1105. ジョン・デューイから


午前中、人間発達と教育に関する論文を読みながら、やはりこの領域が自分の最大の関心の的であることを知った。教育思想家のジョン・デューイが、「政治、倫理、美的問題など、哲学上の最も重要な問題の全ては教育の問題と密接に関係している」という指摘に対して少しばかり立ち止まって考える自分がいた。

教育を取り巻く問題は、哲学上の多岐にわたる問題とつながっており、それは同時に、他の多様な学術領域と実践領域とも分かち難く繋がっているのだ。また、「社会の基礎的構造の全ては教育的なものである」というデューイの指摘も非常に洞察に飛んでいる。

これはすなわち、社会で共有される思想や仕組みが私たちのあり方や思考の枠組みに直接的に作用することを意味する。同時に、社会で広まるソーシャルメディアや各種の製品を活用することによって、私たちのあり方や思考の枠組みが規定されるという精神的な意味での作用のみならず、それはすなわち、私たちの脳の構造や機能にまで作用するという物理的・身体的な意味での作用を持つ。

この論点が内包する社会問題について以前から関心があり、例えば、ソーシャルメディアに依存する人たちの思考形態の歪さと、そうした思考形態を生み出す脳の構造的な特徴について関心があった。この例はまさに、ソーシャルメディアという社会の基礎的構造が産み出したものが、私たちの身体(脳)・精神(心)を避けようもなく強固に形作っていることを示唆している。

教育が持つ役割の一つに、私たちの脳と心を形成していくことがあるのであれば、まさにデューイの上記の指摘は正鵠を射ている。そうしたことからも、私はデューイの思想をより深く探究したいと改めて思うようになった。

今から四年前、サンフランシスコの坂道で得た啓示が、ようやく私の中で形となって現れ始めている。 一昨年において日本に滞在していた時に購入した、デューイの全集 “The Essential Dewey Volume 1: Pragmatism, Education, Democracy (1998)”と “The Essential Dewey Volume 2: Ethics, Logic, Psychology (1998)”を、この夏激しく読むことになるだろう。

一昨年に購入したそれらの書籍の中身は、現在何の書き込みもなくまっさらである。ようやくデューイの思想と向き合う時期に来た。

また、私の内側で、デューイという教育思想の巨人を皮切りに、様々な教育思想家の哲学体系を渡り歩き、現代社会が抱える問題に適応可能な実践的教育哲学の道を模索したいと思う。2017/5/27

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