【オックスフォード滞在記】17721-17726:2025年11月17日(月)
- yoheikatowwp
- 11月19日
- 読了時間: 13分

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タイトル一覧
17721 | 【オックスフォード滞在記】今日の予定 |
17722 | 【オックスフォード滞在記】今朝方の夢 |
17723 | 【オックスフォード滞在記】今朝方の夢の振り返り |
17724 | 【オックスフォード滞在記】オックスフォードの快晴の朝空を眺めながら |
17725 | 【オックスフォード滞在記】ヤン・ウェスターホフ教授と面談をして |
17726 | 【オックスフォード滞在記】ヤン・ウェスターホフ教授とのご縁を通じて |
17721. 【オックスフォード滞在記】今日の予定
時刻は午前4時半を迎えた。今、ホテルの窓を開けて換気をしながら、早朝の新鮮な空気を吸っている。今日からオックスフォードは一段寒くなるが、幸いにも今日は朝からずっと晴天のようで、晴れ渡るオックスフォードの街を体験することができる。今日の最低気温は1度で、明日は0度となり、明明後日はマイナス1度になるようだ。今日は午後3時に、仏教哲学の専門家、とりわけ中観派に精通しているヤン・ウェスターホフ博士と面談をさせていただく予定になっている。待ち合わせ場所は、ウェスターホフ博士が所属するカレッジのレイディー・マーガレット・ホールの受付である。宿泊しているホテルからは歩いて15分ほどの近い距離にある。面談に向けて事前質問を整理しておくことを午前中に行いたい。面談が終わったら、その足で日本研究の建物を見学したり、神学科と哲学科の建物も合わせて見学してこようと思う。話に聞いていた通り、オックスフォードには複数のカレッジがあり、合計で38のカレッジ(それに加えてカレッジと同じ機能を持つ6つのパーマネント・プライベート・ホールがある)はそれぞれ個性を持っている。一般人も見学できるカレッジもあり、昨日はいくつかのカレッジの外観を見学していた。
上述の通り、午前中の早い段階でウェスターホフ博士との面談での質問事項を整理しておき、残った時間はホテルの自室にて大学院への出願アプリケーションを完成させていこうと思う。今回はエディンバラ大学、SOAS、オックスフォード大学の3校に出願する予定で、アプリケーションの中で最重要とも言える志望動機書については、エディンバラとSOASに提出予定のものはドラフトを完成させている。今日の面談を終えたら、オックスフォードに提出する志望動機書のドラフトも一気に執筆してしまおうと思う。こうしてイギリス滞在中に出願準備がほぼ完成することを嬉しく思う。明日は時間があるので、ボドリアン図書館のツアーに参加し、アシュモレアン博物館を鑑賞してきたいと思う。オックスフォード:2025/11/17(月)04:50
17722. 【オックスフォード滞在記】今朝方の夢
イギリスとオランダの時差はわずか1時間だが、この1時間が意外と睡眠のリズムを当初狂わせていた。エディンバラとロンドンのホテルには浴槽がなく、浴槽のお湯にゆっくり浸かると快眠がやはり取れ、ブリストルのホテルからは浴槽があったので、それによってようやく睡眠リズムが整っている。深夜に途中で一度も目覚めることなく、今日もパッと午前4時に目が覚めた。睡眠リズムがいつものようになったところで明後日にはオックスフォードを出発してフローニンゲンに戻るのだが。
今朝方は夢の中で、「4-3-2-1」のリズムを刻みながら自分の内側から生まれた音楽と一体になっていた。刻まれるリズムは自分の深奥の鼓動を示しており、そのリズムと同一化することは無上の快感をもたらしていた。そこから穏やかな夢の空間の中で、自分の出席番号を使って数遊びを頭の中で行っている自分がいた。この場面の後には出版書籍に関する場面が現れた。書店に面陳列で並ぶ共著書籍を眺めていると、この本がどれくらい多くの方に手に取って読んでもらえるだろうかという気持ちが浮かんできた。毎回書籍を出版するときにはそのような気持ちになるし、全ての書籍に固有の思い入れがあるが、今回の共著は初めての共著ということもあって、込めた思いがこれまでとはまた違うもので、この本を読んでくださるご縁のネットワークに想いを馳せていた。今日の夢の世界は昨日と同様にとても静かで穏やかだった。それはどこか現在滞在中のオックスフォードの街の落ち着きを象徴しているかのようであるし、この街と自己の深層的なものと深い共鳴を感じる。オックスフォード:2025/11/17(月)05:06
