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1561. 本当の夢


今朝は六時前に起床した。あの不安定な天候が落ち着き、今日からは天気が安定するようだ。

書斎の窓の向こう側に広がる景色は、一見すると夜の闇と見間違えてしまう。しかし、そこには早朝の独特の静けさが広がっている。

その静けさが視覚的な景色を生み出しているのだ。だから、今は夜ではなく朝だということがわかる。

昨夜の夢は、とある進学塾で講義をする役割を担っていた、というものだった。担当講義は数学だったが、受講生の年齢を考えると、算数だと言った方が正確だろう。

数人に対して講義をすることを想定していたのだが、思っていた以上に教室が大きく、講義の開始時間になる頃には、随分と多くの生徒が教室の机に座っていた。そして、生徒だけではなく、保護者の姿も何人か見える。

時間となり、講義を始めようとすると、一人の生徒から提案があった。どうやら、算数ではなく、夢について話してほしいということだった。

その提案をしてくれたのは、歌手になることを夢見る一人の女の子だった。彼女の提案は、私たちが就寝中に見る夢ではなく、将来の夢について話をしてほしいということだった。

ちょうど彼女の母親も教室に来ており、どうやら母親もプロの歌手のようだった。その女の子の容姿は日本人だが、彼女の母親は日本語の流暢なアフリカ系アメリカ人だった。

その母親も、講義の冒頭に夢について話をすることを望んでいるような表情を浮かべていた。すると突然、私の眼の前に座っていた小さな男の子も夢について話を聞きたいと発言をした。

男の子が座る列の一番後ろの席、つまり先ほどの女の子の横の席に、その男の子の父親が座っていた。不思議なことに、その男の子の容姿も生粋の日本人だったが、その子の父親もアフリカ系アメリカ人であり、とても恰幅が良かった。

その父親は銀行員ということがわかっており、どうやら息子には名門の学校に入学してほしいようだった。男の子の父親も、講義の始めに夢について話をしてほしいと英語でリクエストをしてきた。

それについて英語で返答をすると、その父親が「あなたの英語はイギリス英語のように聞こえますね」と述べた。私はそれに対して、「そうですか、それは妙ですね。私は米国で教育を受け、英国ではなく米国で生活をしてきたのですが」と笑みを浮かべながら返答した。

教室にいる全員が英語を理解することができるため、英語で講義をしても問題はなかったのだが、生徒たちが日本人だということもあり、そこからは日本語で話をすることにした。生徒や保護者からのリクエストに応える形で、私は夢について話をし始めた。

しかし、このようなお題で話をすることになるとは思ってもいなかったため、どこから話をしていけばいいのか少し迷っていた。教室の左端の列の真ん中に座っている男の子が、夢はあるのだが、ついつい諸々の誘惑に負けてしまうということを話してくれた。

その話を聞いていたその他の生徒たちは、彼の話に同意するかのように首を上下に動かしながらうなづいている。夢はあるのだが、誘惑に負けてしまうというのは確かによくあることだと私は述べた。

そこから言葉を慎重に選びながら、「しかし、誘惑に負けてしまうような夢は夢だとは言えない」という趣旨の事柄を述べた。教室内に少しばかり緊張が走る。

ただし、それは驚きに伴う緊張感、あるいは何かにハッと気づかされた時に生じる緊張感だった。ほんの少しの時間、私を含めた教室の全員が、この緊張感の余韻に浸っていた。

私は再び口を開き、「夢が夢として認識されているのなら、それは本当の夢ではなく、偽物の夢だ」と述べた。再び教室内に緊張が走る。

だが、今度の緊張感は何かに気づかされた驚きの緊張感のみならず、言わんとしていることの重要性を確かに感じるのだが、その真意がわからないといった謎に直面した時の緊張感でもあった。

そこからさらに私は、「何かを成し遂げようとする際に、それを成し遂げようとする意志に気付けてしまうぐらいの夢は夢ではない。本当の夢は意志そのものであり、夢に向かって生きるというのは、向かうことのできない、自分の内側に常にある絶対的な意志に基づいて生きることだ」ということを述べた。

その瞬間、教室にいた全員が何かから目覚めたようだった。そこで私は夢から覚めた。

「夢が夢として認識されているのなら、それは本当の夢ではなく、偽物の夢だ」という夢の中の自分の発言に吸い付けられている。夢の中で取り上げられた「夢」とは、一般的に言う「将来の夢」と命名されるものだ。

しかし、それを「就寝中の夢」に置き換えてみても、同じことが言えるのではないかと思った。すなわち、昨夜の夢を夢として認識した瞬間に、それはすでに夢ではないのだ。

偽物の夢だと言いたいところだが、昨夜の夢は夢の虚偽性を超えて、リアルなものに変容したと言っていいかもしれない。本当の夢は、透徹な意志そのものであり、夢などそもそも見ることなどできない。2017/9/19(火)06:50 No.207: Unsolvable Inner Issues I often wonder when my writings start to transcend personal issues to societal ones.

Probably, it heavily relies on the degree of my maturity. Immense agony sometimes captures me regarding my inability to write about collective issues in the modern society.

If my immaturity prohibits me from doing it, I still have to continue to walk on a path to deepen myself.

Someday, I will commence to write for our society after reaching universal truth by writing down my unsolvable inner issues. 07:23, Thursday, 9/21/2017

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