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9922-9927: フローニンゲンからの便り 2023年2月17日(金)



No.4485 重層_Superposition


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本日の3曲


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タイトル一覧

9922. 祈りの実践からもたらされたノブレス·オブリージュの精神

9923. 今朝方の夢

9924. パブリックヘルスに関する公共政策への関心

9925. 箏の稽古がもたらす聴覚フィールドに対する感性の涵養

9926. 免疫過剰な現代社会に対して

9927. 肌の上に生きる自我/具体と抽象


9922. 祈りの実践からもたらされたノブレス·オブリージュの精神


時刻は午前6時半を迎えた。昨夜はあまり寝つきが良くなかったが、十分に回復しているように思う。昨日はいつもの時間にいつものように筋力トレーニングをして、寝る前にゆったりと入浴をして就寝に向かった。いつもであればすぐに眠りの世界に入れるのだが、昨夜はどういうわけか頭が冴えていて、すぐに入眠することができず、結局目を閉じた状態で午前3時ごろまで熟睡できないような状態だった。目を閉じているだけでも脳を休め、身体を休めることはできるということを改めて実感しているが、それにしても昨夜の寝つきの悪さは何が原因だったのだろうかと考えさせられる。昨夜から本格的に取り組み始めた祈りの実践が寝つきの悪さの原因とは到底考えられないので、何か他の要因があるのだろうし、複合的な要因かもしれない。


昨夜はこの現代社会の種々の問題の早期の解決に向けて祈りを捧げていた。祈りとは不思議なもので、祈った事柄に対して自分の具体的な取り組みが見えてくることである。それが明瞭に見えなかったとしても、具体的な取り組みを何か始めてみようと思ったり、それを探す方向に意識が向かうことである。祈りの力とはそれを単に祈りで終わらせるのではなく、自らが変化して、祈りの対象に向けてアクションを行い始めるようにさせることにある気がしてくる。祈りの中で、自分のこれからの取り組みについて色々と考えていた。自分にできることはとにかく学問に打ち込むことであり、その過程の中で得られた事柄を絶えず社会に共有していきながら社会の課題を解決していくことである。ノブレス·オブリージュの精神を絶えずもって学問に励み、それを通じて得られた知識や実践を広く社会に共有していくこと。そしてそれを社会課題の克服につなげていくこと。そうした責任が自分にはあり、そうした責任をまっとうするための胆力と徳をさらに身につけたいものである。


今日の取り組みは、先日行われた批判的実在論の振り返り会のアーカイブ動画を視聴して、何かコメントすることがあれば受講生に向けてコメントしようと思う。それ以外には、テクノロジー哲学者のドン·アイディの書籍の中で未読のものが3冊ほどあるのでそれらを読み進めていきたいと思う。今日も実りある活動が実現されるだろうという予感がある。フローニンゲン:2023/2/17(金)06:54


9923. 今朝方の夢


時刻は午前7時を迎えた。そろそろ夜明けを迎えようとしているフローニンゲンの朝の世界。空は依然としてダークブルーだが、もう少ししたら夜明けがやって来ることがここ最近の朝空の様子を見ているとわかる。


今朝方の夢について振り返っておきたい。夢の中で私は、ピラミッド型をした立派なビルの1階にいた。そこはどうやら官僚組織が入っているビルのようで、それがピラミッドの形をしていることがどこか皮肉に思えたが、外観はとてもお洒落であった。内装ももちろん綺麗で気持ちが良かったのだが、自分はさて何をしにここにいるのだろうかと思った。自分は官僚ではなかったので、ある省庁からアカデミックな観点での助言を求められてここにいるのだとふと思い出した。どうやらもう仕事は終わったようで、今から帰ろうとしていると、元官僚の知人が外に出ようとしているのが見えたので話しかけてみようと思った。そのような夢を見ていた。


