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4604-4610:フローニンゲンからの便り 2019年6月24日(月)


タイトル一覧

4604. モスクワ旅行に向けた出発の朝に

4605. モスクワ旅行出発の朝に見た夢

4606. 緩やかに美しく生きること

4607. ロシア入国に必要なものは何か?左上象限ではなく右下象限で必要なもの

4608. 踏んだり蹴ったりの一日、だがそれも人生なり

4609. 「こんな日もある」と感じながら

4610. 人生この予測ならぬもの・人生この彩り多きもの

4604. モスクワ旅行に向けた出発の朝に

時刻は午前4時を回った。今朝は3時あたりに起床し、そこからいつもの日課をこなしていった。具体的にはオイルプリングや体を目覚めさせる身体運動を行ってたのだが、今日はモスクワ旅行が始まることもあり、それらに加えて早朝に入浴もした。

今日からいよいよ7泊8日ほどのモスクワ旅行が始まる。昨夜の段階で荷造りをほぼ完成させており、あとは歯ブラシや食用オイルの瓶をスーツケースに詰めるぐらいで十分である。

予定としては、今からちょうど3時間後の7時過ぎを目処に自宅を出発し、早朝のフローニンゲンの街並みを楽しみながら、歩いて中央駅に向かう。列車の出発時刻は7:48であり、少し余裕をもって到着しようと思う。

私は普段コーヒーを飲まないのだが、フローニンゲンからスキポール空港に向かう列車の中ではコーヒーを味わうような習慣がある。また、空港内のラウンジではエスプレッソを飲むことを楽しみにしている。

このように、一ヶ月に一度、ないしは一ヶ月半に一度の旅行において、コーヒーを味わうこともまた旅の一つの楽しみだ。とはいえ、旅先ではコーヒーを飲むことはなく、基本的には出発の日の列車の中と、行きと帰りで活用する空港ラウンジでエスプレッソを飲む程度のことなのだが。そうしたささやかな楽しみに彩られた旅がこれから始まろうとしている。

フローニンゲン中央駅のコーヒー屋で小さなコーヒーを購入し、速やかに列車に乗り込む。7:48に出発する列車は、9:55にスキポール空港に到着する。

空港に到着次第、すぐにターミナル1に向かい、セキュリティーチェックをくぐり抜けたい。私はどういうわけか、過去二回の旅において、連続してターミナル2に直行することが多く、いつもボーディングパスのバーコードをかざす機械の前で引っかかる。

そこでいつも係員に言われるのは、「ターミナルが違います」というものだ。過去二回連続してそのような体験があるため、さすがの私も十分な学習をした。今日は無意識的にターミナル2に向かうことを避け、意識的にターミナル1に向かおうと思う。

時期や時間帯を考慮すると、今日もセキュリティーチェックを速やかに抜けることができるのではないかと思う。セキュリティーチェックを抜けたら、空港ラウンジに直行する。

今回もプライオリティーパスにお世話になり、いつものようにAspire Loungeでフライトまでの時間をくつろぎたい。前回のバルセロナ・リスボン旅行の時にこのラウンジを活用したのだが、その時にはこのラウンジがリノベーションされており、以前よりも明るく綺麗になっていたことは喜ばしいことであった。

もちろん、以前の作りに対して何ら不満はなかったのだが、リノベーション後の方がより開放感があり、明るさがある。ラウンジに到着するのは、10時を少し回った頃だろう。

フライトの時間は13:15だが、ボーディングが始まるのは12:35なので間違わないようにする。ラウンジでは、フルーツ類とエスプレッソを片手に、持参した楽譜をもとに、作曲実践を行いたいと思う。

今日から始まるモスクワ旅行への期待感が徐々に高まっている。フローニンゲン:2019/6/24(月)04:27

No.2111: A Time in an Airport Lounge

I’m relaxing in the Aspire lounge at the Schiphol airport right now. The boarding time for Moscow will begin shortly. The Aspire Lounge at the Schiphol Airport, 12:13, Monday, 6/24/2019

4605. モスクワ旅行出発の朝に見た夢

時刻は午前4時半を迎え、空がダークブルーに変わり始めた。幸いにも今日のフローニンゲン天気は良いらしく、現在の気温は早朝の4時半であるにもかかわらず18度と暖かい。

空港に向けて自宅を出発する7時すぎあたりの気温はなぜだか1度ほど下がり、17度との予報が出ているが、それでもこの時期のフローニンゲンの朝にしては暖かい。今日と明日は、フローニンゲンの最高気温は異常に上がるようだ。

