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10779-10784: フローニンゲンからの便り 2023年8月25日(金)



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成人発達理論とインテグラル理論を楽しく学んでいただける「成人発達コラボラジオ」を2023年7月14日より始めました。

タイトル一覧

10779. 今朝方の夢

10780. 1960年代のサイケデリックブームと現在のサイケデリック·ルネサンスの違いについて

10781. サイケデリクス研究と超越的なものの探究

10782. サイケデリクス体験について語り合う場の必要性/マッシュルームを愛したチェコの作曲家ヴァクラヴ·ハレク

10783. ベニテングタケに関する小林一茶の句/ヒトヨタケの神秘

10784. 還元主義への注意/サイケデリクス研究とバイオテクノロジー


10779. 今朝方の夢


時刻は午前7時を迎えようとしている。今朝は早朝より雲が出ていて、朝日を拝むことは今のところできない。昨日を最後に、今日からは気温が下がり始め、早くも秋に入ってきたような印象を受ける。最高気温は20度に到達しない日もちらほら出てくるようになった。今日はひょっとしたら午前中に雷を伴う雨が降るようで、そこからは雨が止み、夕方からもまた雨が降るようだ。コピー屋への書籍の受け取りと中央市場に買い物に行くのは雨が降る前にしておきたいと思う。念のため、折り畳み傘を持って外出しよう。


今朝方は断片的な夢をいくつか見ていた。まず最初に覚えているのは、小中学校時代の親友(KF)と一緒に見慣れない場所で話をしていたことだ。私たちはおそらくどこか別の国の遺跡のような場所にいて、その遺跡を探検しながら話をしていた。しばらく彼と話をしていると、女性友達が加わってきて、そこからは3人で話をしていた。すると突然場面が変わり、同じくインドかどこかの古代遺跡を散策している自分がいた。そこでは1人で散策を進めていて、しばらく歩いていると、今のオランダの自宅の隣人であるインド人のサハルと息子のフィンと遺跡内で遭遇した。彼らも散策を楽しんでいるようで、少し話をしてから別れ、お互いに行きたい場所を散策することになった。実はサハルとフィンと出会う直前に、私は移籍の穴に落ちてしまいそうなっていた瞬間があり、仮にあそこで下に落ちていたら自分はどうなっていたのだろうかと考えていた。


その他に覚えている夢としては、中国を旅していて、長閑な場所をバスで走っていたことである。私は中国に研修旅行として出かけていて、ある町の郊外を訪れていた。すると、そろそろ帰りの飛行機の時間になりそうだぞと思ったのでバスに乗り、空港に向かうことになった。空港には無事に到着したが、搭乗が始まるギリギリの時間だったので、バスを降りてからは走って空港の入り口に向かった。その時に偶然、小中高時代の友人(AF)に出会い、彼も同じフライトに乗る予定だったので、彼と一緒に搭乗口に急いで向かった。そのような場面があった。


最後に、目覚めの瞬間にはフットサルコートにいたことを思い出す。大学時代のフットサークルのメンバーたちと一緒にフットサルを楽しんでいて、キーパーの先輩がゴールスローとして投げてもらったボールが右から飛んできたので、私はそれを左足でジャンピングボレーをして合わせた。それは見事に相手のゴール右隅に決まり、その瞬間に目覚めた。フローニンゲン:2023/8/25(金)07:07


