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568. 何気ない日常より


今日は早朝から、昨夜の就寝前に気にかかっていたことを調べる作業から仕事を開始した。昨夜、ダイナミックシステムアプローチに関する文献を読んでいた時に、そこで紹介されている発達の原理が、アメリカの思想家ケン・ウィルバーが提唱した「20の発達原則」と大きく重なることに気づいたのだ。

昨夜の就寝前、とりあえず書斎の本棚からウィルバーの傑作であるSESを取り出し、机の上に置いてから床についた。起床後、20の発達原則に関する箇所を丹念に読み解くことを開始した。

ウィルバーが提唱する発達原則の中でも、例えば、「発達現象の創発性」、「階層的な発達」、「複雑性の増加」などは、ダイナミックシステムアプローチが強調する発達原理と通底するものがある。私は折を見て、ウィルバーの書籍を今でも読み返すことがあるのだが、未だに彼の発達思想からはいつも何かしら得るものがある。

もちろん注意を要するのは、ウィルバーの発達思想には、新ピアジェ派の発達研究までしか盛り込まれていないため、情報の鮮度が古い記述を時折見かけられることである。ウィルバーの発達思想には、近年の発達研究は一切盛り込まれていないが、彼の思想の真髄の部分が色あせることはない。今朝改めてウィルバーの書籍を読み返して、そのようなことを思った。

ウィルバーが提唱した20の発達原則を再度確認したところで、書斎の窓から目の前のストリートを見ると、昨日はどうやら雪が少々降っていたようだ。レンガ造りの家々に並行する形で、ストリートの路肩に何台かの車が停められており、それらの車の上に雪が少し積もっているのを確認した。

今日の最低気温はマイナス五度であり、午前九時現在の気温はマイナス二度である。いよいよフローニンゲンの街も本格的に冬に突入したのだと知る。それでも今日は晴天であるため、午前中の仕事がひと段落したら、ノーダープラントソン公園へランニングに出かけたいと思う。雲ひとつない晴れ渡る快晴が目の前に広がっている。

午後からは引き続き、ウィルバーが提唱した20の発達原則とダイナミックシステムアプローチが提唱する発達原理との比較を行いたい。その後は、発達科学者のカート・フィッシャーの論文を引き続き数本読み、木曜日に迫った「複雑性と人間発達」のコースの準備をしたいと思う。

次回のクラスでは、「状態空間(state space)」を分析するコンピューターシミレーションを実習で取り扱うことになっている。とりわけ発達研究では、時間という概念が鍵を握り、時間変数を盛り込んだグラフを頻繁に見かける。

「状態空間グリッド」というツールを用いれば、時間以外の変数間の関係性を見事に分析することができる。このツールは、二、三年前から着目をしていたものであり、第三回目のクラスでこのツールを学習することができるというのは、とても有り難く思う。

木曜日のクラスに向けて、状態空間グリッドの概要とその活用方法に関する資料に目を通しておこうと思う。

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