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7372-7375: トリアー旅行記 2021年10月1日(金)

更新日:2021年10月6日



No.2775 地上の精霊たち_Spirits on the Ground


本日の散文詩(prose poetry)& 自由詩(free verse)

No.943, Beethoven’s and Marx’s Souls

I encountered the soul of Beethoven in Bonn.

I’ll encounter that of Karl Marx in Trier tomorrow.

Two souls would interact with my soul at a deep level.

Bonn; 07:29, 10/1/2021


No.944, From Trier

I arrived at Trier which is the oldest city in German.

It welcomed me with a warm heart.

Something important will come to me during the stay.

Trier; 07:29, 10/1/2021


下記のアートギャラリーより、本日のその他の作品(4つ:コメント付き)の閲覧·共有·ダウンロードをご自由に行っていただけます。

本日の3曲


全ての楽曲はこちらのMuseScore上で公開しています。

楽曲の一部はこちらのYoutubeチャンネルで公開しています。

タイトル一覧

7372.【ボン旅行記】ボンを出発する朝に

7373.【トリアー旅行記】コブレンツ駅に向かう列車から

7374.【トリアー旅行記】コブレンツ駅での小トラブル

7375.【トリアー旅行記】ドイツ最古の町トリアーに到着して


7372.【ボン旅行記】ボンを出発する朝に


時刻は午前7時に近づきつつある。今日はいよいよボンを出発する日となった。この時間帯はまだ暗いが、幸いにも今日のボンは晴天とのことである。今の気温は9度、日中は19度まで上がるらしい。


ホテルの朝食をゆっくり摂り、その後創作活動などをしながらホテルの自室でゆっくりし、午前11時半をめどにチェックアウトする。ホテルとボンの中央駅は目と鼻の先であり、それぐらいの時間にチェックアウトすれば、ボン中央駅を11:56に出発する列車に余裕を持って乗れる。


ボン中央駅から出発した列車は、途中コブレンツ駅で乗り換え、トリアーに向かう。トリアーの中央駅に到着するのは午後2時半であり、そこからホテルの向かい、チェックインを済ませたい。


今日はそのままホテルでゆっくりしてもいいが、ホテルの真ん前にあるトリアー市立博物館に足を運んでもいいだろう。ここは午後5時までしか開いていないが、所要時間は1-2時間ほどとのことなので、本日ホテルの自室に荷物を置いてそのまま博物館に向かってもいい。


あるいは明日の昼前に訪れ、その足で午後からはマルクス博物館に行くというのも手である。そうすれば今日の午後はトリアーの市内観光ができ、帰り際に街の中心部にあるオーガニックスーパーにゆっくりと立ち寄ってくることができるだろう。そのような選択肢がある。


今日はそのような計画で動こう。振り返ってみると、ボンに滞在した5日間はとても充実していた。いつもの旅のように、もう2日目からはここが慣れ親しんだ街であるかのような錯覚があった。環境順応が円滑かつ速やかになったのは、欧米で長く暮らし、これまで多くの旅を経験してきたからであろうか。


今朝方は起床直前に印象的な夢を見ていた。ただし、その記憶が随分と薄らいでしまっている。


確か見知らぬ男性と何かについて話をしている場面があったように思う。その男性は、2人のまた別の男性から相談事を持ちかけられたらしいが、相談主の2人は少し信用がならないとのことであり、その相談を私にしてくれていた。


どんな点で信用ならないのかを尋ねてみると、1人は女性関係上信用できず、もう1人は賭博好きの観点で信用できないとのことだった。それ以外にも何か思い出すことはできないだろうか。今朝方の夢はちょっと逃げ足が早かったようだ。


それではこれから朝の創作活動に取り掛かり、シャワーを浴びて少ししたらレストランに降りて行き、ボンでの最後の朝食をゆっくり楽しもうと思う。


ベートーヴェンの生まれた街、ボン。ここに訪れることができた幸運と幸福を、今噛み締めている。ボン:2021/10/1(金)07:26


7373.【トリアー旅行記】コブレンツ駅に向かう列車から


時刻は正午を迎えた。先ほど、ボン中央駅を列車が出発し、これからトリアーに向かう。


今日のボンはとても肌寒く、駅のプラットホームで列車を待っている間に随分と寒さを感じたので、長袖の上に羽織るものを着た。それを持参して正解であった。トリアーからフローニンゲンに戻る数日後には、もうドイツもオランダも寒さのフェーズが変わり、ぐっと冷え込むようになる。


