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4762-4764:フローニンゲンからの便り 2019年7月29日(月)


タイトル一覧

4762. 秋に向かう朝に思うこと

4763. 今日の作曲実践について

4764. 安らかな夕方より

4762. 秋に向かう朝に思うこと

ここ二日間は4時半に目覚める日々が続いている。4時半の目覚めは私にとって全く早くなく、むしろ少しばかり遅く起きたような感覚がする。

生活習慣がさらに改善され、起床時間がさらに早くなることによって、そうした感覚的な変化がもたらされていることは興味深い。

今日から新たな週を迎えた。今週もライフワークに打ち込み、それによってもたらされる充実感と幸福感に包まれながら毎日を過ごしていこう。

昨夜と今朝に改めて気づいたのだが、日が沈む時間が目に見えて早くなり、日が昇る時間が目に見えて遅くなっている。昨日、午後10時前にベッドの上に横になった時、すでに日が沈みかけていることに気づいた。

これまでは夜の10時前においてはまだ明るかったのだが、季節は着実に秋に向かっているようだ。今朝目覚めた時にも同様に、日が昇る時間が遅くなっていることを感じた。

今現在時刻は午前5時を迎えたのだが、空がようやくダークブルーに変わり始めたぐらいである。確かにここ数日間は暑い日があったが、気がつかないうちに季節は秋に向かっていたのだ。

今日の最高気温は25度、最低気温は14度とのことであり、とても過ごしやすい一日になるだろう。明日は再び29度まで気温が上がるようだが、明後日以降は22度までしか気温が上がらない日が少なくとも6日連続する。

先日の異常に暑い日は、夏が最後の力を振り絞ってその役割を全うしたことの表れだろうか。あの数日間は、夏が死を遂げるための準備だったのかもしれない。あるいは、夏という季節の死そのものだったのかもしれない。そのようなことを思う。

少しずつ明けていく闇を背景にして、そよ風に揺れる街路樹のシルエットが見える。少しずつ全貌が明らかになってくること。それは作曲技術の深まりにおいても当てはまり、自己が深まっていくことにおいても当てはまる。

仮に今、シルエットしか見えていなくても、いや闇しか見えていなくても、いつか闇の向こう側にあるものが見えてくる。それはほぼ必ずだ。

シルエットを追いかけることをせず、闇に囚われることもせず、ただひたすらに歩いていくこと。しかもそれは緩やかな歩みである必要がある。

徐々に進んでいくこと。その先に全貌が開かれていく。

昨日、夏雲が大股で歩いている姿を見た。昨日の空は優雅であり、平穏さがあった。

今日もまたそのような空を眺められるだろうか。きっと眺められるような気がする。

空がどうであれ、少なくとも私は、昨日の夏雲のようなゆったりとした気持ちを今日も持ち、平穏な心で自らの取り組みを淡々と前に進めていく。実際にはそれは、前に進めていくという意識なしになされるものであることが興味深い。

前に進めていこうという意識があるうちはまだ道半ばであり、事物の深まりの要諦を掴み損ねている。前に進めていこうという意思なしに必然的に深まっていくもの。それこそが自己であり、自己の本質がなすライフワークなのだと思う。フローニンゲン:2019/7/29(月)05:27

No.2393: A Morning with Deep Affection

This morning is full of deep affection. Groningen, 06:19, Monday, 7/29/2019

No.2394: The Profoundness of the Morning

I’m feeling the profoundness of the morning at this moment. Groningen, 07:00, Monday, 7/29/2019

4763. 今日の作曲実践について

時刻は午前5時半を迎えた。今朝は印象に残る夢を見ていなかった。目覚めた瞬間には、夢を見ていたという感覚があったのだが、映像として残っているものはほとんどなかった。

感覚の質を分類してみれば、今朝の夢は中立的と肯定的のちょうど中間にあるような内容だった。もはや外国ではなくなった感覚のする欧州の土地が舞台になっており、そこで見知らぬ男性と話をしていた場面を覚えている。

また、ここ数日間の夢に愛犬が現れていたのと同様に、今朝方の夢にも愛犬が登場していたように思う。いずれにせよ、今朝の自分の無意識の世界は穏やかであり、休息を取っているかのようであった。

先ほどに比べて、街路樹の姿がより鮮明になってきた。空のダークブルーさも薄くなっていき、ここから水色の空へと変わっていくだろう。

この日記を書き留めたら、早朝の作曲実践を始める。現在の生活において、作曲実践以上に重要なものはない。その他の活動はことごとくそれに劣後する。

とにかく作曲実践に時間とエネルギーを注いで行こう。本当であれば、全身全霊でそれに打ち込むと言いたいところだが、まだそこまではできていない。

今のところは、作曲実践や作曲理論の書籍を読むことを単に10時間程度行なっているだけである。この実践量や学習量の少なさは誰の目にも明らかである。

現在の生活において、自らの意思と実践、さらには運によって、生活上の悩みや心配はほとんどない。あとは煩わしい人間関係の残り香を吹き飛ばしていくことだけが求められる。そうすれば、そこからようやく自らのライフワークにのみに打ち込む本当の人生が始まる。

