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752. 創造性とIQや性格特性との関係


昨日は午後から、「創造性と組織のイノベーション」というコースの第二回目のクラスに参加した。家から出るのが少し遅れたため、早歩きだけではなく、時に小走りをしながらクラスが行われるキャンパスに向かった。

クラスの開始になんとか間に合い、慌ただしく席に着いた。今日のトピックは、一言で述べると、創造性の個人差についてである。

特に、創造的な人物とそうではない人物のパーソナリティーの差に焦点を当てた内容であった。印象に残っている論点は幾つもあるのだが、第一回目のクラスでも取り上げた、IQと創造性について再度本日のクラスでも冒頭で取り上げることになった。

結論から述べると、創造的なアイデアを生み出すためには平均よりもやや上のIQが要求されるが、それよりも重要なのは、経験に対して開かれている度合いとのことであった。やや上のIQとはおよそ119.60という調査結果があるようなのだが、私はIQという測定尺度をかなり疑っている立場を取っているため、創造性的なアイデアを生み出すために平均よりもやや上のIQが必要なのかどうかも正直疑問に思う。

実際にクラスの中で、このコースを担当するエリク・リーツシェル教授にも質問したように、創造性というのは特定の領域における具体的な実践の中で発揮されるという特徴を持ち、そうした特定の領域と実践を考慮に入れないIQテストはほとんど意味をなさないと思うのである。

この点について質問をしたところ、リーツシェル教授はその次のスライドを用いながら、創造性の領域固有性について説明をしてくれた。やはり創造性というのは、人間の知性や能力の一種であり、特定の領域に紐付いた形で発揮されるようなのだ。

もちろん複数の領域で創造性を発揮する人もいるが、そうした人たちでも、全ての領域において創造性を発揮するというのは現実的に不可能であり、創造性の領域固有性というのはかなり真実性の高い特徴のように思われる。

一方、経験に対して開かれている度合いが、創造性の発揮と最も関係したパーソナリティー特性であるという調査結果は面白いと思った。経験に対して開かれているかどうかというのは、未知なるものや新しいものに対して、抵抗感なくそれをいったん受け入れてみようとする性格特性のことを指す。

つまり、何か特定の領域における経験ではなく、未知なる経験全般に対して開かれているかどうかが、この調査の尺度として用いられている。そうした性格特性が創造性の発揮と最も強く関連したものであるというのは面白い。

創造性というのは、外部環境との相互作用を絶ったクローズドシステム(閉鎖系)よりも、外部環境と絶え間なく相互作用を行うオープンシステム(開放系)の中で発揮されるものだと私は考えていたため、経験に対して開かれている人間の方が創造性を発揮するというのは、かなり納得のいくストーリーに思えた。

そのようなことを思いながら、もう少し考えを深めていきたいと思ったのは、性格特性が個人の創造性に影響を与える際に、文脈が介入してくるのか、逆に文脈が個人の創造性に影響を与える際に、性格特性が介入してくるのかという点である。

つまり、人が文脈の中にあるのか、文脈が人の中にあるのかという二つの観点から、創造性の発揮についてもう少し考えを深めていきたいと思う。これは創造性のみならず、私たちの他の知性や能力を発揮する際にも重要な問題だと思われる。2017/2/17

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