今、ボンから乗り換え駅のコブレンツ駅に向かっている。旅行中は荷物もあるために一等車両を使うようにしているのだが、今日はそれをして正解だったように思う。二等車両は人が多く、一等車両は嘘のようにガラガラであり、とても静かだ。静かな環境の中でこの日記を綴ることができている。


たった今、列車の左側の窓の方を眺めると、美しい湖が広がってきた。この街の名前はなんというのだろうか。どうやらOberwinterという名前らしい。


ドイツ語から察するに、「冬を超えて」というような意味の街なのだろうか。この冬を超えた時、自分はまた新たな違う自分になっているであろうという予感がする。


興味深いことに、欧州で過ごす冬のたびにそれを思い、実際にそれが実現されていることに驚く。この土地の冬が長く厳しいためであろうか。それが精神を涵養するのにふさわしい土壌になっていて、その土壌の上にしっかり根を下ろしながらこの5年間冬を過ごしてきた。


今回は6度目の冬超えである。越冬の後、自分はまた精神的に今とは違う次元にいるであろう。その自己がまた自分にまだ見ぬ景色を見させてくれ、新たな場所に連れて行ってくれるはずだ。


それでは今から読書の続きをしよう。駅のプラットホームで列車を待っている最中にも本を読んでいた。それは今回の旅に唯一持参したラカンの精神分析に関する辞書である。


自分でも改めてなぜこの本を持ってきたのか不思議であるが、そこにもきっと何か意味があるのだろう。まさに本書を持参した行為の背後にあるものこそ精神分析の対象になり得る。


長閑なドイツの大地を走る列車の中、自分はラカン派の精神分析学の辞書を読む。それもまた一興であり、これもまた旅の忘れられない一コマになる。それが自分の記憶を形成し、自己の歴史を作るのだ。コブレンツ駅に向かう列車の中:2021/10/1(金)12:15


7374.【トリアー旅行記】コブレンツ駅での小トラブル


今、コブレンツ駅からトリアー中央駅に向かう列車の中にいる。乗り換え前の列車でも綺麗な湖が見えたが、今目に映る湖は先ほどのものよりも美しいかもしれない。


それは午後の太陽の光を反射して輝いていることによるのかもしれないが、どこかスイス湖畔の雰囲気を思わせる景色が車窓の外に広がっている。


乗客はそれぞれ思い思いに過ごしていて、暖かな秋の昼過ぎの太陽光を浴びながら寝ている人もいれば、スマホをいじっている人もいる。お喋りを楽しんでいる人もいる一方で、黙って車窓の外に広がる景色を眺めている人もいる。


自分はそのどれだろう?どこか仮眠中の穏やかな意識状態の中で、景色を見ながらこの日記を書いているので、色々と統合的な意識状態かもしれない。旅は本当に不思議な意識状態に誘ってくれるものだ。


実は先ほど、コブレンツ駅でトラブルがあった。笑ってしまうのだが、コブレンツ駅に到着する1つ前の駅で降りそうになってしまい、列車の扉を開けてプラットホームに降り立ったところで、少し違和感を感じた。


コブレンツ駅は乗り換え駅なのでもう少し大きいイメージが頭の中にあり、降り立った駅が乗って来た列車のプラットホームを含めて2つのプラットホームしかなかったのでおかしいと思ったのだ。


ちょうど同じタイミングで降り立ったドイツ人の男性に英語で質問すると、返答はドイツ語だったが、降りるべき駅が次の駅であることを指摘している意図が汲み取れたので、慌てて元の列車に乗り、無事にコブレンツ駅に到着したという出来事があった。


駅に到着してホッとしていると、乗り換えプラットホームに向かう最中に、アフリカ系ドイツ人の若者が駅構内で叫びながら暴れており、3人の警察官に取り押さえられている光景を目にした。周りにいた人たちも何事かという形でその様子を眺めていた。


その様子を眺めていてもしょうがないと思った私は、目的のプラットホームに到着した。そこで乗り換え時間が24分ほどあり、きちんと正しいプラットホームにいたのだが、なんと列車を乗り逃してしまった!


