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6140-6143: アートの国オランダからの便り 2020年8月22日(土)


No.1252 変化の輝き_Brightness of Change

本日の言葉

Son, you are not bound by perception, but by attachment. Therefore sever the attachment. Tsoknyi Rinpoche

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本日生まれた10曲

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タイトル一覧

6140. 公私について/制約と不在の不在化

6141. 今朝方の夢

6142. 芸術と社会/美的経験と開く力

6143. 美を感じさせてくれる財布を購入して

6140. 公私について/制約と不在の不在化

時刻は午前6時半を迎えた。今週もあっという間に平日が終わり、今日から土曜日である。

フローニンゲンはめっきり秋の気候となり、昨日は幾分気温が上がったが、今日からはもう最高気温が20度前後となる。気温が上がっても21度までしかいかない。

今日は午前中から午後にかけて小雨が降るようだが、計画通り、夕方あたりに街の中心部に行き、買い物をしたいと思う。散歩やヨガなどの身体実践、食実践、入浴と睡眠。それらが日々の良好なリズムを作り、人生を実りあるものにしてくれている。

昨日もまた雑多なことを考えていた。1つには、公私に関しても、未分化の状態から分化の状態へ至り、そこから今度は統合化に至るプロセスがあることについて考えていた。

現在の自分は、公私の分化を終え、両者には固有の差異があることを認識ながらにしてそれらを統合しているプロセスにあるようだ。そのような公私観をもとに、実際にそのような生活を送っている。

公私の境目がないという人は、両者のベン図の重なっている領域は見えているのだろうが、一方で両者に固有の領域は見えていないのだろう。公私が完全に分かれてしまっているという人は、逆にベン図の重なっている領域が見えないのだろう。

2つ目としては、マルクスが資本論の中で、私たちの生活がある段階から次の段階に移行すると、そこではまた異なる法則による統制が始まる、という趣旨のことを述べており、それについて考えていた。それは個人と社会の発達の原理そのものである。個人も社会も、新たな段階に移行することは、新たな制約が課せられることを意味する。

現代の社会を覆う種々の制約に思いを馳せる。個人の制約は、社会の制約から大きな影響を受けている。社会の制約に気づくこと。それはロイ·バスカーの言葉で言えば、不在の不在化に他ならない。

不在の不在化を絶えず行っていくこと。それが社会変革には不可欠であり、制約もまた存在論的には無限の階層構造を持っているがゆえに、社会が次の発達段階に移行すると、そこではまた新たな制約が出現する。

個人も社会も絶えず制約と向き合っていくことが要求されており、それは原理上不可避なのだ。

制約を乗り越えていくための解決手段もまた不在の不在化を通じて見えてくる。不在の不在化を通じて制約に気づき、解決手段を見出していくこと。それが漸進的な解放をもたらしていく。

ふと、かかりつけの美容師かつ友人のメルヴィンが以前述べていたことを思い出した。それはオランダ語と英語の相互作用に関する話である。いや、その時の話は一方向的な作用だったように思うが、2つの言語はきっと目には見えないところでお互いに影響を与え合っているのだろう。

ただし、やはりメルヴィンの言うように、英語の影響を受けて、毎年新しいオランダ語が誕生しているらしく、英語からもたらされる影響は強いようだ。新しい言葉が生み出されることもまた言語の発達の一側面だろうが、同時に弱体化を招く危険性もあることを考えていた。

日本語もまた英語に強く影響を受けており、毎年新たなカタカナ英語が無数に誕生している。自分の日々の読書もほぼ全て英語であり、そう考えてみると、自分自身も相当に英語の影響を受けていることがわかる。フローニンゲン:2020/8/22(土)06:49

6141. 今朝方の夢

今日は午後に時間を取って、財布を購入するために街の中心部に散歩がてら買い物に行く。明日の午後は、今月と来月分の書籍を一括注文する。その中に、音楽が社会に果たす役割について考察した書籍をいくつか購入する。

また、本来人間に治癒と変容及び解放をもたらすはずの音楽が、逆に人間を縛り、洗脳のために使われてきた歴史について言及した書籍も購入しようと思っている。

中世の大学の4大科目として、音楽、算数、幾何、天文があった。その中でも音楽は、世界を解釈するための学問であった。

当時の発想においては、音楽は世界を構成する原理だったのだ。つまりこの世界は音に満ちていて、音楽とは音に満ちた世界に調和を与えるものとして捉えられていたのである。そのような話をどこかで聞いた。

