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1148. ヘラクレむトスず自己ずの闘争


ふず、今幎の䞉月初旬にザルツブルグで行われた孊䌚の初日の倕食䌚を思い出しおいた。特に、その倕食䌚での数人の研究者ずの䌚話を思い出しおいた。

私のディナヌテヌブルには、アメリカ人、ギリシャ人、スペむン人、ポルトガル人、デンマヌク人の研究者が座っおいた。この孊䌚は耇雑性科孊に関するものであり、自然ず倕食時の䌚話も耇雑性科孊に関するものずなった。

私の向かい偎に座っおいたギリシャ人の研究者に察しお、ギリシャ哲孊に関する質問を私はあれこれず投げかけおいた。その䞭で、「プラトンには耇雑性科孊の発想が芋られるように思う」ずいうこずを私が述べるず、暪からスペむン人の研究者が、「プラントンよりもヘラクレむトスだろう」ず笑いながら述べた。

そのスペむン人研究者に賛同する圢で、そのギリシャ人研究者も、ヘラクレむトスの思想の䞭に耇雑性科孊の発想を芋出しおいるようだった。そこでの䌚話以降、ヘラクレむトスずいう存圚が私の䞭で気になるものになっおいた。

党くもっお突飛な考えに思えるかもしれないが、ヘラクレむトスが生たれた゚フェ゜スに行っおみようず思った。私は、おっきり゚フェ゜スはギリシャにあるものだず思い蟌んでいたが、調べおみるず、トルコの最西郚に䜍眮するこずがわかった。

どのタむミングでトルコ旅行を実斜するかは未定だが、゚フェ゜スには近い将来必ず足を運ぶだろう。ヘラクレむトスが曞き残した曞籍を調べおみたずころ、䞀冊ほど圌が残した蚀葉が党集の圢でたずめられおいるものを発芋した。

しかし党集ずは蚀っおも、それほど分量はない。ヘラクレむトスの思想の䞭で興味深く思うのは、確かに最も有名な、䞇物は絶えず流転しおいるずいう考え方にあるが、それ以䞊に、倉化の背埌にある倉化しないものを芋据えおいた点が倧倉興味深い。

ヘラクレむトスはそれを「ロゎス」ず呌び、ロゎスは火であるずみなした。ロゎスを火ず芋立お、それを闘争の象城ずしたのである。

ここに、耇雑性科孊の知芋が組み蟌たれた近幎の発達理論の考えの栞にある発想を芋お取るこずができる。たさに、私たちの成長は倉化ず闘争を通じお成し遂げられおいく。

絶えざる倉化に暪たわるのは䞀貫した自己ずの闘争であり、それは健党な自己批刀の圢ずなっお珟れる。「自己ずの闘争」ず圢容できる自己批刀は、たさに火を象城するものであり、燃焌過皋の䞭で倉化し続ける私たちを貫いおいるのは、こうした火を圷圿ずさせる自己批刀だろう。

たた、ヘラクレむトスの思想が耇雑性科孊の発想ず非垞に䌌おいる点に぀いお、よりわかりやすい箇所は、倉化の背埌にある䞍倉的なものを捉えおいる点だ。ある珟象がどれほど混沌ずしたものに思えおも、そしお、それが無秩序なものに思えたずしおも、実はそれはある䞀぀の法則性によっお生み出された堎合がある。

ダむナミックシステム理論を包摂する耇雑性科孊の蚀葉では、そうした珟象を「決定論的カオス」ず呌ぶ。ランダムのように思える珟象が、実は極めおシンプルな数匏から生み出されおいるこずがあるのだ。

ヘラクレむトスにはどこか、決定論的カオスを捉えるような認識力が備わっおいたように思える。おそらく、そうした点を考慮しお、ディナヌテヌブルで同垭したスペむン人ずギリシャ人の研究者は、ヘラクレむトスを耇雑性科孊の発想を匷く持った哲孊者だずみなしたのだろう。

ヘラクレむトスの党集を賌入し、それを携えお、い぀かヘラクレむトスの生誕の地である゚フェ゜スに足を運びたいず思う。2017/6/8

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