329. 感覚の進化へ向かって
感覚というものが、現実世界に生起する何らかの対象との接触であるならば、現象を知覚した時に何も感じられないのであれば、それは真にその対象に触れていないからではないかと思う。あるいは、私たちの感覚というものが心の発達と同様に質的な特性を帯びるのであれば、対象に対して何も感じない...
328. 継続
昨夜はいつも通り十時前に就寝したが、いつもより睡眠時間が長く、七時に起床した。旅で得られたものを自分の内側で咀嚼するためには時間がかかると思っていた通り、その作業は睡眠中においても徐々に進行していることを感じる。 今朝のフローニンゲンの天候は、こちらに来てから一番の快晴であ...
327. ダイナミックシステム理論による数式モデルの構築について
今日の午前中は、論文アドバイザーを務めてくださるサスキア・クネン先生の “A self-organizational approach to identity and emotions: An overview and implications”という論文と、ダイナミックシ...
326. 再出発への意志
欧州小旅行を終え、オランダに戻ってきてから最初の日が始まった。改めて今回の小旅行を振り返ってみると、こんなに意義深く後味の悪い旅は生まれて初めてであった。逆に、これが旅をすることの本質なのかもしれないと思わされる。 とても不思議なのだが、自分は本当に旅に出たのかどうかもわか...
325. 欧州小旅行記総括:時の流れの感覚質と新たな出発へ向けて
いよいよ欧州小旅行を終え、パリから西回りでベルギーを通ってオランダに帰る。奇しくもこの旅の終わりは、リオ五輪の終焉と同じ日であった。 現在、この文章をオランダへ戻る列車の中で書いている。今回の旅を一言で総括するならば、非常に濃密な時間と感覚に包まれた旅であったということだ。...
324. 欧州小旅行記:ルーブル美術館で見た哀れな『モナ・リザ』
昨日の段階でパリ滞在の目的をすべて果たし終えたため、最終日はルーブル美術館をゆっくり巡ろうと思った。「ルーブル美術館は一日で見て回ることができない」という言葉は、各方面から頻繁に耳にするが、果たしてどれほど大きな美術館なのかを確かめてみたかった。...