現在も引き続き、作曲実践を通じて音楽理論を少しずつ学んでいる。この世界に調和を与えるような音楽。それはどれだけ小さいものであってもいい。自分を取り巻く世界に小さな調和をもたらすような音楽を作っていきたいという思いを新たにする。

今日は少しばかり印象に残る夢を見ていた。夢の中で私は、観客で一杯の野球グランドの上にいた。

どうやら私は野球の試合に参加しているようであり、ポジションはセンターを任されていた。試合に参加していたのは、中学校時代の野球部のメンバーが主であり、野球部ではないのは私ぐらいしかいないのではないかと思った。

ピッチャーは、野球部に所属していた小柄な友人(TS)であり、序盤はまずまずのピッチングをしていた。ところが、途中から投球フォームが崩れ、随分と打たれ始めた。

用いられていたのは金属バットであり、金属バットがボールを弾き返す独特の高音がグラウンドに響き渡ることが多くなっていた。私が守っているポジションにはほとんどボールが飛んでくることがなかったが、最後に野球部のある友人(HY)が打ったボールがライナーでセンター前に転がってきた。そこで夢の場面が変わった。

次の夢の場面では、私は前職時代にお世話になっていた女性のマネージャーのお子さん2人に声を掛け、彼らと話をしていた。そのマネージャーの方にお子さんがいたことを知らず、最初は驚いた。

5歳ぐらいの男の子と、3歳ぐらいの女の子がいて、2人ともとても可愛らしかった。しかし、男の子の方はヤンチャ盛りなのか、私にも色々とちょっかいを出してきて、その対応が少し厄介だと思っていた。

最後の場面として、外国人の女性と英語を話す場面があった。そこからはずっと英語で話をしており、日本語で話す時よりも口数が多く、話の中で、爆弾の比喩について私は述べた。

その比喩がどのようなコンテクストで出てきたのか不明であり、それが何を指していたのかは覚えていない。そこから引き続き英語で何かを説明していたのを覚えている。フローニンゲン:2020/8/22(土)07:12

6142. 芸術と社会/美的経験と開く力

時刻は午後2時半を迎えた。つい先ほど激しい雨が降り、数分してそれが止んだ。

今は雨が止んで、日が照り始めている。遠くの空にはまだ雨雲が見えており、また雨が降るかもしれないという。もう少しばかり読書をしてから街の中心部に買い物に出かける際には、折り畳み傘を持参しようと思う。

このところは毎月結構な量の書物を購入していたこともあり、書斎やリビングには本の置き場がなくなってしまうほどになった。近々本棚を整理して、音楽関係の書籍や美学関係の書籍を一箇所にまとめて所蔵しようと思う。

それらの書籍は今は書斎の本棚ではなく、ソファの上に積み重ねられているものが多い。それらは本棚にしまっておいた方が、調べ物をする上では便利だろう。

本日から、イェール大学が提供しているMOOCの“Music and Social Action”と、デューク大学が提供しているMOOCのExperiments with Sound”を受講し始めた。昨日言及したMOOCの動画は、配信中のものは全て見てしまったので、動画コンテンツが追加されるまで、また別のMOOCを受講しようと思ったのである。

今日は今のところ、前者のコースの動画を視聴していた。今の私の関心の1つである、芸術が社会に果たす役割を直接的に取り上げているコンテンツであり、とても得るものが多い。

ジョン·デューイが指摘しているように、芸術が日々の生活や社会から分離してはならない。もちろん、芸術が仮に日常や社会よりもより高き場所にあったとしても、芸術体験がいかに日常生活や社会を豊かにしていくのかの視点を忘れてはならないように思う。

芸術を単なる日常の慰めにするのではなく、日常や社会をより豊かにしていくためのものとして捉え、日常と社会を包摂するものとしての芸術体験を広く多くの人に届けていくこと。それはとても大切なことのように思う。

そこから、美意識の歪みと異常な美意識について考えを巡らせていた。例えば、サイコパスのように、人を殺めることに対して美的感覚を抱くという歪な美意識の存在を忘れてはならない。

そうした歪んだ美意識以外にも、社会道徳的に問題のある美意識についても考察を深めていく。このあたりに倫理や道徳という善と関わった美の探究分野がある。

教育哲学者のマキシン·グリーンは、美的経験は私たちを開く力があると述べている。まさにそれこそが、芸術の教育的·発達的効果なのだろう。

美的経験は、新たな感覚や新たな世界へと私たちを開いてくれる。またそこには、自己を開く力があり、さらなる可能性に自己を開いてくれることにもつながる。

もちろん全ての芸術作品にそうした力があるとは言えないだろう。それではどのような性質を持った作品がそうした力を持っているのかを考えていく。

少なくとも、ハーバート·マルクーゼが述べているような「一次元的世界」から私たちを解放してくれるような超越的世界を描いていることや、超越的な感覚をもたらしてくれることは、開く力を持った作品の1つの条件だろう。フローニンゲン:2020/8/22(土)14:42