今日の最高気温は30度、明日はなんと34度とのことであり、それは真夏のフローニンゲンが数回程度記録するか否かの気温である。そうした異常な気温を記録した後に、明後日以降は再びフローニンゲンらしい涼しい気温となり、私がフローニンゲンに戻ってくる日の最高気温は22度ほどとのことである。

今日から滞在するモスクワの天気を確認してみると、今日の最高気温は26度であり、明日から徐々に気温が下がっていくような天候が続く。旅の半ばでは、最高気温が10度後半の日もあり、今週末の土曜日に関して言えば、15度が最高気温となる。

そうしたこともあり、前回のバルセロナ・リスボン旅行と同様に、春秋用のジャケットを持っていこうと思う。さすがに最高気温が15度、最低気温が8度の日は寒いだろう。

今回の旅においても、どの日にどこを訪れるのかをすでに決めているが、旅の最中には雨が降る日もあるようなので、その辺りは柔軟にスケジュールを変更していきたいと思う。今回の旅も、ゆったりとした時間を味わいながら、自分が足を運びたいと思う場所にだけ足を運び、そこでゆっくりとした時間を過ごしていく。

これから早朝の作曲実践を行う前に、今朝方の夢について簡単に振り返っておきたい。夢の中で私は、小中高時代の親友(NK)と一緒に、シャッター付きの大きな物置の中にいた。

そこは物置なのだが、何も置かれておらず、とても殺風景な様子だった。どうやら私たちは、この物置から脱出をし、どこかに急いで向かう必要があるようだった。

この物置にはシャッターが二つ備え付けられており、私たちの前後にそれらがあった。友人と私は、目の前のシャッターをまずは開けてみようとした。すると、私たちの背後に、突如背の高い外国人が姿を現した。

その外国人の国籍は不明だが、彼もまた私たちと同様に、この物置から脱出することを目的にしているようだった。私たち三人は、協力してこの物置から脱出することにし、まずは目の前のシャッターを友人と私とで持ち上げてみた。

すると、シャッターの下に30cmほどの隙間が生まれ、友人と私の体の大きさであれば、十分にそこを通り抜けられると思った。だが、背の高い外国人は、体格も良かったため、30cmの隙間では不十分だった。

そこで彼は、反対側のシャッターを開けようとしたが、ビクともしなかったので、やはり友人と私が開けたシャッターの下をくぐることになった。その外国人もシャッターの下の隙間を開けることに本気になり、そのおかげで隙間がさらに広がり、無事に三人全員がシャッターの外に出ることができた。

すると私たちは、建物の3階ぐらいの外側のへりに立っており、そこには手すりがなく、下に落ちないようにして立つ必要があった。私の横にいた外国人は、お世話になったと言わんばかりに、すぐさま手元からロープを取り出し、それを使って建物の下に飛び降りていった。

友人と私は目を合わせ、「これからどうする?」と無言でお互いの意思を確認し、私たちも建物から飛び降りて、地上を移動することにした。建物の外側のへりから街を眺めてみると、時刻は夜なのか、とても暗く、その周辺はオフィス街なのだが、もうほとんどの建物の明かりが消されていた。

そのような光景を眺めていると、友人も手元からチェーンか何かを取り出して、それを建物の向こう側の建物に引っ掛けて、チェーンを辿りながら下に降りていった。厳密には、向こう側の建物に飛び移り、そちらの建物から地上に向かっていこうとしていた。

彼は見事に反対側の建物に飛び移っていくと、私に向かって手招きをし始めた。私は、彼が残してくれたチェーンを使って、同じように反対側の建物に向かってジャンプした。

すると、友人ほどにはうまく建物に着地することはできなかったが、なんとか無事に反対側の建物に飛び移ることができた。そこで夢が終わった。

実際のところは、この夢の前に何か別の夢を見ていたように思う。今朝方の夢が象徴していることの中で興味深いのは、シャッター付きの物置の中にいたことである。

あの物置は、もしかすると現在の自分を取り巻く精神的な環境を暗示しているかもしれないとふと思った。現在の物理的な環境ではなく、精神的な環境に閉塞感を覚え、そこから脱出していこうとする今の自分を見事に映し出しているように思う。