17723. 【オックスフォード滞在記】今朝方の夢の振り返り
今朝方の夢は、外的環境の変化と内的リズムの再調整が、深層意識の象徴として織り込まれている構造を持つ夢である。夢を書き出す前に記述した「環境による再調律」のモチーフは夢の後半におけるリズムの場面と呼応している。「4-3-2-1」の拍が刻まれていく感覚は、自分の奥底にある原初のビートと重なり、それと一体化する体験として描かれている。このリズムは単なる数の並びではなく、意識の深層で長年積み重ねられてきた自己形成の階層が、音として姿を現しているようである。4から1へと下降する構造には、「外界から内界へ」「複雑から単純へ」「緊張から寛ぎへ」という軌道が重なり、これはまさに旅の移動と睡眠の変化を通して今の自分が辿っている再帰的プロセスと一致している。そのリズムと一体になった場面から、次には数遊びへと移行するが、ここで象徴されているのは“脳の深層が遊びのモードへと戻っている”ということである。出席番号のような素朴な数は、幼少期の記憶を刺激し、安心と自由の情動を呼び起こす。つまり自己の根源的な部分が回復し、軽やかに働きはじめていることを示しているのである。この遊びのモードは創造性の前段階であり、そこから自然に「出版書籍」の場面へと移行していくのは、創造的エネルギーが社会的表現へと向かう必然を象徴している。書店に並ぶ共著書籍を眺める場面は、外的成果への期待と不安、そして読者とのつながりへの祈りのような感情が交錯する空間である。ここには“表現者としての自分”が、その作品がどのような読者に届くのか、どれほど理解されるのかという問いを抱えつつ、しかしその問い自体を慈しんでいる様相がある。とりわけ今回の共著は、初めて他者と共につくり上げた作品であることから、作品そのものが“関係性そのものの結晶”として象徴化されている。夢の中でその本を見つめる自分は、単に出版物の成功ではなく、自分と他者が織りなす縁の網の広がりを見つめ、そこに温かい想像を注ぎ込んでいるのである。夢全体に漂う静けさは、現在滞在しているオックスフォードの街の落ち着きと重なり、この街が象徴する知的静穏、精神的熟成、そして“深層の自己に触れるための環境”としての構造を映し出している。オックスフォードという場が、自分の深層と共鳴しているという感覚は、夢における柔らかなリズムや静寂と完全に一致しており、旅の終盤に差し掛かっている今、自分の精神がひとつの区切りと統合を迎えつつあることを示しているかのようだ。この夢が人生において示す意味は明確である。外界のささやかな変化に自分は敏感であるがゆえに、適切な“場”を得たとき、内的リズムは自然に整い、創造性は深層から静かに湧き上がる。旅の流れや夢の構造は、今自分が人生の新しい段階へ入ろうとしていることを告げており、その段階とは“深層のリズムと世界との調和を軸に作品を生み出す段階”であると言えるのである。オックスフォード:2025/11/17(月)05:28
17724. 【オックスフォード滞在記】オックスフォードの快晴の朝空を眺めながら