それ以外には、畳の道場でジークンドーを大人と子供に教えている場面があった。基本的に相手は日本人ばかりだったが、外国人も少し混ざっていたように思う。なのでインストラクションの言葉は日本語だけではなく英語も交えていった。相手の右足の膝を折るカウンターキックのやり方を教えると、それは少し難しいようで、ある小さな男の子にデモンストレーションに付き合ってもらった。彼もまたキックを出すタイミングが難しいようだったので、そのコツをみんなの前で教えた。そもそもパンチの繰り出し方からゆっくりと教えることにしたのは、それができて初めてデモンストレーションが成り立つからである。彼がパンチをうまく出せるようになってきたら、そのパンチに対してどのようにカウンターで蹴りを相手の右膝に入れるのかを教えた。周りで見ている人たちにはすぐにその蹴りの効果と威力がわかったようであり、その蹴りが間違いなく一撃で相手の膝を折る破壊力のあるものであることが全員に伝わって良かったと思う。そのような夢を見ていた。この夢を見て目を開けると、身体がとても熱くなっていた。筋力トレーニングをした日の夜は体温が上がっているため、その影響もあったかと思う。フローニンゲン:2023/2/17(金)07:15


9924. パブリックヘルスに関する公共政策への関心


午前中の読書が着実に進行している。ドン·アイディの書籍を読みながら、書籍の内容とは直接関係ないが、改めて公共政策への自身の関心について考えていた。公共政策の分野においてもとりわけパブリックヘルスへ関心を示し、その研究と実践においてはテクニカルな側面以上に哲学的な側面を探究したいという思いがある。これまでパブリックヘルスに関する学術書は1冊も読んだことないので早速調べてみると、いくつか良い文献を見つけた。トルコ旅行から帰ってきたらそれらを一括注文しようと思う。パブリックヘルスに関する公共政策に関する学術書と公共政策全般に関する学術書を10冊から15冊ぐらい購入しようと思う。


公共政策の中でもパブリックヘルスに関係していてトランスヒューマニズムと密接なつながりのある遺伝子工学技術に関する公共政策は特に注目したい。また経済的な問題を解消していくことに加えて、広く社会問題の解決に貢献できる力を持つブロックチェーン技術に関する公共政策に焦点を当てていく。そこで改めて、いかなる技術も薬なのだということを考えていた。全て完全に悪という技術は基本的に存在しない。テクノロジーをすべからず悪だとみなす発想は、「技術的決定主義(technological determinism)」と呼ばれる。技術に内包された良薬の側面に注目し、良薬として技術を活用していく方向性を定めていく公共政策が強く求められる。前述の技術に関する公共政策はそのような形で実施されているのだろうか。既存の公共政策の分析と新たな公共政策の立案に向けて探究を精力的に進めていきたい。取り急ぎ関連書籍を読むことと、英語空間にある関連動画を片っ端から視聴していこう。フローニンゲン:2023/2/17(金)10:02


9925. 箏の稽古がもたらす聴覚フィールドに対する感性の涵養


箏の演奏を通じて、聴覚フィールドに対する感性が育まれているのを実感する。これまでの実践は視覚フィールド優位のものが多かったが、箏の演奏は聴覚フィールドにおける自身の感性を育むことに非常に役に立っている。聴覚フィールドには固有の形がある。音には固有の形があって、音楽は固有の形を持つ音の構築物を楽しむものでもあり、楽器の演奏はそうした構築物を生成する楽しさをもたらしてくれる。聴覚フィールドへの感性の高まりは、普段人の話を聞く際にも非常に役に立つ。その人の話を形を持つ音として聴覚的に把握することによって、その意味内容が格段に効率よく深くなる。そんなことを実感している。


音の面白さは、それが今この瞬間に私たちを留まらせてくれることだろうか。音楽を理解する際にはその前の音が記憶の残像として残っているため、音楽的意味理解のためには今この瞬間だけではない時間が介入して来るのだが、それであっても音楽体験は今この瞬間に持続的に立ち現れるものである。音楽の魅力とその力の1つ重要なものとして、今この瞬間に私たちを留めてくれることが挙げられるように思う。午後の箏の稽古も今この瞬間に浸り切る喜びと楽しさとして行い、聴覚フィールドへの感性の涵養実践として行っていきたい。フローニンゲン:2023/2/17(金)10:45


9926. 免疫過剰な現代社会に対して


日本だけに限ったことではないが、現代はコミュニティー(community)が崩壊過程を辿っているだけではなく、それに足並みを合わせて排除的な免疫(immunity)が過度に機能している。似たようなことはビョンチョル·ハンやロバート·エスポジトも指摘している。人間には共同体を形成する機能と自己保存のための免疫機能の双方が備わっていて、現代においては後者が過剰な状態である。それはコロナウィルスのワクチン摂取の運動に見られるように身体的な次元もありながら、弱者や移民などの排斥の形を取って社会的な次元の現象もある。身体的な次元の免疫学の探究成果をもとに、社会的な次元の免疫学の研究を進め、過剰な免疫状態に対する処方箋を提供する必要性を強く感じる。