というのも、プラットホームの電光掲示板に表示されている情報がわかりづらく、電光掲示板上に流れて来るドイツ語が理解できなかったのである。


同じようにどの列車に乗ればいいのかを迷っている女性が1人いて、彼女が私に声をかけて来た。彼女は若いシリア人で、今リバプールに住んでいて、マンハイムに住む兄弟のところに遊びに行くところだと教えてくれた。


彼女と同じ列車に乗る予定だったので、駅のプラットホームの椅子に腰掛けてしばらく話をしていた。すると、電光掲示板に流れてくるドイツ語の意味がなんとなくわかり、私たちが乗る列車はやはり今目の前に止まっている列車じゃないかと思ったのだ。


近くにいたドイツ人に質問してみたところ、もう1つ次の列車だと述べていたので安心したのだが、それは間違っていた。乗車予定の列車が駅を離れると、電光掲示板の情報が変わり、私たちが乗る予定だった列車の情報が消えた。


そこで私は、やはりあの列車に乗らなければならなかったと思ったのである。幸にも私の目的地であるトリアー行きの列車はすぐにまたやって来て、そこでシリア人の彼女と別れた。彼女は目的地がマンハイムだったので違う列車に乗らなければならなかったのだ。


今日はトリアーに到着してから特に予定もなかったのでことなきを得た形だ。列車の車窓から見える景色が心底自分を落ち着けてくれる。トリアーに向かう列車の中:2021/10/1(金)13:55


7375.【トリアー旅行記】ドイツ最古の町トリアーに到着して


時刻は午後6時半を迎えた。先ほどホテルの自室で夕食を摂り終え、暮れゆく夕日を眺めながらこの日記を書いている。


まさかの形で乗り換え駅で列車を乗り逃してしまい、結局トリアーに到着したのは予定より1時間遅れた午後3時半だった。本来乗るはずの列車は特急列車であり、結局乗車したのは準特急のような列車だったので、最後の方は各駅停車となって思っていたよりも時間がかかった。


とはいえ、乗り換え駅からトリアーまでの景色をゆっくり堪能できたことはよかった。途中に見えていた段差のある畑では何が植えられていたのだろうか。


また、ワイン畑のような雰囲気のものもあり、ひょっとしたらこの辺りの名産ワインというのもあるのかもしれない。そう思って調べてみるとここはドイツワインの発祥の地らしい。


モーゼルワインの一大生産地として有名なことを知り、どうりでワイン畑のようなものが途中に数多くあったわけである。そしてここがワインの名産地なのも、フランスワインで有名なアルザス=ロレーヌ地方と隣接しているからなのだろう。


ヨーロッパの街は特に歴史が深いものが多いので、歴史を学ぶと見えてくるものが多々ある。事前にトリアーの街の博物館を調べた時、やたらとローマ時代の考古学的な資料を展示した博物館が多いように思えたのは、この街がローマ帝国において「第二のローマ」として機能していたからだろう。明日はトリアー市立博物館に訪れ、この都市の歴史をより深く学びたいと思う。


記憶をトリアー到着の瞬間に巻き戻してみよう。トリアー駅に到着し、駅から一歩外に出ると、ボンとはまた違った雰囲気が広がっていた。


トリアーはドイツで最も歴史のある町であり、それが一瞬にしてわかった。駅からホテルまではメイン通りを一直線に歩けばよく、6分ぐらいで到着した。


今日から滞在するホテルは、ポルタ·ニグラというユネスコ世界遺産に登録されている古代ローマ時代の建築物の真ん前にあるホテルだ。実際に、ホテルの名前にもポルタ·二グラという名称が入っているぐらいだ。


ポルタ·ニグラとはラテン語で「黒い」という意味らしく、確かにその外観は黒い。今から1800年以上も前に建築されたものがこのようにして残っていることに驚く。


ホテルのチェックインを終え、自室に荷物を置いて水をグイッと飲んだ後、時間が十分にあったので、早速中心部に散策に出掛けた。トリアー市立博物館のチケット売り場に行くと、事前にチケットの予約をする必要はないとのことだったので、明日の昼前にまた来てゆっくりと鑑賞することにした。


トリアーという町は人口10万人ほどなので、比較的小さい。この町は観光名所なのだが、名所が集中しているので、観光に要する時間は大したことはない。人によっては1日か2日あればくまなく全ての観光地を巡れてしまいそうである。


本格的な観光は明日からにすることにし、街の中心部のオーガニックにスーパーに行き、夕食と水などを購入してホテルに戻って来た。


明日から本格的にトリアーの街を観光することが今から楽しみである。明日はトリアー市立博物館を訪れた後に、この街を訪れた最大の目的であるマルクス博物館に行く。マルクスとの邂逅が待っている。トリアー:2021/10/1(金)18:49

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