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2907. 緩やかな時の流れ:一つの巨大な作品に向けて


デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園から戻ってきての初日がゆっくりと進んでいる。この時間感覚は、国立公園で感じていたものと似ている。

普段よりも緩やかな時の流れを感じ、今日は日曜日であるからさらに休日の時の流れが緩やかさを後押しする。国立公園で聞いた小鳥の鳴き声、そして自宅のすぐそばに聞こえる小鳥の鳴き声の両方がとても美しく感じられる。

特に早朝は小鳥の鳴き声がよく聞こえていた。今日は風がとても心地良い。

時刻は午後二時に近づきつつある。書斎の窓を大きく開けていると、爽やかな風が時折部屋に流れ込んでくる。今日の最高気温は29度とのことであり、昨日よりも少しばかり高くなるが、空が雲に覆われているため、体感温度はそれほどでもない。

今日は午前中からGRE試験に向けた単語学習を進めていた。今日中になんとか二周目を終えることができれば理想だが、やはり一日に120ページほど確認するのはかなりの分量であるため、仮に終わらなかったとしても問題ない。明日には必ず二周目を終えることができるだろう。

午前中にチェックマークが付された単語を確認していると、すでに覚えた単語とうる覚えな単語、そして単語の文字からは意味を全く想像できないような単語の三つに大別されることに気づいた。これからは徐々にうる覚えのものをより鮮明な記憶に変えていき、文字からは全く意味を想像できない単語を徐々に意味が想起できるようにしていく。

ここでも単語の感覚を掴むことが重要になり、単語が持つ固有の感覚を少しずつ養っていくことを午後からも意識する。

午前中は単語学習と並行して作曲実践を行っていた。まずはバッハに範を求め、短い曲を一曲作った。

私が作曲で大切にしているのは、その瞬間に生起する感覚をあるべき形にすることであり、決して大作のような長い曲を生み出すことではない。一つ一つの曲は短くても問題なく、自分の感覚が完結したと感じられればそれで良い。

むしろこうした小さな曲を絶えず生み出していく中で、一つ一つの感覚を完結させていき、それをさらなる感覚につなげていくということが大切になる。私たちの感覚は絶えず自己組織化を行っており、一つの感覚は必ず新たな感覚を生み出していく。

作曲をしながら重要視しているのは、まさに感覚の自己組織化を促すために、一つ一つの感覚に形を仮置きしていくことである。これを行うことによって、感覚が感覚を生むという循環が起こる。

午前中改めて考えていたのは、私は小さな作品を作ることだけに専心しながらも、それを一生涯を通じて行っていこうという意思を持っているがゆえに、毎日の作曲実践は結局のところ完成しえぬ巨大な作品を絶えず製作しているとも言える、ということであった。

日々生み出される作品はとても小さなものなのだが、その一つ一つが一つの巨大な作品のなくてはならない部分となり、一生涯を通じてこの巨大な作品は成長を遂げていく。そのような姿を心の中で見ていた。

今日はこれから再度単語学習を行い、その後は久しぶりにドビュッシーに範を求めて一曲作りたい。フローニンゲン:2018/7/29(日)14:07

No.1177: Dance of Wind and Birds in the End of Summer

Summer in Helsinki seems to end after a while. A dance of wind and birds tells it. Helsinki, 11:22, Sunday, 9/2/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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