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3198.【ボストン旅行記】教育界のノーベル賞「グローバル・ティーチャー賞」受賞者アンドリア・ザフィラコウ氏との出会い


時刻は午前七時に近づきつつあり、辺りはもう随分と明るくなった。チャールズ川沿いにはランニングをする人、ウォーキングをする人の姿を随分と見かける。今日は雲一つない晴天であり、とても爽快な土曜日になるだろう。

昨日、ハーバード大学教育大学院(HGSE)の芸術教育プログラムのディレクターを務めるスティーブ・サイデル教授のクラスを聴講した時、私以外にも二人ほど聴講する者がいたことを昨日の日記の中で言及していたように思う。

実は昨日のクラスには、ゲストスピーカーとして、イギリスからアンドリア・ザフィラコウ(Andria Zafirakou)という方が招かれていた。最初私は、彼女も聴講者の一人だろうと思っていたのだが、サイデル教授がクラス開始前に、「アンドリアに今日のクラスの中で彼女の経験について話をしてもらう」ということを述べていたので、特別なゲストなのだということがわかった。

最初に、クラスに参加する全員で輪になり、グループ意識を養うようなアクティビティがなされた。その際に、ザフィラコウさんも含め、本日ゲストとして参加している四人の自己紹介を手短に行った。

自己紹介が終わった後は、四人一組の対話の実践が行われることになっていた。その実践が始まる前に、ザフィラコウさんが私に声をかけてくださった。

確かに自己紹介の時間は短かったが、私が科学的な研究から芸術教育に関する哲学的・実践的な探究に道を変更しようと思っていることに対して、ザフィラコウさんがとても共感をしてくださったようだ。そこから彼女に対して質問をしていくと、彼女が「グローバル・ティーチャー賞」を2018年に受賞したことを話してくれた。

その時に、私はその賞がどのようなものかを知らず、とりあえず祝福の言葉だけは忘れずに述べておいた。クラス前半のアクティビティが半分ほど終わったところで、教室の真ん中に椅子を一つ置き、そこにザフィラコウさんが座る形で、彼女の経験に関する話となった。

より厳密には、グローバル・ティーチャー賞受賞の背景にある彼女のストーリーがテーマだった。ザフィラコウさんの話と、サイデル教授からの問いかけなどによって、徐々に彼女が受賞した賞の凄さがわかってきた。

なにやら、世界中の3万人の応募者の中から今回この賞を受賞されたとのことであり、賞金は一億円ほどのようだ。彼女は、人種のるつぼと化しているロンドンのある地域で美術教師として働いており、子供たちが地域に溶け込みやすくなるような教育実践を行っているとのことであり、今回の受賞はその献身的な取り組みが評価されてのことだったようだ。

自己紹介の後にザフィラコウさんの方から私に歩み寄って話しかけてくれた時に、彼女の発するエネルギーの強さにはとても驚かされた。確かにこの次元のバイタリティーがあれば、グローバル・ティーチャー賞の受賞もあり得ると思わされた。

自分の人生に与えられた役割に気づき、その役割を全うするために日々生きている人が放つ独特のオーラが彼女にはあった。彼女のオーラとエネルギーに触れながら、改めて自分がこの世界に果たしていく役割について考えていた。ボストン:2018/9/29(土)07:19

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