偶然にも、今日からモスクワ旅行が始まるだけではなく、今日からは4年間ほどの休養期間が始まり、その間は外部との接触、とりわけ他者との連絡をできるだけ絶って、自らの取り組みに集中することが始まる。

もちろん、モスクワ旅行そのものが自分の精神を開放し、押し広げてくれることにつながるかと思われる。しかしそれ以上に、後者の行動を実行に移していくことの方が、はるかに自分の精神を楽にしてくれ、大きな開放感及び解放感をもたらしてくれるだろう。

他者との馴れ合いの関係性から生まれた精神の檻、ないしは監獄から脱出し、自己を真に解放していく道を今日から力強く歩み始める。そのような決意を改めて持つ。

その他に印象に残っているのは、私が反対側の建物に向かってジャンプをした時に、少しバランスを崩し、揺らめいた瞬間があったことである。そもそも、反対側の建物が象徴しているのは、対極的なもの、つまり、これまでとは違った日々の過ごし方や生き方を指しているのかもしれないと思った。

特に、人間関係や社会との付き合い方の観点において、これまでとはまるっきり異なる形で、ないしはそれらを一旦全て清算する形で、新しい日々の過ごし方や生き方を象徴しているように思える。そうした事柄を象徴する反対側の建物に向かう際に、自己が揺らめいたというのも当然のことだろう。

これまでとはまるっきり異なる人生を歩もうとしているのだから、そうした揺らぎが生じるのは不可避のことである。重要なことは、夢の私は一切臆することなく、反対側の建物に飛び移ったことであり、そして無事に反対側の建物に着地することができたということだ。

日々の新しい過ごし方と生き方の確立に向けて、今日から始める4年間の休養期間を本当に大切なものにしていきたい。その間において、親友や家族、ごく少数の協働者の方以外とは一切連絡を取らないようにしようと思っているが、夢の中で出てきた親友は、今日から始まる休養期間においても会うであろう大切な友だ。フローニンゲン:2019/6/24(月)05:06

No.2112: The Morning for Restart

Because of a visa issue, I couldn’t go to Moscow yesterday. The morning for my restart in Groningen began. I’m fully energized right now to engage in today’s actives. Groningen, 06:11, Tuesday, 6/25/2019

4606. 緩やかに美しく生きること

つい先ほど、コーヒーを片手に列車に乗り込んだ。今、席を確保し、列車の出発を待ちながらこの日記を書いている。

この瞬間、久しぶりにコーヒーを味わっており、久々のコーヒーはやはり美味い。前回コーヒーを口にしたのは、バルセロナ・リスボン旅行の時だったので、今からおよそ一ヶ月半前のことになる。

先ほど乗り込んだ列車はまだ出発しておらず、出発までもう少し時間がある。オランダでは満員電車などは存在しておらず、ほぼ必ず座れるのだが、平日のこの時間帯はより席の確保が容易であった。

この列車の最終到着駅はデン・ハーグであり、その一つ前にスキポール空港がある。列車が出発すれば、二時間ほどの列車の旅となる。

その時間においては、持参した作曲理論の解説書をもとに、作曲実践に打ち込みたいと思う。車窓からの長閑な眺めを堪能しながら、気ままに作曲実践を行いたい。おそらく途中で日記を書くこともあるだろう。

今回の旅においても、日記の執筆と作曲実践を絶えず往復するような形で自己の表現活動を行っていく。もはやそれは表現活動というものを超えて、自己の創造活動であり、自己の創造活動というのは人生を歩むことそのものに他ならない。そう考えると、今回の旅の期間においてもまた、私は自分の人生をできる限りの深さで生きていくのだと思う。

今、スキポール空港へ向けて列車がゆっくりと出発した。この列車のように、ゆったりとした旅を堪能し、自分のペースでゆっくりと日々を生きていこうと思う。

日記の執筆に集中していると、一人の男の子を連れた女性に声をかけられた。どうやら、隣の席を使ってもいいかということだった。私はもちろんそれを承諾し、今、私の隣にはオランダ人の可愛らしい男の子が座っている。

彼はとても気さくであり、手に持っているチョコレートの飲み物がいかに美味しいかを私に説明してくれた。彼の年齢は6歳ぐらいだろうか。もう英語を理解できるようであり、私は片言のオランダ語を少々交えながら、先ほどまで彼と少し会話をしていた。

キットカットを美味しそうにかじっている彼の方をふと見ると、彼は指を立てて、「美味しい!」という合図をした。それに対して私は、「いいね!」と同じく指を立てて、二人で笑った。

