528. 国際司法裁判所からの出発
国際司法裁判所の門前で、私は時計塔と平和宮をただただ眺めていた。帰りの列車の時間が迫ってきていることに気づいたのは、しばらく経ってからのことだったと思う。 フローニンゲンへの直行便に乗るためには、ここで国際司法裁判所と別れなければならなかった。時計塔と平和宮を背にし、デン・...
527. 20年の歳月を経て:国際司法裁判所との再会
エッシャー美術館を後にした私は、最後にどうしても足を運んでおきたい場所に向かって歩き始めていた。それは、デン・ハーグに本部を置く国際司法裁判所だった。 国際司法裁判所の存在を始めて知ったのは、小学校高学年の時である。社会科の時間に、何気なく資料集のページをめくっていた時に目...
526. 視覚の魔術師マウリッツ・エッシャーとの邂逅:エッシャー美術館にて
デン・ハーグを訪れる計画を立ていた時に、その街にあるエッシャー美術館には必ず足を運ぼうと思っていた。私が現在住んでいるフローニンゲンからわずか数十キロ西にある街、レーワールデンで生まれたエッシャーとの最初の出会いがいつであり、どこだったのかは定かではない。...