10780. 1960年代のサイケデリックブームと現在のサイケデリック·ルネサンスの

違いについて


鳩と小鳥の鳴き声に耳を傾けながら、サイケデリクスについて考え事をしていた。現代は「サイケデリック·ルネサンス」あるいは「サイケデリクス·ルネサンス」という呼び名が付いているぐらいにサイケデリクスに対して関心が爆発的に高まっている。それでは1960代のあの時の関心の爆発的高まりと何が違うのかと考えた時には、今回のサイケデリクスへの関心の高まりは、欧米の名門大学によるサイケデリクスのセラピー効果に対する分厚い研究が火付け役になっているのに対し、1960年代の頃の関心の高まりは、もちろんティモシー·リアリーやリチャード·アルパートといったハーバードの研究者による功績はあるものの、ヒッピー運動やヒューマンポテンシャル運動と相まって、さらにはベトナム戦争への反戦運動などとも絡み合って、セラピー効果への着目というよりも、自らの自由と解放を求めた形で多くの一般人が一気にサイケデリクスを使用し始めたところに大きな違いがありそうだ。今起こっているサイケデリック·ルネサンスは、その恩恵を受けるのはまずは何かしらの治癒を求めている人なのである。その他の違いとしては、一度制限されていたサイケデリクスを改めて制度を見直しながら制度を整備した形でサイケデリクスを摂取できるようになってきたこともまた大きな違いである。端的には、1960年代においてはサイケデリクスに関する法規制が整う前の無法状態でそれが使用されていたために、濫用·誤用は当たり前で、実際にサイケデリクスによって人生を破滅させてしまった人もたくさんいたであろう。今回のサイケデリクス·ルネサンスは、そうした過ちを再び起こさないようにするために慎重な手続きを踏み、法規制が改善されていく姿を見ることができる。さらには、今回のサイケデリクス·ルネサンスは、多くの名門大学をサイケデリクス研究に惹きつけていることも、今から60年前のサイケデリクスブームとは随分と様相が違うように思える。その他にも何か違う点はあるか、さらには共通点があるとすれば何かについて考えてみたいと思う。フローニンゲン:2023/8/25(金)07:48


10781. サイケデリクス研究と超越的なものの探究


サイケデリクス研究は、自分の内側の世界におけるまた新たな扉を開けてくれた。サイケデリクス研究を通じて、超越的なものへの探究がまた始まる。それは科学でも哲学でも、そして宗教でも語り尽くすことのできないものであり、そうした語り尽くせぬもののことを人は神と呼んできたのだろう。どこまでいっても語り尽くすことのできない超越的な働きと超越的な世界についての探究を進めていく。それは文字通り終わりのない試みである。


“science(科学)”というのは、ラテン語の“scire”という言葉に起源があり、これは「知る」という意味である。それは「感じる」とは違うことを改めて思うと、知るという意味で右側の象限がやはり科学の主戦場であることがわかるし、感じるというのは左側象限の重要な要素であることがわかる。サイケデリクス研究においては、右側象限に偏る科学主義に陥らないようにしなければならないし、左側象限に偏る内面主義に陥らないようにしなければならない。


昨日もまた17冊のサイケデリクス研究の学術書を購入した。これで今月は合計で210冊ほどの書籍を購入したことになり、そのうちの200冊は直接的にサイケデリクス研究に関するものだ。今日もまた購入したい書籍が見つかったが、それは欧州で購入するよりもアメリカで生活をし始めてから購入した方が良いように思え、今焦って購入する必要はないかと思った。今日もまた少しずつ研究ノートを取りながらサイケデリクス研究を進めていこう。フローニンゲン:2023/8/25(金)09:41


10782. サイケデリクス体験について語り合う場の必要性/

マッシュルームを愛したチェコの作曲家ヴァクラヴ·ハレク


昨夜考えていたこととして、サイケデリクス体験について語り合う場が今後さらに求められてくると思われた。サイケデリック·ルネサンスの幕開けと共に、ここから少しずつ一般人がサイケデリクス体験をし始めた際に、その体験を消化·咀嚼するような語り合いの場が社会の中でますます必要になってくるのではないかと思われたのである。まさに何かの中毒症状を患っている人や、トラウマを持った人たちが自身の体験について語り合うことによって治癒·変容を実現させていくような場がサイケデリクス体験に対しても重要になってくるだろう。そうした場を形成し、ファシリテーションをしていくための素養を身につけていくことを射程に入れながら研究活動を続けていきたい。


午前中に旺盛に学術書を読み進める中で、チェコの大変興味深い作曲家を見つけた。彼の名前はヴァクラヴ·ハレク(1937-2014)という。彼はマッシュルームから曲の着想を得ていて、それぞれのマッシュルームに違う音を見出し、いくつもの楽曲を残している。「いくつも」という表現はかなり控え目で、動画の中でハレク氏が述べるには、5,907もの曲をマッシュルームに着想を得て、マッシュルームへの讃歌として曲を作っている。その膨大な楽譜の山には驚かされた。彼は通称「共感覚」と呼ばれる能力を持っていて、音に色を知覚することを超えて、マッシュルームにメロディーを感じる能力を持っていたようだ。


