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1103. 夢:ある彫刻家の生き様と突き上げる稲妻


稲妻が身体を突き上げるような夢を見た。稲妻に打たれるのではなく、稲妻が身体の底から頭のてっぺんへ向けて突き抜けるような夢だった。

昨日、「ここ最近は記憶に残る夢をあまり見ない。もしかしたら今夜は印象的な夢を見るかもしれない」と予期していた通りの事態に見舞われた。昨夜の夢の中、マグマを彷彿とさせるドロドロとした熱いエネルギーが完全に浄化された後に生まれるような黄色いエネルギーが私の身体を駆け巡った時、私は絵も言わぬ感動と歓喜に包まれていた。

覚えている範囲で、昨夜の夢について書き留めておく。夢の中で私は、ある彫刻家の作品が保存されている寺のような場所にいた。

その寺には、その彫刻家の作品が展示されているだけではなく、その彫刻家にまつわる家系図やエピソードが記された資料が展示されていた。私がふと足を止めたのは、その彫刻家にまつわるエピソードに関する資料だった。

その資料は、大判の画用紙ぐらいの大きさであり、画用紙の三つの段の左右にそれぞれ写真が掲載され、説明文が添えられていた。その資料を読んでいると、ふと旧友が私の横に現れた。 旧友:「この彫刻家の作品は何か感じるものがあるよね」 :「えっ、この彫刻家のことを知ってたの?」 旧友:「うん。この彫刻家はすごく有名な人物だよ。小さい頃からちょくちょく、この彫刻家の名前をいろんなところで目にするよ」 :「そうなんだ。それにしても、この中段の写真は・・・」 旧友:「これはすごいよね。作品を見て何かを感じた人たちが、こんなにもたくさんこの彫刻家の葬儀に参加するなんて。この彫刻家の作品には人を動かさずにはいられない物語がきっとあるんだよ」 私は、旧友のその言葉を聞いて、彫刻家の生き様に思いを馳せた。同時に、この彫刻家が一つ一つの作品の中に物語を表現したということ、そして動かぬ彫刻が多くの人々の人生を動かしたという事実に打たれるものがあった。 旧友:「こんな日本人もいたんだよ。とんでもない創造エネルギーに駆り立てられて生きた日本人がいたんだよ」 旧友のその言葉を聞いた瞬間、それが起こった。私の身体の底の底、存在の底の底から、強烈なエネルギーが産道を通る赤子のように昇り始めたのだ。

閃光のようなエネルギーが一挙に私の身体を駆け上がった後、さらに強烈なエネルギーが下から上へとじわじわと昇っていく中に私はいた。その時、私はもはや寺にはいなかった。

時間も空間もない、「場所ではない場所」に私はいた。そこは、存在の粒子だけが生きられるような場所だった。

どれだけそこにとどまっていたのかはわからない。そこから再び寺に戻ってきた時、資料館ではなく寺の外に私は立っていた。その彫刻家が残した一つの傑作が、天にも届くような大きさとなって、寺の背後にたたずんでいた。

それは夢の中の私の幻覚であったが、それは事実でもあった。寺の背後に透き通ってたたずむ、この彫刻家の作品をある種の放心状態で私は眺めていた。

放心状態の中、身体を突き上げた稲妻のような強烈なエネルギーに感極まっていた私は、涙を流していることに気づいた。そこで私は夢から覚めた。

寝室の窓から真っ赤な朝日が見える。しかし私には、真っ赤な朝日さえも霞んでしまうかのような、内側の朝日を見出していた。 「こんな日本人もいたんだよ。とんでもない創造エネルギーに駆り立てられて生きた日本人がいたんだよ」という旧友の言葉が今も私の耳に焼き付いている。2017/5/27

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