もちろん、食に関して探究を進めている私にとってみれば、彼が飲んでいるチョコレートの飲み物と彼が食べているキットカットに対しては言いたいことが山ほどあるのだが、時に真実を伝えるよりも重要なことがあるのだと思う。真実は時に美に屈するようだ。

人生の瞬間瞬間に幸福感を感じ、美しく生きること。それは客観的な事実に縛られて生きるよりも遥かに尊く、より価値のあることのように思えてくる。

列車はゆっくりと着実にスキポール空港に向かっている。左手の車窓からは、牛や馬が放牧されている農場が見える。

果てしなく広がる長閑な風景に癒されながら、これから始まるモスクワ旅行の瞬間瞬間を味わいたいと思う。

真実を超えて、美しく幸福に生きること。それをこの旅においても実現させていきたい。スキポール空港に向かう列車の中:2019/6/24(月)07:58

No.2113: A Parade in the Morning

I’m perceiving a parade of the morning at this moment. Groningen, 07:23, Tuesday, 6/25/2019

4607. ロシア入国に必要なものは何か?左上象限ではなく右下象限で必要なもの

今私は、フローニンゲンに向かう列車の中にいる。今朝、スキポール空港に向けて出発した列車と同様に、車内は落ち着きを持っており、車窓からの景色も長閑だ。

しかし、どこか自分の気持ちが早朝と違うためか、車内の雰囲気も、車窓から見える景色も早朝のそれとは異なるように思える。

先ほどはスキポール空港で大変興味深いことを学んだ。それは何かを説明する前に、ロシア入国に必要なものは何かご存じだろうか?

ロシアといえばウォッカを連想される方もいるであろうか?そうした方にとってみれば、ロシア入国に必要なのは、強いアルコールに対する耐性と言えるだろうか。

ロシアといえばコサックダンスを思い浮かべる方にとってみれば——厳密には、コサックダンスはウクライナの伝統舞踊だが——、コサックダンスを楽しむための教養や、もしそれを実際に行うことに関心があれば、あの独特のリズムを刻むための足腰の強さが求められるかもしれない。

それでは、私にとってロシアに入国するために必要なものは何だと言えるだろうか?ロシアを少しばかり愛そうとする気持ち、ロシアへの関心、魂のいざないなど、幾つかのことが考えられる。

だが、インテグラル理論の4象限の観点を用いれば、それらはすべて主観的なものでああり、左上象限のものでしかない。私に必要だったのは、集合の客観領域を司る右下象限のあるものが必要だったのである。そう、入国ビザだ!

フライトのおよそ3時間前にスキポール空港に到着した私は、速やかにセキュリティーゲートに向かった。前回のバルセロナ・リスボン旅行の際にも感じたが、オランダから他国へ行くときには、カバンの中から液体物を取り出したり、パソコンを取り出したりする必要がなく、さらにはベルトなども取り外す必要がなくなった。

カバンからそれらのものを出そうとすると、係員からそれらを出す必要がないと言われ、ベルトを外そうとすると、ベルトを外す必要がないと言われた。「いや〜、便利になりましたね」と、私は笑いながら係員に述べると、私の横にいた同い年ぐらいのオランダ人の男性も笑いながら、「本当にそうだね」と述べた。

私はその男性と顔を見合わせて笑い、速やかにセキュリティーゲートを抜けたことを喜んだ。無事にセキュリティーゲートを抜けた私は、いつものように空港ラウンジに向かった。

前回利用したのは、EU圏内に向かうフライトが発着するターミナルのAspireラウンジであり、そこはリノベーションをしており、非常に快適だった。一方、今日利用したのはEU県外に向かうフライトが発着するターミナルのAspireラウンジであり、内装は悪くないのだが、こちらはいつも人で一杯になる。

なんとか席を確保した私は、早速果物類を取りに行き、エスプレッソを入れた。今日はモスクワに到着後、夕食を摂る予定がなかったので、一日一食として、果物に加えてサラダも食べることにした。

果物とサラダをいくらか食べた後、エスプレッソを片手に作曲実践を行った。スキポール空港に向かう列車の中ですでに短い曲を二つほど作っており、それに少しばかり手を加え、持参したラモーの楽譜を参考にして一曲ほど作った。

