
2087. 膨大なパターンの構築物
徐々に夜が明けてきた。その証拠に、ダークブルーの空が少しずつライトブルーに変わり始めている。 今天気予報を確認してみると、今日はもしかすると一日のどこかで雪が降るかもしれないそうだ。行きつけのチーズ屋の店主と週末に少しばかり話をしていたように、明日からは再びぐっと冷え込む。 特に水曜日は、最高気温でさえマイナス4度を示している。三月に入ろうかというのに寒さは逆戻りしたようだ。 今日はインターンで行っている研究には一切手をつけない。昨日、プログラミング言語のRをいじりだすと、結局数時間もそれに没頭している自分がいた。 明日にインターンがあるのだから、今日は一旦研究から離れ、探索的に自分の関心の赴くままに読書をしたり、作曲実践に時間を充てたいと思う。今日の読書は、ネットワーク科学に関する専門書を中心に進んでいくだろう。 仮に十分な時間があれば、システム科学に関する専門書にも目を通したい。二つの科学領域の知識は、焦ることなく徐々に獲得していき、構築された知識体系を元に実際の研究や企業との協働プロジェクトにそれを活用していきたいと思う。 作曲については、

2086. ダークブルーの空と日曜日の朝
今朝は六時前に起床し、六時半から本日の活動を開始した。昨日と同じのようであり、確かに異なる今日という日。 今日は日曜日であるが、平日そして昨日と変わらずに、自分のライフワークの一つ一つを前に進めていこうと思う。昨日はプログラミング言語Rのコードを満足のいくレベルで書くことができた。 金曜日にインターン先のオフィスから帰ってくる最中の落胆振りとは打って変わり、その翌日にコード上の問題を速やかに解決し、研究がぐっと前進したことは大変喜ばしい。Rのスキルが退行をしていたことは、まさに能力の成長の本質を示している。 私たちの能力は、絶えず停滞と退行を繰り返しながら、実践を通じて徐々に高度なものに変容を遂げていく。個別のスキルのみならず、研究全体を俯瞰的に眺めてみると、今回のように分析作業でつまずいていたことからも、研究自体も停滞と退行という運動を行っていることがわかる。 一つのスキルを取ってみても、一つの研究を取ってみても、それは上下に運動を続ける生命体のようである。そうした上下動を伴いながらも、内省の伴った実践を継続させていけば、その運動は螺旋階段を登

2085. Rコードの完成
夕方のフローニンゲンの空はとても美しい。特に、この季節の夕方のフローニンゲンの空は、複数の色が薄いグラデーションを生み出している。 手前の空は成層圏を映し出すかのような薄い青色を帯びており、遠くの空へ向かっていくに応じて少しずつ赤みを増す。私はこの時間の夕焼け空が本当に好きなようで、先ほども書斎の窓越しからぼんやりと空を眺めていた。 一切の雲がなく、空にあるのは空のみなのだ。広大な空がどこまでも遠くへ広がっている。 今日は午前中に、米国の大学院へ客員研究員としての応募をするための書類を完成させた。最後に残っていたのは、研究計画書であり、結局細かな点をいくつも修正することになった。 最後に出来上がったのは納得のいく計画書であり、この研究を実際のその大学で行えたらと思う。仮にその大学院に受け入れられたら、計画書に明記している三人の教授に師事しようと思う。 一人は音楽学科、もう一人は統計学科、そしてもう一人は教育学科に在籍している教授である。 彼らからは年末年始にかけてメールの返信を受け、仮に私が客員研究員としてその大学に所属することになれば、研究に協