今はまだ目には見えないほどに微量だが、偽りが混じっている。それらの偽りを完全に払拭する形でこれからの欧州生活を送っていく。

あと数年も経てば、「欧州生活」という言葉が「生活」という言葉に変貌を遂げるだろう。おそらくその時には、また何か新たなことが自分の人生において始まっているのだと思う。

今日の作曲実践では、メシアンが提唱した「移調の限られた旋法」を方法論上参考にし、楽曲の形式上はモーツァルトのメヌエットを参考にしてみる。方法と形式を分け、メシアンとモーツァルトという時代の異なる二人の音楽を組み合わせ、そこに自分なりの工夫を施していく。

ここ数日間は、意識的に12音技法を活用した曲を作っている。昨日は、9音技法で曲を作ってみた。

少し前のことだが、フローニンゲンの郊外にある楽譜屋で、オランダの作曲家Jacob Palmの楽譜を購入した。彼の曲はリズムが面白く、彼の曲を参考にしながら12音技法を活用してみるというのも一つの案である。

また、12音を組み合わせて、響きの面白い和音を作ってみることも試したい。12個の異なる音から3和音を作るのであれば、単純な組み合わせとして220通りある(12C3)。そこに転回形を加えると、さらに組み合わせは増える。4和音以上にするのであれば、さらにその組み合わせは増えていく。ここに和音の探究の余地を見る。

今日も自分なりの課題意識を持ち、実験に次ぐ実験をしながら作曲実践を進めていく。作曲実践以外は二の次であり、二なるものが介入してこないぐらいに作曲実践に打ち込んでいく。フローニンゲン:2019/7/29(月)05:53

No.2395: A City Full of Geniality

The city of Groningen is full of geniality. Groningen, 08:23, Monday, 7/29/2019

No.2396: A Thread of Transparent Sounds

Groningen this morning makes me feel a thread of transparent sounds. Groningen, 09:46, Monday, 7/29/2019

4764. 安らかな夕方より

時刻は午後の5時に近づきつつある。今日の気温はとても快適であった。暑さが和らぎ、これから秋に向かっていくことを肌で実感している。

今年の夏の期間はとても短く、おそらく8月中にも気温が上がる日があるだろうが、秋の足音が着実に聞こえている。

つい先ほど、近所の河川敷にジョギングに出かけた。フローニンゲンの街を流れるそよ風は優しく、それを浴びながらゆっくりと足を前に進めていた。意識は黙想状態であり、静かな心の音が聞こえてくるかのようだった。

今日もまた存分に作曲実践に打ち込んでいた。その中で、いくつかの実験をしていた。

一つには、メシアンが考案した移調の限られた旋法の第1番を活用し、モーツァルのメヌエットを参考にして一曲作ってみた。この時には、響としてあまり綺麗な曲はできなかった。

一方で、続けざまに今度は移調の限られた旋法の第2番を活用し、バッハのコラールを参考に曲を作ってみた。その際には、先ほどの実験もあったためか、いくつか面白い響きを得ることができた。

それらの音は偶然の産物であり、どのような理由によって生み出されたのかは定かではなく、今後はそうした音が生み出された要因について考察を深めていく必要がある。偶然に任せて曲を作るのも一興だが、再現性を持たせて曲を作っていくことが作曲技術を着実に高めてくれることを忘れないようにする。

これから入浴をし、夕食を摂る。最近は隙間時間や夜の時間帯に、MOOCやYoutubeを活用して、音楽理論や作曲理論に関する動画を視聴している。

豊かな学習コンテンツが随分と転がっており、それらを視聴することは非常に勉強になる。今夜もまたいくつかの動画を視聴し、明日からの作曲に活かせる観点を一つでも二つでも取得したいと思う。

ジョギングに出かける前にふと、いつも作った曲に対して作品メモを入れているのだが、それはどこか短い詩のようなものになっていることに気づいた。音のスケッチを描くかのように、その瞬間の自分の内側の感覚を曲にし、できあがった曲に対して短い詩を添える。

スケッチと短詩を合わせて作っていくイメージで今後の作曲実践を進めていこう。言葉と音による内面世界の探求と形象化。この実践を絶えず絶えず緩やかに継続させていく。

夕食後の作曲実践においては、過去に作った曲の編集のみならず、禅の作曲家と呼ばれる佐藤慶次郎氏が好んで使っていた20種類のリズムを活用しながら、移調の限られた旋法を用いて一曲作ってみようと思う。フローニンゲン:2019/7/29(月)17:04

No.2397: A Resplendent Summer Song

The world is singing a resplendent song for summer. Groningen, 11:37, Monday, 7/29/2019

No.2398: A Bizarre Minuet

The cloudy sky is dancing a bizarre minuet. Groningen, 12:30, Monday, 7/29/2019

No.2399: Habituation for Soul

Does our soul have no fixed habituation? Groningen, 14:40, Monday, 7/29/2019

No.2400: An Emotional Helix

An emotional helix goes up and down. Groningen, 16:03, Monday, 7/29/2019

7月29日(月)に生まれた曲

本日の曲はこちらのYoutubeチャンネルで公開しています。

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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