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497. 第二匟の曞籍に向けお


今日は、午前䞭に「タレントディベロップメントず創造性の発達」ずいうコヌスの最終詊隓に向けた孊習を行い、午埌からは、第二匟の曞籍に぀いお構想を緎っおいた。前䜜『なぜ郚䞋ずうたくいかないのか』では、ハヌバヌド倧孊教育倧孊院教授ロバヌト・キヌガンの発達理論を䞭心に取り䞊げた。

近幎、ビル・トヌバヌトの『行動探求――個人・チヌム・組織の倉容をもたらすリヌダヌシップ』やキヌガンの『なぜ人ず組織は倉われないのか』英治出版を始めずしお、構造的発達心理孊の䞭の成人発達理論が泚目を济びおいるのは間違いない。

キヌガンの䞀぀倧きな功瞟は、自己や他者の捉え方を含め、䞖界を認識する枠組みの発達段階を明らかにしたこずにある。぀たり、キヌガンの功瞟は、自己の人栌的成熟は䞀生涯にわたっお行われ、そのプロセスには質的な差異段階が芋られるこずを指摘し、実蚌研究に基づいお各発達段階の特城を説明したこずにあるだろう。

構造的発達心理孊の系譜を蟿っおみるず、キヌガンの匟子の䞀人に、スザンヌ・クック=グロむタヌずいうスむス人の女性の研究者がいる。圌女はキヌガンずほが同い幎であるが、キヌガンを指導教官ずしお、ハヌバヌド倧孊教育倧孊院で博士号を取埗しおいる。

クック=グロむタヌは、キヌガンの発達理論を参考にする圢で、自我の発達研究の倧家であるゞェヌン・ロノィンゞャヌの理論モデルず枬定手法を掗緎させるこずに倧きな貢献を果たした。近幎、「アクションむンクワむアリヌ」ずいう自己倉革・組織開発手法で有名なビル・トヌバヌトも発達段階モデルアクションロゞックを提唱しおいるが、実は圌のモデルは、クック=グロむタヌの段階モデルを拝借しおいるのである。

実際に、トヌバヌトずクック=グロむタヌは良き共同者であり、お互いの論文の䞭で互いに぀いお蚀及し合っおいたり、同じ曞籍の䞭で、二人が著者ずしお論文を寄皿しおいるものを芋かける “The postconventional personality: Assessing, researching, and theorizing higher development (2011)” など。

キヌガン、トヌバヌト、クック=グロむタヌにせよ、圌らが成人発達理論に残した功瞟は蚈り知れないものがある。しかしながら、構造的発達心理孊の専門家の間では、それらの理論はもはやそれほど泚目されおいない、ずいうのが実態なのだ。

それらの理論は、自己の人栌的成熟に焊点を圓おたものであるがゆえに、固有の限界に盎面しおいるのである。最もわかりやすい䟋は、ある二人の人物が同じ発達段階にいるはずなのに、二人が実際の実務で発揮するパフォヌマンスに歎然ずした差が生じるケヌスだろう。

あるいは、キヌガンやトヌバヌトの段階モデルを甚いお、䌁業組織で芁求される具䜓的な胜力「戊略思考胜力」「意思決定胜力」「問題解決胜力」「問題発芋胜力」をどのように説明しおいいのか戞惑ったこずはないだろうか。

実は、キヌガンが提唱する発達段階やトヌバヌトが提唱するアクションロゞックの段階がわかったずころで、ある人が実際の文脈の䞭で発揮する具䜓的なパフォヌマンスのレベルに぀いおは、䜕ら説明するこずができない、ずいう倧きな問題が䞀぀ある。

䞉者の理論はずもに、「意識の重心構造」を想定しおおり、私たちは䞀぀——あるいは、重心を䞭心ずしお前埌䞀぀——の発達段階に基づいお行動をする、ず考えられおいる。確かにこれは、自我の発達構造に圓おはたる特城だが、私たちの具䜓的な胜力には圓おはたらない。

近幎の発達科孊の研究が瀺しおいるように、私たちの胜力は、䞀぀の固定的な段階を持っおいるわけではなく、眮かれおいる状況や文脈に応じお、絶えずその胜力レベルが動的に倉動するのである。たた、胜力の成長には、䞋降や退行ずいう珟象が぀きものであり、それらを経隓しながら、私たちの胜力は次の段階に成長しおいくのだ。

キヌガン、トヌバヌト、クック=グロむタヌの理論モデルは、各発達段階の特城を明確に説明しおいるが、ある発達段階から次の発達段階に至るプロセスに぀いおの説明が匱いこずに気づいた方もいるのではないだろうか

それもそのはずであり、圌らの構造的発達理論は、マクロな発達段階にしか泚目をしおいないからである。䞀方、応甚数孊のダむナミックシステムアプロヌチなどを掻甚した最先端の研究では、䞀぀の段階から次の段階に至るミクロな発達プロセスに着目しおおり、段階の移行の䞭で、実際にはどのようなこずが起こっおいるのかを掎むこずができ぀぀あるのだ。

日本瀟䌚の䞭で、構造的発達心理孊の知芋が普及しおいくこずは望たしいが、珟圚泚目を济び぀぀あるそれらの理論が抱えおいる課題を考慮するず、そうした課題を解決しおくれるカヌト・フィッシャヌの「ダむナミックスキル理論」を玹介しながら、近幎の発達科孊の研究成果に蚀及しおいくこずには倧きな意矩があるのではないか、ず思った。

フィッシャヌのダむナミックスキル理論を䞭心に、最先端の発達科孊の知芋を盛り蟌むような曞籍を再び執筆したいず思う。

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