2084. 四年振りの米国生活へ向けて
早朝、薄い虹色の空がフローニンゲンの上空に広がっていた。空を見ながら、地底から地上へ、天上へという上昇の運動と、天上から地上へ、地底へという下降の運動について思いを馳せていた。 今日もこの世界での歩みを進めていこうと思う。朝食がてら果物を食卓に取りに行き、それを持って食卓の窓から外を眺めていた。 すると、小鳥が目の前の裸の木に止まっていた。その小鳥をじっと観察してみると、その小鳥は随分と小刻みに頭を四方八方に動かしていることがわかった。 周りの世界を随分と警戒しているようだ。何かを警戒し、何かを恐れているがゆえの多動というものがあるのかもしれない。 午前中の仕事に取り掛かる前に、断片的に様々なことを考えていた。誰かについていこうとすることと誰かについてきてもらうようにすることの難しさ。 前者は従属という意味であれば、人間は比較的容易に他者に従属をする。しかし、他者に寄り添うという意味でのそれであるならば、それは意外と難しい。 一方、誰かを隷属させる形で率いていくことはそれほど難しくないだろうが、他者が自律的に動きながらも自らについてきてもらうよう

2083. 土曜日の朝に
ここ最近は研究計画書を書く機会が少々多い。今日も一つ書きかけの研究計画書を仕上げる必要がある。 それは、今年の秋から所属予定の米国の大学院に提出するためのものである。その大学院に受け入れてもらえるかはまだ一切わからず、現在は応募段階である。 応募の締め切りが来週に迫っており、今日は応募書類の最後のピースである研究計画書を最終稿としたい。それ以外の書類は全て揃っており、全てオンライン上の出願ページにアップロードしてある。 あとはこの研究計画書を最終版にするだけである。振り返ってみると、最初のドラフトは年末に日本に一時帰国する際の移動の時に書き上げていた。それから何度か推敲を重ねている。 一応最終ドラフトが仕上がったのは二週間ほど前であり、そこから今日まで文章を寝かせていた。当初の計画通り、この二日間の休日を使って最終確認を行い、研究計画書を含めた全ての応募書類を提出したい。 それがこの休日にやるべき最も重要なことだ。 昨日のプログラミングの件を通じて、プログラミング技術の習得にせよ、作曲技術の習得にせよ、決して焦ってはならず、着実に実践を日々重ねて

2082. 異物的存在
今朝は五時過ぎに起床し、五時半から今日の活動を開始した。今日から土日である。 昨日から一夜明け、随分と心の平静が取り戻されたように思う。昨日、研究の際に用いるプログラミングコードが思っていたほどに書けず、少々落胆と憤りを感じていた。 睡眠を挟むことによって、就寝中にあれこれと整理されたようである。しかし、今朝方の夢の中では、昨日の憤りの感情が影響してか、少々暴力的な夢を見た。 元ポルトガル代表の名サッカー選手が代表チームの監督ともめ、フィールド内で殴り合いを始めた。その選手がゴールを決めた後、ゴール裏でその殴り合いは始まった。 私はコートを俯瞰する形でその様子を眺めていた。かつてのポルトガル代表の英雄は、ゴール後のパフォーマンスのためにゴール裏に行き、そこで監督がその選手に何かを指示しているようだった。 最初その選手は監督の意見に耳を傾けており、その後で自分の見解を述べているようだった。すると、監督が突然にその選手の左の横腹を殴った。 その選手は地面に倒れ込み、激しく身もだえしている。状況がよく掴めなかったのだが、なぜか監督も地面に倒れこんでおり

2081. ヴィンセントとハンス
今日の自らの有り様に少々反省をしなければならない。Rのプログラミングコードが思ったほど書けなかったことが一体なんだというのだろうか。 オフィスを去り、河川敷のサイクリングロードを歩いている最中のあの悔しがりようは一体なんだろうか。自分はどこか純朴過ぎるのではないだろうか。 Rのプログラミングコードが思ったほど書けなかったことに対して、なぜ私はあそこまで悔しさを感じていたのだろうか。サイクリングロードを歩きながら、自分がまだ「悔しさ」という感情を持ちうるということに少々驚いた。 悔しさの感情が芽生えた背景には、小さな自我への固執が必ずあるだろう。自我のどういった側面に自分は囚われていたのだろうか。 それがわからないということ、まだそうしたことを探さなければならない場所に自分がいることに少々落胆する。仮に自我への固執地点の探究そのものが自我がこしらえた罠だとしても、私はあえてその罠の中に飛び込む形で自我の策略を暴きたいと思う。 今朝、自分が独我論を超えて、真に誰かと共に生きていくことは可能だろうか?ということを考えていた。この主題は、欧州での生活が一