果物とサラダをゆっくり食べたり、作曲に熱中していると、あっという間にボーディングの時間となった。ラウンジを離れる直前に、オリーブオイルをかけたバナナを2本ほど食べてから、最後にトイレに行き、搭乗予定のフライトが待つゲートに向かった。

今回の目的地がEU県外のロシアだからか、ラウンジがある場所からゲートまでは思ったよりも距離があった。とはいえ、余裕を持ってラウンジを出発していたため、ゲートには余裕を持って到着できた。

ゲートに到着すると、人が列をなしていたが、ちょうどボーディングが始まったタイミングであり、列での待ち時間はほとんどなく、立ちながら日記を編集していると、すぐにボーディングパスを係員に見せる番となった。

ボーディングパスを渡す前に、パスポートを見せることを要求されたので、私は係員にパスポートを渡した。

係員:「ビザのスタンプはどこに押されていますか?」

:「ビザ?何のビザですか?」

係員:「ロシアに入国するためのビザですよ」

:「えっ、ロシアに入国するのにビザが必要なのですか?」

係員:「ええ、あいにく」

:「日本人でもビザが必要なんですか?」

係員:「はい。EU圏の人たちでも必要ですからね。ロシアにビザなしで入れるのは南米の幾つかの国だけかと・・・」

:「そうですか・・・」

これが今回の旅の最大の失敗体験である。私は、ロシアに入国するのにビザが必要だとは全く知らず、ロシアに向けてのフライトに乗る前にゲートで止められ、結局飛行機に乗ることができなかった。

その後、ゲート付近のデスクで係員の方からロシア入国に関するビザの話を詳しく聞いた。どうやら申請から一週間ぐらい時間がかかるらしく、フライトに関してはリスケジュールができるとのことであったが、予約したホテルに関してはリスケジュールは難しいだろうと思った。

仮にそれができたとしても、再来週からは他の仕事が入っているため、ビザを申請して再度モスクワに向かうのは得策ではないと思った。そのため、今回は非常に残念だが、モスクワへ旅行へ出かけるのは諦めることにした。フローニンゲンに戻る列車の中:2019/6/24(月)15:19

No.2114: A Child of the Sun

The temperature in Groningen today will rise very high. I feel as if I were a child of the sun. Groningen, 09:28, Tuesday, 6/25/2019

4608. 踏んだり蹴ったりの一日、だがそれも人生なり

今日は本当に踏んだり蹴ったりの日だ。なんとまだフローニンゲンの自宅に到着していない。

今私は、フローニンゲンに向かう列車の中にいる。スキポール空港を出発したのは午後の2時あたりだったのだが、なんとその列車が向かう先で線路の不具合を起こし、途中の名もない駅で乗客全員が立ち往生するという事態に見舞われたのである。

オランダの鉄道システムは実は脆弱であり、乗客の何人かと立ち話をしていた時に教えられたのだが、暑さや寒さによって線路が不具合をよく起こすとのことである。実は私もこの三年間において、外出の数は多くないにもかかわらず、過去に二、三度目的地まで列車が到着せず、途中の駅で放り出され、臨時のバスに乗って目的地まで行くということがあった。

だが、これまでの事故よりも、今回の一件はひどく、とても小さな駅で乗客全員が降ろされたため、臨時のバスは待てども待てどもやってこず、しかも今日はオランダ全土が異常に暑い日であったため、外に放り出された私たちにとっては非常に困る出来事だった。

そのような中に置かれ、人々を観察してみると、こうした緊急事態へどのように対応するのかによって、その人の人柄が色濃く出るものだと思った。すぐにイライラする人や、のんきに構えている人、不安げな表情を浮かべてオロオロしている人など、実に様々であった。

乗客全員のほとんどがフローニンゲンを最終目的地にしていることもあり、立ち話をしている人たちの中には、フローニンゲン大学の関係者が多く、「世界は小さいね」などと言いながら私たちは笑い合っていた。

私の周りには、フローニンゲン大学の経営大学院で組織行動学を専門にしている博士課程の男性が一人(ベルギー人)、アントレプレーを専門としている研究者の女性が一人(ラトビア人)、そして哲学科のなんと学科長の男性(オランダ人)がそこにいた。

私たち四人はそこでしばらく立ち話をし、待てどもバスがやってこなかったので、タクシーを捕まえ、割り勘で最寄りの大きな駅であるズヴォレに向かった。結局私たちは、放り出された駅で1時間半以上も放置され、私たちがタクシーに乗る頃になってようやく臨時のバスがやってこようとしていた。

