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3215.【ボストン旅行記】スティーブ・サイデル教授との面談を終えて


先ほどハーバード大学教育大学院(HGSE)の芸術教育プログラムのディレクターを務めるスティーブ・サイデル教授と面談をした。面談後、再びHGSEの図書館に戻って今この日記を書いている。

時間にして30分弱の面談であったが、今後の自分の探究に関して、サイデル教授から様々な助言をいただけた。芸術教育に関する哲学研究を進めている学者について尋ねてみたところ、これまで知らなかった哲学者について紹介いただけた。

一人は、元スタンフォード大学教授のエリオット・アイスナー(1933-2014)という教育哲学者だ。アイスナーはすでに亡くなっているが、生前はハワード・ガードナー教授と小説などのフィクションが博士論文たり得るかについて論争をしたことで有名だという話を知った。

サイデル教授からの勧めもあり、アイスナーについて早速調べてみると、“The Arts and the Creation of Mind (2004)” “The Kind of Schools We Need: Personal Essays (1998)” “Reimagining Schools (2005)”の三冊を購入しようと思う。

また、古典的だが、フリードリヒ・シラーの芸術教育思想が参考になるかもしれないとサイデル教授に指摘してもらい、随分と以前に書籍の購入リストに入れていた“On the Aesthetic Education of Man (2004)”を購入しようと思う。

それともう一人紹介していただいたのは、元コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ教授のマキシン・グリーン(1917-2014)という教育哲学者だ。グリーンは90歳を超えてもコロンビア大学で教鞭をとっていたそうであり、伝説的な学者であったとのことである。

グリーンの教育思想にも多大な関心を持ったため、“Releasing the Imagination: Essays on Education, the Arts, and Social Change (2000)” “Landscapes of Learning (1978)”の二冊をオランダに戻ってから購入しようと思う。

サイデル教授から上記の哲学者について教えてもらったことにより、探究の幅がまた広がったように思う。その後、サイデル教授がディレクターを務めるプログラムについて質問をした。

その際に、仮に自分がそのプログラムに所属するのであればどのようなコースを履修したいと思っているのかを伝えた。HGSEが提供している全てのコースをオンラインカタログを通じて確認し、自分のカリキュラムをすでにデザインしていた。

それをサイデル教授に見せたところ、自分が履修予定のコースはどれも素晴らしいものであると述べてくださった後に、履修するコースはHGSEのコースに限定する必要はないのではないか、と助言をくださった。私の関心が教育哲学と芸術教育に関する社会的な論説の変遷にあるのであれば、哲学科のコースやケネディー・スクールのコースも調べてみることを勧めていただいた。

哲学科のコースについては少し調べていたが、ケネディー・スクールについては一切何も調べていなかったので、カリキュラムデザインに関して新しい視点をいただけたと思った。また、HGSEの卒業要件は最低で32単位取得することだが、クラスに登録しなくても、聴講として様々なコースを履修してみるのもお勧めだと教えてくださった。

正直なところ、ハーバード大学には数多くのプロフェッショナルスクールがあり、同時に哲学科や心理学科などを要する学術系大学院もあり、関心を引くコースはそれこそ無数にある。そうしたコースに登録はしなくても、聴講生として参加することができるのであれば、自分の探究がまた深まっていくという可能性を見出した。

ちょうど人生のこのタイミングで、発達心理学についてまた学び直したいと思っていたところなので、発達心理学の長い伝統を持つハーバード大学が提供するコースを聴講してみたいという思いが強くなる。まだHGSEに来れるかどうかもわからず、自分がここに来る決断をするかどうかもわからないが、サイデル教授との今日の面談によって、改めてHGSEの教育リソースの充実ぶりを実感することになった。

サイデル教授は終始親身になって私の話を聞いてくださり、貴重な時間をとってくださったことに感謝したい。ボストン:2018/10/3(水)16:48

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