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1533. 鏤骨


今日は早朝から大学のキャンパスに行き、二つの講義を受けた。昨日までは『成人発達理論による能力の成長』のオンラインゼミナールの講師を務めていたが、今日からは再び学習者の立場となる。

様々な文脈の中で多様な社会的役割を担うことは、私たちの本質的な特徴であるアメーバ的可変性を刺激してくれる。昨日までは講師の立場を取っていたため、受講生側の立場を取ることは新鮮であり、講師の経験がある分だけ受講者としての観点だけではなく、講師としての観点から講義に参加することができる。

この二つの観点は、自らの教授法と学習法を磨く上で非常に有益であることに改めて気付く。 これはおそらく新学期を迎えた誰しもに当てはまることだと思うが、新たな事柄を学習することの期待感に今日は満ちていた。実際に、キャンパスに向かうまでの足取りはとても軽やかであり、意気揚々と天国への階段を上っていくかのようであった。

これから二ヶ月弱の期間が最初のセメスターの前半に該当する。とにかくこの期間は、履修する三つのコースの学習内容を最大限に咀嚼するように努めたい。

その方法は至って簡単であり、コースで取り扱う専門書と論文を集中的に何度も繰り返し読むことである。そして、単に読むだけではなく、自分の既存の知識と経験に絶えず引き付けながら読むという行為に並行して、書くという実践が大事になる。

それはどんなに短くてもいい。とにかく、学習内容を自分の深層にまで落とし込み、そこから湧き上がる思考を言葉として書き留めておくのである。

この実践をないがしろにすれば、それはもはや学習とは呼べない。単なる死物と化した情報が自己の存在に脂として堆積するだけである。

そうした表層的な情報の肥満化現象を何としてでも避け、強靭鋭利な知識のネットワークを内側に構築するようにしたい。死物と化した情報は一切実用に足りえないが、自己の深層にまで浸透した知識は実用に足りうる。 昨年の様子を振り返ってみると、私は履修科目の専門書や論文と並行して、絶えず自分の関心に従った探究を進めていた。冷静に振り返ってみると、もしかすると自分で選別した専門書や論文を読むことの方が多かったように思う。

自分の内側に沸き立つ知的好奇心に従って、自分の読みたいものだけを選び、それを絶えず読み続けることによって、知識のネットワークが水平的に拡張し、垂直的にも深まったように思う。ただし、履修した項目の内容についてもっと理解を深めることができたのではないだろうか、という反省が残るのは確かだ。

とりわけ、二年目のプログラムである「実証的教育学」は、私にとって馴染みのない領域であるがゆえに、重要なことは、その領域の土地勘を十分に養うような探究を進めていくことだろう。その際に考えられうる実践は、その土地に関係する専門書や論文を集中的に読み込んでいくことだろう。

実証的教育学の枠組みは、現在私が日本企業に提供しているトレーニングプログラムの評価をする上で極めて重要であり、MOOCのプログラム評価を行う際にも非常に重要となる。実務家として、研究者としての私にとって、実証的教育学の理論と手法は不可欠なものであるがゆえに、何としてでも当該領域の土地勘をこの最初の二ヶ月弱の期間に十分涵養したいと思う。

そのためのキーワードとして浮かび上がってきたのは、「鏤骨」という言葉だった。実証的教育学の理論と手法を、自らの肉のみならず、骨にまで刻んでいくような気概を持ちたい。繰り返す必要もないが、ある知識領域の土地勘を養い、その知見を肉と骨に刻むためには、書くことが必要なのだ。

書くことによって、肉と骨に知識を刻む込む。書き続ければ、きっとその知識は自己の深層にまで刻み込まれ、その時に初めて叡智となるだろう。

書く。書く。書く。そして、書く。

肉に刻み、骨に刻み、存在に知識が刻み込まれるまで書く。

書く。書く。書く。そして、書く。

書かれた内容が自己そのものとなるまで書く。

書く。書く。書く。そして、書く。

人生の最後の日において、その日が最後であることに気づかないほどに書く。書きながら終える。

そうすれば、自分の人生は自己の殻を破り、完全に開かれ、終わることがないだろう。それが自分にとっての書くことの真髄だ。2017/9/11(月)

No.179: Evidence-Based Education and My Consulting Work I am currently exploring the field of evidence-based education.

When I more closely examine the approaches, I notice that they are similar to those in business consulting that is my previous professional field.

I am still engaging in consulting work——not for business strategies but for employee training and talent evaluation——, and I think that what I am currently learning at RUG can enhance the quality of my consulting work in terms of program evaluation.

I will spend my most time to learn theories and methods to evaluate intervention programs. Thursday, 9/14/2017

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