今そのズヴォレに到着し、そこで列車に乗ったのだが、この列車もフローニンゲンまで直通ではなく、また乗り換えなければならない。しかもこの列車は、線路が熱でおかしくなっているため、通常よりもゆっくりと運行している。

もう今日は踏んだり蹴ったりであり、随分と時間を無駄にしたように思えるが、そこも発想を転換して、今日は色々な意味で勉強になったと思いたい。こうした有事の際には、やはりオランダ語を習得していないと迅速に行動できなくなってしまうことや、緊急事態においていかに他人任せにせず自らの頭で判断をしていくかの重要性を教えられた。

今日はフローニンゲンに到着したら、オーガニック専門スーパーに立ち寄り、豆腐、リンゴ、バナナ、そして夕食用にサラダでも購入したい。しかし、今の列車の調子だと、フローニンゲン中央駅に到着するのは午後の7時になってしまうかもしれない。

そうなると、オーガニック専門スーパーは7時に閉まってしまうので、今日は近所のスーパーに立ち寄った方が賢明かもしれない。今日は本当に踏んだり蹴ったりの日であったが、いろいろと学ばされることの多い日であった。メップル駅近郊:2019/6/24(月)17:26

No.2115: Embodied Feelings

I can often feel that I come and go in various realities. Groningen, 12:47, Tuesday, 6/25/2019

4609. 「こんな日もある」と感じながら

今、ズヴォレの駅で途中下車したメップルという小さな駅のプラットホームでこの日記を書いている。プラットホームの向こう側には閑静な住宅街が広がっていて、小鳥の鳴き声が聞こえて来る。

今この瞬間、私はプラットホームの椅子に腰掛けており、私の右横には、フローニンゲン大学の哲学科の学科長が座っている。ここまで2時間ほどお互いに話をし、今はお互いに思い思いの時間を過ごしている。

私は日記を書いており、教授は本を読んだり、ぼんやりとプラットホームの向こう側の景色を眺めている。なんとこの教授は、昨日まで休暇でアルジェリアに行っていたらしく、そこで趣味のバードウオッチングをしていたそうだ。

アルジェリアについて関心があったので色々と尋ねてみると、滞在中には最高気温が46度に到達する日もあったそうであり、今日のオランダの30度近い気温は涼しいもんだと笑いながら述べていた。

また、その教授は、これからフローニンゲン大学で自身の専門領域に関するカンファレンスに参加し、リセプションスピーチをすることになっているらしい。もうそれには間に合わないと思われるのだが、お互いに完全に開き直っている。

たった今、電光掲示板を見ると、メップルからフローニンゲン行きの列車がやってくるのはさらに10分遅延が生じているとのことである。それを右横にいる教授に伝えると、「今日は本当に最悪だね」とお互いに笑った。

ここまで不測の事態が重なることは、これまでの人生においてあまりなかったように思う。しかし、ロシアへ入国するためのビザを取得し忘れてフライト代やホテル代を全額失ったぐらいで、そしてスキポール空港から二度も途中駅で降ろされ、そこで立ち往生を食らったぐらいで、それらを不幸な事態だと捉えることは、とても狭い認識であるように思う。

それらの一連の出来事は、完全に自分の意思を超えたものであり、そうしたことは確かに生じ得るのだということを身を以て知った。そして、それらの出来事からどのような学びを得るかが非常に大事であり、この経験を次回以降の不測の事態に活かしていくことが大切になるだろう。

人生は本当に順風満帆ではなく、自分にはどうしようもない出来事が起こることを想定に入れておかなければならない。

この調子だとフローニンゲン中央駅に到着するのは、本当に午後7時あたりになってしまいそうだ。そのため、今日は街の中心部のスーパーではなく、速やかに自宅に戻り、そこで荷物を降ろしてから、近所のスーパーで果物類を購入し、今日の夕食は軽めに果物類だけにしようと思う。

本来であれば今日からモスクワ旅行が始まっていたため、野菜類も全て食べきっているので、近所のスーパーではサツマイモ、タマネギ、ニンニクなどを購入しておきたい。

自宅に戻ったら、先ほど教授から教えてもらったように、オランダ鉄道に今回の列車事故に関する返金依頼をしようと思う。なにやら、30分以上の遅延に巻き込まれた場合には、届け出をすればチケット代金が返金されるらしい。