時刻はゆっくりと午後3時に近づいている。今、うっすらと太陽の光が雲間から差し込んでいる。先ほどまでは風が強かったが、風が止んできたので、トルコ旅行前の最後の買い物に行ってこようと思う。近所のオーガニックスーパーに行き、オートミールの袋を2つほど購入しようと思う。ここからは他の食材を含め、トルコ旅行に向けて計算して食事をしていこうと思う。トルコ旅行は10日ほどなので、足の早くない食材であれば冷蔵庫に入れたままでも問題ないかと思う。


買い物から帰ってきたら、先ほどの編集者の方からの連絡を受けて、再校に関する確認事項をレビューして返信をしておこうと思う。有り難いことにいくつか細かな点で編集者の方から確認事項があり、それらについて回答したい。それが終われば、そこからは夕食までの時間を使って箏の演奏を楽しもうと思う。その際に、手持ちの『やさしさに包まれたなら』の楽譜に歌詞を書き込み、こちらの曲も歌いながら演奏できるようにしていきたいと思う。フローニンゲン:2023/2/17(金)14:46


9927. 肌の上に生きる自我/具体と抽象


フロイトはかつて、私たちの自我は肌の下ではなく、肌の上に生きていると述べた。現代社会において人間の自我が暴走している背後には、皮膚感覚の喪失も1つ重大な問題として存在しているように思う。自我は肌の下ではなく肌の上に存在しているというフロイトの洞察はさらに考えを深めていく必要がありそうだ。そこには何か重要なインプリケーションがまだまだ隠されているように思う。


肌に触れるものは何も空気や人の体などだけではなく、情報というのもまた肌に触れるものとして考えることができる。そうなると、マスメディアによる情報によって自我が形作られている多くの現代人の皮膚はメディア化されているとみなすことができる。なるほど現代人は、皮膚がメディア化され、自我がメディア化され、魂もまたメディア化されているのである。この考え方はその他の社会現象に対しても当てはめて考えることができそうだ。


夕方、引き続き抽象·超越度合いの高い哲学的な探究を続けながらも、同時により具体的度合いの高い政策的な事柄の研究と実践も視野に入れながら探究を進めていく方向性について考えていた。自分を取り巻く社会状況を分析するためには視座を上げて思考する必要があり、その時に哲学的なフレームワークは非常に有効になる。自己を縛る社会的構築物の抽象度合いが上がれば上がるだけ、その抽象性に耐えうるだけの思考の次元が必要になる。その点に関しては引き続き哲学的な修練を続けていく。一方で自己を縛っているのは具体的な制度であったり仕組みであったりすることが多分にあるため、そうした具体物についても知ることをより心掛けていく。実際には、そうした具体物にも存在の階層構造があり、その発生メカニズムやそれが与える効果や因果力は幾重にも抽象的な階層構造に分かれている可能性が多分にあるのだ。ほぼ全ての場合においてそうだろう。あるオブジェクトには、天から地まで無限の存在の階層構造があることを肝に銘じておく。それを踏まえながら、やはり世の中に存在している具体的な政策の吟味を自ら行えるような分析眼を養いたい。そして政策のおかしさを指摘し、新たな政策の立案の提言ができるような力も合わせて高めていく。それは政策立案能力と括ることができるだろうか。探究したい項目が日々どんどんと増えていくことは生き甲斐の増大として感じられている。それはとても有り難いことであり、それを生き甲斐としながら日々精進を重ねていき、社会に絶えず貢献をしていく在り方を徹底させていく。自分の精神はそのようにして毎日駆動している。フローニンゲン:2023/2/17(金)20:07


本日の散文詩(prose poetry)& 自由詩(free verse)

No.2201, The Incarnation of the Real

The incarnation of the real is always manifested in a certain form.

It radiates magnificent beauty.

Groningen; 08:03, 2/17/2023

No.2202, A Subtle Tension

A subtle tension always exists anywhere.

It is not negative but positive.

It is a sign of the possibility of transformation.

Groningen; 12:29, 2/17/2023

No.2203, A Wind’s Message

A wind’s message is subtle.

Yet, we have to listen to it carefully.

Because it can unpack our own truth.

Groningen; 12:38, 2/17/2023

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