手法を学びつつ、これまで学んできたダイナミックシステムアプローチと非線形ダイナミクスの研究手法を用いながら、成長支援コーチングに関する実証研究を行うというのが一つの選択肢であった。

二つ目の選択肢は、「実証的教育学」のプログラムに在籍し、学習理論や実証的教育研究手法を学びながら、成人のオンライン学習やオンライントレーニングに関する研究を行うというものである。どちらの道に進むにせよ、企業人向けの成長支援コーチングの実証研究と、成人向けのオンライン学習の実証研究には今後も従事していきたいと考えている。

一週間前に、実証的教育学のプログラム長に連絡をしており、昨日、その返信があった。プログラム長はチリ人の女性であり、どうやら先日までチリにいたそうである。

彼女からの返信を見ると、このプログラムは自分の関心に合致しており、学習理論や教育心理学、そしてオンライン学習理論に関するコースを履修しながら、自分の研究を進めていくことができるということがわかった。

特に、フローニンゲン大学は、 ”FutureLearn”を通じて、インターネット上で誰もが受講できる無料のオンライン講義を提供している。こうした講義は近年特に注目を集めており、 “MOOC (Massive Open Online Course:ムーク)“と呼ばれている。

私も以前、フローニンゲン大学が提供するオランダ語のMOOCを履修していたことがあり、MOOCによる成人学習に着目をしていた。また、この五年間ほど、発達理論を中心とした講座をオンラインで提供していたこともあり、どのようにすれば成人がオンラインを通じてより学びを深められるのかについて、実証的な研究をさらに行っていきたいと思っていたのである。

今の研究テーマもまさにそれであり、実証的教育学のプログラムに在籍することによって、また新しい観点と手法を通じて、成人のオンライン学習について研究を行っていきたいと思う。

より詳しく調べてみると、ネットワーク科学の理論と研究手法を学ぶコースを履修しながら、実証的教育学のプログラムを進めていく道がありそうだということがわかった。フローニンゲン大学での一年目の研究生活では、とにかく発達現象をダイナミックシステム理論の観点から探究することに集中していた。

そして、二年目では、その関心を引き継ぎながらも、発達現象をダイナミックネットワーク理論の観点から探究したいと考えていたのである。ネットワーク科学の理解を深めながら、実証的教育学の探究が行えるということを踏まえると、現段階では、産業組織心理学のプログラムではなく、こちらのプログラムに進みたいと思う。2017/1/31

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