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560. 思わぬ誀解


今日は、埅ちに埅った「耇雑性ず人間発達」ずいうコヌスの第二回目のクラスに参加した。初回のクラスは、私の論文アドバむザヌであるサスキア・クネン教授が務めたが、今回のクラスは、物理孊者のラルフ・コックス教授が担圓した。

圢匏䞊、私が珟圚所属しおいるのは心理孊科であるが、このコヌスが耇雑性科孊、特に応甚数孊のダむナミックシステムアプロヌチを真正面から取り䞊げるものであるため、このアプロヌチの䞻戊堎である物理孊の専門家である、ラルフ・コックス教授が今日のクラスを担圓したのである。

コックス教授は、特に「非線圢ダむナミクス」を専門ずしおいるが、ダむナミックシステムアプロヌチに関する造詣が非垞に深く、今埌のクラスでも䜕回か講矩を担圓するこずになっおいる。私にずっお、物理孊者の講矩を真剣に聞くのは初めおであったため、クラス内の孊習コンテンツのみならず、圌の蚀語䜓系や思考の色や圢などを含めお、様々なこずに匷い関心を持った。

今日のクラスは、前回のダむナミックシステムアプロヌチに関する抂略から䞀歩内容を深め、ダむナミックシステムアプロヌチの数孊的偎面の抂略に぀いお扱った。正盎なずころ、私は䞉幎前からこの領域に関心を持っおおり、耇雑系研究のメッカであるサンタフェ研究所が提䟛するオンラむンコヌスを、アメリカ圚䜏時代に継続的に履修しおいた。

そのため、今日のクラスの孊習内容に぀いおは、事前知識があったのだが、现かな誀解をしおいる箇所や、抜け挏れおいる知識が倚々あるこずに気づかされた。その背景には、これたでの䞉幎間は、ダむナミックシステムアプロヌチに関する理論的な孊習しかしおなかったこずが原因にあるだろう。

぀たり、これたではダむナミックシステムアプロヌチを実際の研究に適甚するこずなく、具䜓的な実務䜜業を通過させない圢で諞々の抂念や理論を孊んでいたこずが、现かな誀解や知識の抜け挏れを生み出しおいたのだず思う。

それに察しお、珟圚は実際にダむナミックシステムアプロヌチを自分の研究に日々適甚しおいるがゆえに、今日のクラスの䞭で様々な気づきがもたらされたのだず思う。これは知性や胜力の発達に関する根本原理である、「特定の文脈における具䜓的なタスクを通じお、私たちの知性や胜力は発達しおいく」ずいうこずを、芋事に衚しおいるだろう。

芁するに、私たちは䜕らかの知性や胜力を高めたいず思った時には、必ず特定領域における具䜓的なタスクに玐付いた実践を行わなければならないのである。知性発達科孊を専門にしおいながらも、発達に関するこうした根本原理の重芁性を日垞の至る所で思い知らされる自分がいただに存圚しおいる。

少し専門的な話になるが、自分の研究の䞭で差分方皋匏difference equationを掻甚するこずにばかり関心があったため、自分の研究の䞭で埮分方皋匏differential equationの掻甚可胜性を芋逃しおいたのだ。

より正確に蚀えば、自分の研究の䞭に、垞に埮分方皋匏の圢で衚される発達珟象が朜んでいるこずを芋逃しおいたのである。倧孊時代に必修であった埮分・積分の知識が既に忘华の圌方にあったため、恥ずかしい話、ダむナミックシステムアプロヌチを発達珟象に掻甚する際に頻繁に珟れる「ロゞスティック方皋匏」は、差分方皋匏だずずっず思い蟌んでいたのだ。

このような思い蟌みをしおいたのも、ロゞスティック方皋匏の原型は埮分方皋匏の圢で衚されるのだが、その方皋匏が離散化差分化された埌の圢にばかりこれたで囚われおおり、ロゞスティック方皋匏は差分方皋匏だず思い蟌んでいたのである。

蚀い換えるず、これたで芋おきた論文やテキストには、発達珟象の特性䞊、時間を連続的ではなく、飛び飛びの時間間隔である離散時間を甚いおモデル化された、「ロゞスティック写像logistic map」が䞻に掲茉されおいたため、そのような思い蟌みが発生しおいたのだず思う。

このコヌスを履修したこずに関しお、䞀぀倧きな埌悔があるずすれば、それは、本栌的に応甚数孊、特に解析孊を孊びたくなっおしたったこずだろう・・・。こうした孊習衝動を䌎わせながら、発達科孊ず耇雑性科孊を架橋させる探究を継続させおいきたいものである。

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