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649. 内側の炎の強まり


この日は、「複雑性と人間発達」というコースの最後のクラスに参加した。教室に到着してすぐに、このクラスの様々な受講者と挨拶を交わした。

話題は極めて単純であり、お互いがどのように冬休みを過ごしたか、というものである。このクラスをいつも私は、博士課程に在籍するドイツ人のヤニックと心理学科に在籍するピーター・デヨング教授と隣り合わせの席で受講している。

いつもは私が二人の間に座る形だが、今日はデヨング教授の横の右端の席に座った。以前紹介したように、このコースは修士課程の者だけではなく、博士課程に在籍している者や、ダイナミックシステムアプローチに関心のある教授たちが受講している。

そうした教授たちの一人に、デヨング教授がいる。デヨング教授は非常に気さくな方であり、雑談にいつも花が咲く。私が日本に一時帰国した話をすると、デヨング教授はまだ日本に行ったことがないらしく、いつか自分を日本へ招待してくれと冗談交じりに述べていた。

いつになるのかわからないが、もし私がいつか日本の大学に籍を置くことになった時には、デヨング教授をはじめ、フローニンゲン大学に在籍する優秀な教授や研究者を招待したいと思う。そのような日が来ることを、今からとても楽しみにしている。

今日のクラスが終了したところで、図書館の中で少しばかり振り返りを行っていた。今日のクラスの振り返りというよりも、このコース全体を通じて得られた学びに対する振り返りと、最終試験に向けて自分がしなければならないことを明確にしていたのだ。

特に、最終試験に向けて自分が取り組まなければならないのは、このコースで取り上げた全ての研究手法について内容を整理し、それぞれに対する理解を深めることである。このコースでは、非常に多くのダイナミックシステムアプローチの研究手法を学んだ。

それらの研究手法をどのような目的で活用するのかを明らかにし、それらの研究手法はどのような研究上の問いに答えることができるのかを明確にしておく必要があるだろう。それぞれの研究手法が光を当てることのできる問いを明確にし、それらの研究手法を活用する目的が明らかになれば、今私が取り組んでいる研究の中で、早速それらの研究手法を活用することにつながるだろう。

私が研究の中で取り組みたい問いと、それらの研究手法が明らかにすることのできる問いとが合致していれば、今回の研究の中で、積極的にそれらの研究手法を活用していくつもりである。

今回執筆する論文は、あくまでも今後の査読付き論文へと発展させるための土台となるようなものにしたいと思う。少しばかり野心的な修士論文になるかもしれないが、非線形ダイナミクスの様々な研究手法の応用可能性を探る裾野の広い研究としていきたい。

明日から二月の最初の週に行われる最終試験に向けて、これまでの学習内容を咀嚼し、それらの知識が自分の研究や実務の中で活きるような次元に昇華させていきたいと願う。その実現に向けて、まずは学習した様々な概念の理解を整理し、特に非線形ダイナミクスの研究手法の活用目的と活用方法について明瞭な説明ができるようにしておきたい。

今日のクラスを通じて、自分の内側の炎が、確信を伴って一段とその勢いを強めたことを実感する。2017/1/12

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