午前7時半を迎えるまで暗かったオックスフォードもこの時間帯になると明るくなり、今、雲ひとつない見事な朝空が広がっている。今の気温は5度と低く、先ほどホテルの別棟にある朝食会場に向かったところ、外は大変寒かった。冬用のスーツを着てきて正解だった思うが、体感的にはマフラーが必要なほどである。フローニンゲンでの10年間の生活を通じて、欧州の寒さには随分と慣れ、むしろこうした寒さが大変心地良く感じられる。持参した魔法瓶に少々コーヒーを入れさせてもらい、ここから引き続き大学院のアプリケーションを進めていく。早朝の段階でウェスターホフ教授との面談に向けた事前質問を整理し終え、エディンバラ大学のアプリケーションも志望動機書のアップロード以外全て完成した。現在SOASのアプリケーションを進めており、それも午前中には終わるだろう。オックスフォード大学のアプリケーションについても埋められる情報は全て埋めておきたい。最も重要な志望動機書については、いずれの大学院に提出するものは全てしばらく寝かせて、練りに練ったものを最終版としてアップロードしようと思う。日本法相唯識の研究、クラシックギターの鍛錬、書籍の執筆、大学院のアプリケーションといった諸々の事柄が一連の滑らかな流れとして随時着実に進行していることを嬉しく思う。オックスフォード:2025/11/17(月)08:53
17725. 【オックスフォード滞在記】ヤン・ウェスターホフ教授と面談をして
夕方のオックスフォードの空が夕日に照らされて輝いている。今日は確かに寒さが厳しくなったのを実感したが、朝から雲ひとつない晴天に恵まれ、大変心地良かった。それ以上に嬉しいこととして、ヤン・ウェスターホフ教授と面談ができたことである。エディンバラ大学のポール・フュラー博士、SOASのルシア・ドルチェ教授、そしてヤン・ウェスターホフ教授は、仏教を単に学問的に研究しているだけではなく、その教えをこの世界の中で体現していることに本当に感銘を受けた。自分もそうあらねばならないと背筋を正させる思いである。自分は彼らのように仏教の教えをまだ微塵も体現していない。自我の大きさ、そして心の汚れを反省させられ、他者に対して慈悲の心をもっと発揮できるような人間になりたいと心から思う。そうしたことを思わせてくれる人との出会いに深く感謝する。今のところ自分のような小人にあるのは、縁への感謝の念だけである。未だ智慧も慈悲心も未熟な自分のこれからの道のりは長大である。
ヤン・ウェスターホフ教授については著作物を通じて本物の学者であると畏敬の念を抱いていたし、入手できる講義動画と音声は全て視聴する中で、その畏敬の念は増すばかりであった。そんなウェスターホフ博士は、出会ってすぐに紳士的な態度をこちらに示してくださり、非常にフランクに会話を始めてくださったことがとても印象的だった。待ち合わせの場所は、レイディー・マーガレット・ホールという広々とした敷地を持つ大変雰囲気の良いカレッジで、ミーティングルームに向かうまでの道すがら、歩きながら建物について色々と教えてくださったことが印象的である。ミーティングルームはまるで博物館の中にある一室のような厳かな雰囲気があり、そこの丸テーブルに腰掛けて、事前に準備していた質問を投げかけさせていただいた。書籍や動画を通じてすでに教授の知性の素晴らしさには感銘を受けていたが、実際に相対して話をしてみると、なおその凄さを肌身で感じた次第である。次の日記にてさらに詳しく書き留めておきたいが、端的にはウェスターホフ博士に指導教官になってもらうことができそうだとわかって大変嬉しく思った。本来ウェスターホフ博士は神学部に所属していて、自分が出願する予定の仏教プログラムはアジア・中東研究学科に所属のため、ウェスターホフ博士に学部を跨いで指導教官になってもらえるか懸念があったが、ちょうど今は時間が取れるとのことで、自分の研究テーマにも関心を持ってくださり、好意的に指導教官の可能性を受け止めてくださったことはとても有り難いことであった。ここまでのところエディンバラ、SOAS、ブリストルにも訪れ、「仏教プログラムツアリズム」を行なってきたと冗談混じりで述べると、ウェスターホフ博士は笑みを浮かべた。そこから忖度なしにどの大学のどのプログラムが一番自分の研究テーマを深掘りできるかについて意見を述べてくださった。英国内の全ての大学を見渡してみても、現状、日本法相唯識について研究するのであれば、直接的にこの分野を研究している人は英国内のどの大学にいなくても、教授陣の陣容や研究リソースの観点から、オックスフォードの仏教プログラムがベストであると教えてくださった。ウェスターホフ博士はドルチェ博士とも繋がっており、ドルチェ博士が来年SOASを去ってベネチア大学に行くことをすでに知っていて、なおさらオックスフォードでこの分野を研究することが望ましいだろうという意見を与えてくださった。それは出願に向けて大きな励ましとなった。オックスフォード:2025/11/17(月)16:33