6143. 美を感じさせてくれる財布を購入して

時刻は午後7時を迎えた。つい今し方夕食を摂り終えた。今日は午後に激しい雨が数分ほど降ったり、午前と午後にも何度か数分ほどの雨が降ったが、それ以外の時間には太陽が出ていた。気温に関しても申し分なく、とても涼しげで過ごしやすかった。

今年の秋に日本に一時帰国する際の格好に関して参考にするために、今の気温においてどのような格好で過ごしているのかを覚えておこうと思う。おそらくフローニンゲンの今の時期の気温がちょうど日本に一時帰国している最中の気温ではないかと思う。

正確な気温についてはもう少し調べてみる必要があるが、秋のその時期においてはまだジャケットやコートはそれほど必要ないだろう。問題なのは行きと帰りに際して、その頃のオランダが寒いであろうということだ。

今年もまた日本でスーツを着る必要があるので、スーツを1着ほど持参するが、それ以外にはできるだけ荷物を増やしたくはない。今のところはスーツのジャケットを私服のようにして着ていこうかと考えている。

昨年は別途私服用のジャケットを着て行ったが、日本の9月末から10月の初旬はまだまだ暑くジャケットは不要であり、スーツと合わせて少しかさばってしまった。そうしたことからも、今回の一時帰国ではスーツを私服代わりに着ていこうかと思う。

今、ゆっくりと夕日が西の空に沈んでいこうとしている。そう言えば今朝方の早朝未明に、寝室の窓際に小鳥たちがやって来て、物音を立てていたことをふと思い出した。

すぐに小鳥たちだと思ったが、寝ぼけていたこともあり、宇宙人の小人がやって来たのかもしれないと思っていたことを面白く思う。寝ぼけている意識状態においては、リアリティの捉え方が随分と異なり、そこでのリアリティの認識もまた一定の真実を内包している。

今日は夕方に街の中心部に出かけ、財布を購入した。店の名前は“Talens Lederwaren”であり、ここは革製品専門店である。

店に到着してすぐに、店員の女性に挨拶をし、財布を探しているということを伝えると、すぐに財布売り場に案内してもらい、色々と対応をしてもらった。アテネで財布を盗まれてしまったことを伝えると、その店員はとても共感的に話を聞いてくれたことが好印象だった。

その女性の対応が特別なのではなく、実はオランダの教育では対話能力と共感能力を育むことに力を入れており、見知らぬオランダ人と話をする機会がある時には、大抵共感を持って話を聞いてもらっているという感覚がある。

その女性の店員は、私がどのような財布を求めているのかを尋ねてくれ、今回私はポケットにスッと入るようなコンパクトな財布が欲しいと思っていた。すると、その条件にぴったり合致する財布のコーナーを教えてもらった。それはその店が大切にしているオランダのブランドのようであり、“SECRID”という名前のブランドだ。

オランダがキャッシュレス社会であるため、紙幣や硬貨をほとんど持ち歩くことのない私にとって、必要なカードを入れるコンパクトな財布がいいなと思っており、まさにその希望に合致する機能性とデザインを兼ね備えた財布に出会うことができた。

このブランドの財布には美意識を感じ、自分がブラウンのカラーを求めていることを伝えると、店員の女性は10種類ぐらいの財布を出してくれた。そこから私は、芸術作品を味わうかのように1つ1つの財布のデザインを吟味し、しばらくしてから1つに決めた。

結局、とてもシンプルなデザインのものを選ぶことにした。この財布であれば、どのようなズボンのポケットにもかさばることなく財布を入れることができる。今後の旅ではスリには気を付けようと思うが、カバンに財布を入れる必要がなくなったことは喜ばしい。

レジで会計を済ませた私は、早速その財布をその場で使わせてもらうことにした。というのも、その時までの私には財布がなく、今日はカード類を小さな封筒に入れていたのだ。

新しい財布にカード類を入れ、そのコンパクトさにとても満足した。私は笑顔で店員の女性にお礼を述べ、颯爽と店を後にした。フローニンゲン:2020/8/22(土)19:38

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