2080. R能力の退行
今日は研究インターンの六日目であった。結論から述べると、今日の研究は全くもって進まなかった。 その最大の原因は、午前中の三時間を研究以外の個人的な問題の対応に割かざるをえなかったことだろう。またそれに加えて、Rのプログラミング言語を思っていた以上に忘れていたことも重大な要因である。 オフィスから自宅に帰る最中に、Rのコードを思っていた以上に書けなかった自分に対して憤りを感じていた。何をそこまで悔しがる必要があるのかと思う自分もいたのだが、プログラミングコードが書けなかった自分を随分と攻撃するような思考や感情が自分のうちに芽生えていた。 オフィスから少し走って身体を動かせば、そうした悔しさも晴れるだろうかと思って試してみたのだが、一向に効き目がなかった。オフィスからの帰り道、河川敷のサイクリングロードを歩いている最中、つまずいたコードの箇所の解決策をなんとか頭からひねり出そうとしていた。 そもそもRに関するエキスパートではないのだから、無い知識をいくらこねくり回そうが良い解決策など思いつくはずもなかった。自分の右足の太ももを叩いたり、手袋をはめた両

2079. 満天の星空を眺める夢
研究インターンも六日目が過ぎていることに改めて気付く。週に二回、インターン先のオフィスに勤務しているため、今日をもって第三週目が終わることになる。 今回のインターンは規定では七週間ほどのものであるから、すでに半分近く過ぎたことになる。今のところ研究は計画取りに進んでいる。 焦る必要はないのだが、ここからはデータ分析に集中し、計画よりも少し前倒しで分析を行い、分析結果のレポートと関係当事者への報告資料を作成する時間的ゆとりをもたせたいと思う。 今朝方の夢の内容が少しばかり脳裏に残っている。夢の中で、友人が手術を受けたと私に打ち明けた。 手術後の部位を私に見せてくれたのだが、そもそもその手術をする意味はどこにあったのか、手術後にその部位に痛みや違和感はないかどうかを私は質問していた。友人曰く、そこに痛みや違和感などは特にないが、手術を受けたことは気まぐれだったと言う。 その話を聞いたのは、一軒家のような小さな病院の中でだった。病院の待合室は食卓のある場所であり、そこには別の友人の姿が見えた。 そこで彼は机に向かってなにやら勉強をしていた。何を勉強して

2078. インターン六日目の朝に
今日は五時半に起床し、六時過ぎに一日の活動を開始した。今日はインターンの六日目となる。 天気予報を確認すると、今日はオフィスへの行き来の際にはどちらもマイナスの気温のようだ。月曜日の五日目のインターンの日、私は研究オフィスに向かう際に、新たな一日が何か大きな海の一雫のように尊いもののように感じられた。 今日もまた同じような気持ちを持っている。新たな一日が一滴の雫であり、同時にその一滴は大海そのものに他ならない。 外は相変わらず真っ暗闇に包まれているが、私の気持ちは穏やかでいて、どこか光のようなものを感じる。欧州で生活を始めた一昨年とは闇への印象もその受け取り方も違う。 これもおそらく、一昨年から今日にかけて、日々を大海の一滴として生きてきたことによる結果なのかもしれない。 今日はオフィスに到着したら、まずは一階に降りてコーヒーを購入しようと思う。今週の月曜日は、とにかくデータの整理に朝一番で取り掛かろうと意気込んでいたため、コーヒーを購入することもせず、自分のオフィスに到着してすぐに作業に取り掛かっていた。 そのおかげもあってデータ整理はひと段落