2540. 二羽のカモより
- yoheikatowwp
- 2018年6月10日
- 読了時間: 3分

時刻は夕方の四時半を迎えた。太陽を覆う雲が少しばかり現れ、今ちょうど太陽の光が遮られている。そのおかげもあってか、フローニンゲンの街に束の間の涼しさが戻ってきている。
今日と明日の最高気温は10度以上も異なるため、そうした変動に対して自然な形で調節をしていきたいと思う。午前中に訪れたザーニクキャンパスからの帰り道、私は途中で一度足を止めた。
二羽のカモが運河沿いの道をよちよち歩いており、その様子を観察しようと思ったからである。カモに近寄ってみても、それほど警戒する様子はなく、二羽のカモは何か餌を探しているのか、しきりと地面をくちばしで突きながら移動している。
特にめぼしい餌など見えず、それでも小石などをついばむカモの行動を見て、実に不思議だと思った。確かにカモはこちらをそれほど警戒している様子はなかったが、私が立ったままでいると怯えることもあるのではないかと思われたため、その場でしゃがんで観察を進めた。
この河川敷はサイクリングロードであるから時折自転車に乗った人が通る。彼らは私が何をしているのかをさぞ気になっていたことであろう。
この二羽のカモは種類が異なり、体の色が異なる。これまで二年間カモの様子を何気なく観察してみると、頭部が緑色のカモは気性が荒いことに気づく。
今朝も、頭が緑色のカモ同士が揉めあっており、昨年は緑色のカモが茶色のカモをいじめていたのを目撃し、緑色のカモを追い払った経験がある。今、二種類のカモの違いについて調べてみると、どうやらこのカモはどちらもマガモに分類されるらしく、繁殖期にオスは頭部が緑色になるらしい。
そして、繁殖期以外ではオスもメスも茶色の姿になるそうだ。先ほど観察していた二羽のカモは、どうやら性別が異なるらしい。
しゃがんでカモの顔をまじまじと眺めてみると、このような生き物がいることに純粋に驚いた。なんと多様な生物がこの世界にいるのだろうか。
自然界の多様さに加えて、私は人間界の多様さにも驚かずにはいられなかった。午前中にミーティングを行った二人の博士にせよ、サイクリングロードを自転車で走る人たちにせよ、なんと多様な人間でこの世界は溢れていることか。
このリアリティは本当に多様性で満ち溢れている。そのシンプルな事実に改めて感激をした。
今朝方、以前作った自分の曲を聴いていると、通常の認識世界を超えた世界につながる光り輝く階段を知覚することが時折あることに気づいた。曲を聴きながら喚起されたその階段をすかさずにスケッチとして形にしておいた。
光り輝く階段を知覚する体験は、超越的な次元が絶えずこのリアリティに存在していることを示しているかのようである。肉眼をいくら凝らしてみたところで全く見えない次元がこのリアリティには存在しているようだ。
先ほど運河沿いのサイクリングロードで一歩立ち止まり、二羽のカモを眺めようと思った意思は、そうした超越的な認識世界からもたらされたものであり、カモを観察するという何気ない行為がそうした世界につながっていく道であるように思えた。
今日はまだ探究活動に充てる十分な時間がある。引き続き、読むこと、書くこと、作ることを継続していく形で一日を終えたい。フローニンゲン:2018/5/9(水)16:39


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