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2577. 五月半ばの寒い朝に


今日は本当に寒い。涼しいという感覚を超えて、寒さを感じる。

書斎の窓から外を眺めると、少しばかり風もあるようだ。先ほど暖房をつけ、今は部屋が暖かくなることを待っている最中だ。

五月も中旬を過ぎようかというのに、こうした寒さを残しているのがフローニゲンという街だ。そんな街で私はもう一年生活をすることに決めた。

確かに、この街の冬は長く厳しいものだが、それでもこの街でしか涵養されえぬ自己の側面があることに気づく。その側面を十分に養うまではこの街を離れることはできない。この街に来たことは、きっとそれを行うためなのだから。

欧州での三年目の生活は、ほぼ毎月に一度短い旅に出かけることに加え、旺盛な読書と旺盛な創造活動を行っていく。とりわけ読書と創造活動についてはこの二年間を遥かに凌ぐような投入量で行っていく。

これまでの二年間とは異なり、大学院に通う必要はもうない。学術機関に所属しながら体系的に学びを深めていくことと、独学によって学びを深めていくことの双方が大切であると以前述べていたように思う。

今年はあえて大学院に所属することをしない。なぜなら、今の私の関心事項を真に深めていくことは、既存の学術機関の中ではできないことだと思うからだ。

学術機関に所属した瞬間に発生する不可避の制約を考えてみたときに、今年はとにかく自分の関心の赴くままに独学を進めていくことが賢明に思われた。意識の形而上学と美学を起点にし、作曲理論を学んでいく。

それら三つがある一つの総体になって自らの生活の中に滲み出てくるようにする。ここに新たな生の深まりと、この世界への新たな関与の仕方があるように思えてくる。

意識の形而上学を再度徹底的に学び直し、美学を本格的に学び始める。作曲理論についてもまだまだ学び始めといっていいだろう。

欧州での三年目の生活は、誰からも妨げられることのない形で自らの探究に邁進していきたいと思う。

昨日は午前中から夜にかけて論文の執筆を行っていた。論文アドバイザーのミヒャエル・ツショル教授からのフィードバックを元に、とりわけ先行研究の文献レビューの箇所に加筆を行った。

文章の記述をより分厚いものにするために、引用する文献にもう一度立ち返り、先行研究の内容を精査していると、随分と時間が経過していた。昨日は本当に終日論文の執筆に時間を充てていたように思う。

そのおかげもあり、文献レビューの加筆には目処が立った。一旦文章を寝かせる意味も込めて、今日は論文の執筆をしない。再度論文の執筆に取り掛かるのは明日にしたい。

その代わりに今日は、旺盛な読書を行っていく。まずは先日街の古書店で購入したばかりのシュタイナーの書籍を読み進めていく。

今ようやくシュタイナーの思想を理解しようとする時期に自分がいることに気づく。シュタイナーの意識の形而上学的思想と教育思想をこれから本格的に学ぶ。

ちょうど昨日、シュタイナーの興味深い書籍を七冊ほど見つけた。おそらく今夜、イギリスかドイツのアマゾンにそれらの書籍を注文することになるだろう。

午前中に一冊ほどシュタイナーの書籍を読み終えたら、午後からは美学に関する書籍を一冊ほど読み進めていきたい。こちらも先日古書店で購入したものだ。

こうした読書に合わせて、時間を見つけながら過去の日記の編集と作曲実践を行う。確かに外は寒いが、今日も充実した一日になると確信している。フローニンゲン:2018/5/18(金)07:24

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