538. 内面世界の共有
複雑性科学と発達科学を架橋した領域については、これまで一人で学習を進めてきたため、探究の開始を知らせる鐘は、随分と前に鳴らされていたのだと思う。しかし、自分の研究プロジェクトを通じて、当該領域を真に探究することは、「複雑性と人間発達」というコースが開始されることによって、始...
537. 「複雑性と人間発達」コースの開始
今日は、待ちに待った「複雑性と人間発達」というコースがスタートする日である。私がフローニンゲン大学に来た最大の目的は、このコースを受講することによって、発達研究にダイナミックシステムアプローチを適用する理論的・技術的な力を高めることであった。...
536. 真冬のほふく前進
どんよりとした雲が空を立ち込め、小雨が降る形で、今日という一日が始まった。昼食後、少し仕事をした後に仮眠をとって目覚めてみると、雲の間から太陽が顔を覗かせていた。 太陽を取り囲む雲も、黒い雨雲から白い雲へと変化を遂げていた。先週から、フローニンゲンの街の最低気温はマイナスに...
535. 内なるダイモーンと絶えない灯火
異国の地で、終わりのない彫刻作品を作り上げることと毎日向き合っている。彫像を掘り進める時、打ち間違えや上手く掘り上げられないことがあるのはやむを得ない。重要なことは、ただひたすらにそれを掘り続けていく、という行為だろう。...
534. ミクロ・メソ・マクロな発達
昨日は、これまで執筆した文章を読み返し、編集作業を行っていた。気がつくと、過去に投稿した記事のうち、200近くの記事が未編集のままになっていたのだ。 昨日の夕方から、三ヶ月前の記事をいくつか読み返し、追加・修正を文章に加えていた。すると面白いことに気がついた。三ヶ月前のそれ...
533. エッシャーの『発展』という作品より
デン・ハーグのエッシャー美術館で鑑賞した幾つかの作品の印象が色濃く脳裏に焼き付いている。一つは、『発展(development)』という作品である。発達科学を探究している者として、この作品のタイトルを『発達』と呼びたいところだが、最初に翻訳した方が『発展』と命名しているので...