早速ハレク氏が残した2、3の協奏曲·交響曲を聴いてみたところ、非常に素晴らしい曲だったので、彼の執筆した書籍や楽譜があれば早速購入してみたいと思った。今からそれについて調べてみようと思う。ハレク氏曰く、毎日必ず1曲はマッシュルームに着想を得て曲を作っているようだ。それを何年もの間続けてきたそうだ。それを受けて自分もまたカリンバの即興演奏作曲実践の中で、1日に1つは何かしらのマッシュルームの種類に対して曲を作ってみようかと思う。その際にはマッシュルーム図鑑が役に立つであろうから、それを手元に置いてそれを参照しながら早速曲を作ってみよう。フローニンゲン:2023/8/25(金)10:37


10783. ベニテングタケに関する小林一茶の句/ヒトヨタケの神秘


ーー「うつくしやあらうつくしや毒きのこ」ーー小林一茶


シロシビンマッシュルームに中毒性がないことは様々な科学研究から明らかになっていて、どうやら人間がそれを摂取すると耐性が体の中に出来上がるとのことである。進化論的な観点で言えば、中毒性を持たせてしまうと、マッシュルームとしても頻繁に摘み取られて食べられてしまうことから生存上望ましくないために中毒性を持たせなかったのかもしれない。しかし、中毒性をあえて持たせることでその生物に寄生することもあり得たであろうから、シロシビンマッシュルームが人間に対して中毒性がない理由については進化論のような大きな観点ではなく、もう少し別の説明原理を適用するのが良いのかもしれない。


早朝よりサイケデリクス研究を進める中で、シロシビンマッシュルームに関する学術書を読んでいると驚いたことに、俳句詩人の小林一茶(1763-1828)が「ベニテングタケ」について何句か俳句を残していることを知った。そこからさらに調査を進めていると、この間庭で見かけたキノコが「ヒトヨタケ」と呼ばれるものであることを知った。このキノコは文字通り、生まれてから一夜で命を終え、溶け落ちていく。先日雨上がりの次の日に外出先から帰ってきた時に庭にこのキノコが生えていることに気づいた。翌日もう一度見てみようと思ったら、黒いインクのようなものを落としてキノコはもう溶けていた。何やら生まれて数時間で黒いインクのような液体が滴り、それが溶けた地面から胞子が再び新たな生命を育むそうだ。死と再生を繰り返すとても神秘的なキノコが家の庭に生えていたことに何かの縁を感じざるを得ない。自分の人生はキノコに導かれているかのようである。先ほど偶然出会ったチェコの作曲家のヴァクラヴ·ハレクにせよ、ジョン·ケージにせよ、キノコを愛した作曲家や芸術が存在していたことを嬉しく思う。フローニンゲン:2023/8/25(金)11:18


10784. 還元主義への注意/サイケデリクス研究とバイオテクノロジー


時刻は午後2時半を迎えようとしている。先ほど強い雨が降り始めたが、今は雨が止んで穏やかな雰囲気になっている。この隙を狙って、この日記を書き終えたらコピー屋に立ち寄って書籍を受け取り、そこから一度自宅に戻ってまた中央市場に向けて散歩がてら買い物に出かけようと思う。


今月はサイケデリクス関係の書籍を200冊ほど注文し、過去に購入していた書籍と合わせるとかなりの数になったので、書斎にどのように配置するかを考えていきたいと思う。研究の中で参照しやすいように、今のところはサイケデリクスの種類に応じて書籍を積み重ねていこうと思う。


昼食を摂りながら、昨日から受講を始めたUCバークレーのサイケデリクス講座を視聴していると、シロシビンマッシュルームと括られる様々なマッシュルームがシロシビンという1つの成分の化学式に還元されてしまうことには注意が必要だと思った。というのも、人それぞれマッシュルームとの相性や思い入れといった関係性が固有にあり、そうした固有の関係性によってそれを摂取した時の主観的体験が異なるからである。


ここからサイケデリクス研究が進めば、それはバイオテクノロジーの進展を促すだろう。逆もまた然りであり、バイオテクノロジーの進展がサイケデリクス研究の進展を促すだろう。今はサイケデリクス研究に焦点を当てながらも、サイケデリクスとテクノロジーの双方の探究を進めていきたいと思う。フローニンゲン:2023/8/25(金)14:27

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