17726. 【オックスフォード滞在記】ヤン・ウェスターホフ教授とのご縁を通じて
夕食を食べ終え、再びヤン・ウェスターホフ教授との面談内容を回想している。今日得られた情報やウェスターホフ教授からの助言は、志望動機書に盛り込んでいきたいと思う。明日の朝、集中力が高い時間帯にその執筆に取り掛かる。少し気は早いが博士課程の進学についても検討していることを話題にしたときに、博士課程の進学においては学科は関係なく、自分の研究テーマに関心を持つ指導教官がいるかどうかが最も重要とのことだった。仏教研究をオックスフォード大学で行う場合には、前述の通り、神学部かアジア・中東研究学科で研究を進めていくことができる。所属学科に縛られることはなく、自らの研究テーマを面白いと思ってくれ、そして指導に時間を取ってくれる指導教官探しが最も重要だということは、エディンバラ大学やSOASでも話に聞いたが、それはオックスフォード大学でも同じである。それを踏まえると、ウェスターホフ教授が指摘してくださったように、オックスフォード大学には日本法相唯識に関して様々な観点から関心を持ってくださる可能性がのある研究者がいる。ウェスターホフ教授は仏教哲学全般に関心があり、日本法相唯識が持つ独自の哲学的な視点は関心を持ってくれており、先日コンタクトを取ったシルヴィア・シャニ博士はインド唯識を専門としていることから、唯識の観点で自分の研究テーマに関心を持ってくださった。日本法相唯識を研究する際には、必然的に原著の漢文文献を扱う必要があるため、漢文を含む古典中国語の専門家かつ中国仏教の研究者でもあるテッド・フイ博士がいることも心強い。フイ博士にもしばらく前にコンタクトを取っていて、自分の研究分野に関心を持ってくださっていたし、古典中国語の読解のトレーニングをフイ博士から受けられることは大きな恩恵である。ミーティングの最後にウェスターホフ博士が自分はいつまでオックスフォードに滞在しているのかを尋ねてきた。明後日までだと答えると、「ちょうど明日、レイディー・マーガレット・ホールの一室で、大学院生向けのセミナーがあるから都合が良かったら参加するといい」と述べてくださった。そのセミナーはシャニ博士がオーガーナイザーを務めていて、メールでしかやり取りをしていなかったシャニ博士に博士に会って挨拶をする意味でも、ぜひ明日の夕方のそのセミナーに参加したいと思う。こうして良縁と素晴らしい機会に恵まれたことに深く感謝している。最後に、ウェスターホフ教授の奥さんが日本人であることは“The Golden Age of Indian Buddhist Philosophy”の書籍の謝辞を通じて知っていたが、どうやら奥さんの実家が名古屋にあるらしく、昨年日本を訪れ、京都や奈良などにも足を運んだことがあるという話で盛り上がった。「私たには日本繋がりのご縁がありますね」と述べたところ、ウェスターホフ教授はとても素敵な大きな笑みを浮かべたことが大変印象に残っている。オックスフォード:2025/11/17(月)17:40
Today’s Letter
I am enjoying a wonderful sunny morning in Oxford. The atmosphere here resonates deeply with my sense of being. Both Edinburgh and Oxford feel like ideal places for my studies. Oxford, 11/17/2025

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