今日は寝る前にその手続きだけはしておこうと思う。結局今日はなにをしに出かけたのかというと、早起きをし、列車に乗って田園風景を眺めながら日記を書き、作曲をし、スキポール空港のラウンジで果物とサラダを食べ、エスプレッソを飲みながら作曲をし、そして様々なトラブルに巻き込まれながら自宅に戻ってくることだった。

そして、今日のお土産は、空港のラウンジで持ち帰ったバナナ一本だった。メップル駅のプラットホーム:2019/6/24(月)17:46

No.2116: A Fire Bird at Dusk

I’m perceiving as if there were a fire bird around the sun at dusk. Groningen, 16:55, Tuesday, 6/25/2019

4610. 人生この予測ならぬもの・人生この彩り多きもの

あと少し、あと少しでフローニンゲン駅に到着する。今乗っているのは、メップル駅から各駅停車で向かう列車である。

この列車に乗ることはこれまでほとんどなかったのだが、乗ってみると非常に綺麗である。内装もトイレも綺麗であり、どうやら運行している列車の名前がいつもと異なるらしいことに気づいた。

もう言うまでもなく、今日は踏んだり蹴ったりだったのだが、この列車に関するそうしたささやかな発見があるだけで有り難い気持ちになって来る。

今日はモスクワ旅行の開始日の予定であり、4年間の休養生活の始まりの日でもあった。これからの4年間が前途多難であることを予感させるが、同時に人生に対する達観を予感させるものでもある。

今日は本当にトラブルの連続だったのだが、この瞬間の自分は嘘のように穏やかな気持ちでいる。どうやら、この人生を達観的に捉えることができているようだ。何があっても右往左往しない自分がここにいる。

今日は実に様々な体験をさせてもらった。そうした体験をするために、あえて金銭的に評価をしてみると、15万円ほどを支払ったことになる(機会費用を含めるもっと多い費用かもしれない)。

一般的に考えれば、今日は踏んだり蹴ったりな体験をするためだけに飛行機代やホテル代、そして列車の代金——帰りの列車はトラブルのため、きっちり返金申請をしよう——を支払った形だったが、今の私の気持ちは極めて穏やかである。完全に「人生なすがまま」の境地で今この瞬間にいる。

フローニンゲン中央駅に到着するまであと15分ほどとなった。水を切らしてから随分と時間が経っているため、今は喉がカラカラだ。駅に到着したら、駅構内のスーパーで水を購入し、乾いた喉を潤したい。

今日のような日を何度も振り返っていることが自分でも興味深いが、今日は自宅を出発してから合計で10時間ほど、オランダを北から南へ、南から北へと行ったり来たりしていた。モスクワへ思いを馳せながらボーディングゲートの前で追い返されて今に至る今日一日は、もう完全に笑える一日である。

楽観主義者と言われてもいいので、私は自らの根源的な楽観性をこれからも大切にし、何があっても笑って生きようと思う。他者に起こることではなく、自分に起こることに関しては、すべてを笑いに変えてしまおうと思う。

当然笑えないことがあることを知っているが、それでもそれらを笑いに変えてしまおう。悲嘆にくれようと笑おうと事態が変わらないのであれば、どうして前者を選ぼうか。

人生には本当に色々なことがあるものだ。楽しいこともそうでないことも。嬉しいことも落ち込むことも。穏やかな気持ちになることも、苛立ちの気持ちになること。それら全てを達観して生きて行く。

それらの諸々の感情は、海面の移ろいゆく波に過ぎない。そうした波に右往左往してはならない。穏やかな波も荒波も、人生に彩りを与えてくれるものなのだから。

それにしても、今日は親切な人たちにたくさん出会った。彼らもまた今日の列車のトラブルに関しては不幸に思っていたと思うが、それらの出来事を笑いに変え、達観した気持ちでこの世界に佇んでいたように思う。

そんな彼らとお互いの人生を交差させ、交流ができたことを幸せに思わねばなるまい。彼らは、様々な出来事が起こるこの現実世界における同士なのだと思う。

そうした同士がこの世にたくさんいることを思うと、それだけで幸せな気持ちになる。愛しの街フローニンゲンに到着するまであと5分となった。フローニンゲンに帰る列車の中で:2019/6/24(月)18:41

6月24日(月)に生まれた曲たち

Op.1301 モスクワ旅行出発の朝に

Op.1302 アッセンの田園風景

Op.1303 旅の空の下で

Op.1304 ラウンジでのひと時

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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