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2283. 些細な気づきの連続


昨夜未明からの激しい風が随分と収まり、今はゆったりとした風がフローニンゲンの街を吹き抜けている。今の住居で生活をして一年半が過ぎたというのに、なんと今初めて気づいたことがある。

書斎の窓から赤レンガの家々が見え、その奥には高速道路のようなものがある。それについては前から知っていたのだが、今初めて知ったのは、その道路の手前側に線路があり、列車が走っているということだった。

二両編成の赤い列車がたった今右から左へと走りすぎていく姿を目撃した。どれだけ狭い範囲で自分が生きているのかを改めて知る。

人間というのは物理的にも精神的にも、実に狭い範囲で日々の生活を営んでいるようだ。以前、ネットワーク科学者の研究論文を読んだ時に、たいていの人々は決められたネットワーク経路の中を毎日生きているようだ。

私の認識世界の中に、自宅から目と鼻の先にあるその鉄道はこれまで存在しておらず、自分の認識世界が非常に限定的なネットワーク経路を持っていることがここからもわかる。

ハッとさせられるような気づきは、今日はその他にも二つほどあった。一つには、数日前に、三月の初旬に何か日本の祝日があったことを思い出そうとしていたのだが、それが何かが結局わからず、調べもしない状況にあった。

本日作曲した曲に偶然「ひな祭り」と命名したところ、そういえばひな祭りはこのあたりの季節に行われるものではなかったかと思い調べてみたところ、三月三日はひな祭りだったようだ。

これはまた今日のハッとするような気づきの一つであった。ひな祭りについて考えながらフローニンゲンの空を眺めていると、どこからなしに、ひな祭りのあの歌が脳内に流れてくる。

それともう一つ、先ほど一週間分のカレーを作っている最中、何かしらの発達現象に関する理論モデルを数理モデルに変換した際に、なぜモデル内の変数をかけ算の演算記号でつなぐのかについてハッとするものがあった。

なぜ変数を足し算ではなく、かけ算の記号を用いて連結させるのかについては、前々から何か引っかかるものがあった。もちろん、モデルによっては変数を足し算で連結させるものもあるが、私がこれまで見てきたものは大抵かけ算の記号を用いて変数を連結させていた。

端的には、発達現象を生み出すそれらの変数が相互作用をしているため、それが足し算ではなくかけ算である必要があるのだと気付いた。例えば、足し算の記号で二つの変数を結び付けようとすると、片方の変数の影響がもう片方の変数に直接的な影響を与えない。

しかし、発達現象を構成する変数は大抵の場合相互作用しているものであるから、それをかけ算の記号で連結させる必要があるのだ。数理モデルに関する理解についてはより理解を深めていく必要があり、演算記号の本質についてもさらに考えていく必要があるだろう。

思考が拡散的になったり統合的になったりするが、今日はこのような思考状態がもう少し続きそうである。フローニンゲン:2018/3/17(土)16:55    

No.883: Jazz and CRQA

Although I’m not so captivated by jazz, I’m intrigued by a synchronization phenomenon that occurs during improvisation in jazz.

The phenomena can be investigated by cross recurrence quantification analysis (CRQA). Groningen, 20:00, Thursday, 3/22/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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