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2377. 二つの印象的な夢


ここ数日間と同様に、今日もまた小鳥たちの鳴き声によって目覚めた。実際には、夢の印象的な場面の終わりと共に目を覚ましたのだが、目が覚めてみると、小鳥たちの歌が辺りに鳴り響いていた。

これは春の訪れなのだろうか。起床と同時に天気予報を確認してみると、確かに今日から暖かくなっていくようだ。早朝六時の今の気温は1度だが、昼間は10度を超す。明日の最高気温は20度に到達するようだ。

いよいよフローニンゲンにも春がやってくるようであり、小鳥たちの鳴き声はやはりそれを伝えているのだろう。サマータイムに入ってからもうすぐ一週間となる。夜の日は随分と延び、日の出の時間も早くなっている。六時の今においても、辺りは真っ暗闇ではなく、ダークブルーに変わりつつある。

今朝方の夢は、自分の無意識の中にある攻撃性を示すような内容だった。なぜだか私はサッカーの日本代表に同行しており、そこで何らかの観点からのアドバイザーを任されていた。

監督は随分と前に指揮を執った外国人の方だった。次の試合に向けて選手たちが準備をしている最中、監督が次の試合のスターティングメンバーを発表した。

そのうち五名ほどがどうやらカギを握る選手のようであり、この国際試合では事前にそれらの選手を指定選手として申請しないといけないことになっていた。一風変わったルールである。

その五人の中に、私の小中学校時代の友人が一人入っていた。この申請は、監督と当の選手が申請所に出向く形で行われる。

申請の当日、私は監督に同行し、その申請に立ち会った。今度対戦する相手は欧州のどこかの国であり、なかなかの強豪国だった。

申請会場は実際に試合が行われるスタジアムであり、私は他の選手たちよりも一足先にスタジアムに足を踏み入れた。スタジアムの入り口からグラウンドに向かい、緑の芝が美しいグラウンドの上に私は立った。

そこではすでに申請用の準備がなされており、申請を行う事務員のような人物が何名かいた。ここが欧州のどこかの国のためだろうか、事務員たちも欧州出身の人間らしかった。

グラウンドに到着すると、すぐさま申請が始まった。こちらの国も相手の国も、試合のカギを握る五名の選手を事前に申請する手続きを始めた。双方の国の選手が一人ずつ同時にグラウンドの中央に向かい、そこで申請を行う形式が取られていた。

四人目までの選手の申請が終わり、最後に残っていたのは私の友人だった。しかし、友人は何かの理由で遅刻をしており、最後の選手の名前が呼ばれた時にようやくグラウンドに姿を現した。

友人は慌ててグラウンドの中央に向かって走り出した。しかし、せっかちなその監督は彼を申請することをやめ、四人だけ申請することを事務員に伝えようとしていた。それを割って止めるかのように友人が監督の前に出て行き、なんとか申請をしてもらうようにお願いをした。

しかし、監督は一向に取り扱うことをせず、彼の顔を見ることもなく、申請拒否を事務員に伝えた。友人は食い下がり、監督の肩を握って振り向かせようとした。その瞬間、監督が彼を思いっきり突き飛ばした。

それまでその場所はグラウンドだったはずなのだが、突き飛ばされた友人は噴水の水の中に落ちた。どうやら友人はそれで怪我を負ってしまったらしかったが、それでもなお食い下がり、申請場所を離れていく監督に追いつき、もう一度肩を握ったところ、また突き飛ばされ、同じ噴水の水の中に落ちた。

今度はより重傷を負ってしまい、もはや試合に出られるような状況ではなかった。その光景を見ていた私は、監督の度が過ぎた行動に対して反感を持ち、その場ですぐに監督に何かを言おうとした。

だがそれよりも先に、友人の手当が先だと思い、友人の方に駆けつけた。額が切れ、両足の指からかなりの出血がある。これでは当日の試合に出ることは不可能である。

私たちは宿舎に戻り、友人の治療をすぐさま行ってもらうように医務員にお願いをした。その日の夕食時、監督の暴挙が他の選手にも知れ渡り、ディナーの席で一人の若い選手が監督に殴りかかった。

その選手は、監督のみならず、通訳を務めている外人にも襲いかかっていた。私はその現場の近くの席にいたが、それを止めることをせず、むしろそれは起こってしかるべきことだと思い、その場を静観していた。

いやむしろ、その若い選手の行動は自分が取ろうとしていた行動と全く同じであったため、彼の行動を応援している自分がいた。その騒動はしばらく続き、その若手選手は日本に帰国されることに決まったところで夢の場面が変わった。

次の夢の場面は全く暴力的なものではなかった。私は薄暗い建物の一階にいて、そこから目的地の分からない場所にこれから向かっていくようだった。

ふと自分の足元を見ると、靴を履いていないことに気づいた。自分の靴がどこにあるのかを思い出そうとしたところ、ちょうど建物の入り口で脱いでいたことを思い出した。

すぐさま入り口に向かってみると、自分が置いていた場所に靴がない。すると一人の小さな男の子が私に近寄ってきて、靴を差し出してくれた。

どうやら私が置いていた場所は靴置き場ではなく、その男の子が正式な場所に置いておいてくれたようだった。私はその男の子にお礼を述べると、彼は満面の笑みを浮かべながら身振り手振りを交えて何かをつぶやいた。

私にはその子のつぶやきが聞き取れず、今何と言ったのかその子に聞き返した。すると、また同じく非常に聞き取りづらいつぶやきが返ってきた。その時、私の横にいた女性が私に声をかけてきた。

女性:「その子は言葉が喋れないんです」

:「そうなのですね・・・」

男の子は相変わらず満面の笑みを浮かべながら私に何かを伝えようとしている。彼が喋れないということが分かり、彼が何を伝えようとしているのかをより一層理解しようとした。

:「Bird?」

私は彼の身振り手振りから、それは鳥を表現しているのではないかと思った。私が“bird”という単語をつぶやくと、その音の振動が男の子に伝わったのか、彼はさらに嬉しそうな笑顔を浮かべ、頷くような素振りを見せた。

どうやらその子は鳥を表現したかったようなのだ。それが分かった瞬間に、また夢の場面が変わった。

今朝方はそのような夢を見た。どちらの夢もとても興味深い。

前者の夢を見たのがなぜなのかも、昨日の自分の状態からしてみればよく理解ができる。二つ目の夢で男の子が表現していたのは鳥だということが分かったが、その子は鳥を表現することを通じて本当は何を私に伝えようとしていたのだろうか。表現の背後にある本当の意図を私はまだ汲み取っていない。

遠くの空が薄紫色に変化している。清澄な小鳥の鳴き声がまた辺りに響き始めた。フローニンゲン:2018/4/6(金)06:55

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