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3034.【北欧旅行記】ストックホルムでの失態と子犬との出会い


ストックホルム滞在の初日が終わりに近づいてきている。ストックホルムの空港からストックホルム中央駅までは特急列車が走っており、わずか20分で両地点を行き来することができる。

列車の本数も多く、飛行機を降りて駅に向かうと、すぐさま次の列車に乗ることができた。これは昨年デンマークからスウェーデンのマルメに向かう列車の中でも感じたが、スウェーデンの特急列車はとにかく車内が綺麗だ。

本日乗った特急列車も車内がとても綺麗であった。この車内の電光掲示板にその時点での列車の速度が表示されており、最速時は時速200kmほどの速度であった。

空港からストックホルム市内の中央駅に乗り換え無しで到着できることは非常に有り難い。駅に到着してから宿泊先のホテルまでの道のりもわかりやすかった。

ホテルに向かうまでの道のりの景色を関心を持って眺めてみると、ストックホルムにもやはり固有の精神が存在していることがわかる。それが景観に滲み出しており、他の都市とは違う独自さを醸し出している。町の景観とその精神については、明日以降ゆっくりと町を散策しながら改めて考えてみたい。

今ホテルの部屋でこの日記を綴っている。部屋に置かれていたホテルの歴史を伝える書籍を手にとって眺めていると、このホテルは1925年に建築された建物がそのまま使われているようだ。

そのためか、部屋の中もとても落ち着いた雰囲気を持っている。部屋に飾られている絵画も中世時代のものであり、画風はフェルメールの絵のように思えるのだが、この作品がフェルメールのものなのかは定かではない。またオランダに戻ってから作者を調べてみたいと思う。

ホテルに到着したのは午後の六時過ぎであり、随分とお腹が減っていたので、部屋に荷物を降ろすと、すぐさま夕食を食べに出かけた。旅行中に限ってなぜだか私は日本食が食べたくなることがある。

旅行中は、滞在先の町で日本食レストランを探し、そこで夕食を食べるか、近所のローカルのスーパーに行ってお惣菜を買ってホテルの自室で食べるのかどちらかのことが多い——いや、厳密にはその二択のうちのどちらかしかない。

今日はホテルから20分ほど歩いたところにある日本食屋に行こうと思い、楽しみにしてホテルを後にした。日本食屋までの道のりは当然ながら初めての景色であったため、好奇心で見開いた目でその景観を楽しんでいた。

20分ほど歩くと、目当ての日本食屋に到着した。店員はアジア系の外国人のようだった。マグロ丼とサラダを注文し、会計をしようと思ったところ、財布が見当たらなかった。

どうやらホテルの自室に財布を忘れたようだった。財布をホテルに忘れるという失態をしたのは初めてであり、カバンの中にはシュタイナー教育に関する書籍と、食後のデザートのために空港のラウンジでもらってきたオレンジしかなかった。

店員に謝り、私はトボトボと来た道を折り返し、ホテルに戻った。ホテルに引き返している最中に、カネがない場合にどのように飯を食べるかに関する方法について考えていた。

ホテルまで引き返す道にはレストランが溢れており、この季節はまだ外のテーブルで飲み食いを楽しんでいる人が多く目に付いた。仮にカネが一銭もない場合、外で飲み食いしている人の中で陽気な雰囲気を発している人にそれとなく声をかけ、話に花を咲かせることによってカネがなくても飲み食いができそうだと思い、少しばかり笑みが漏れた。

そのような妄想をしていると、ホテルに到着した。チェックインを担当してくれた気さくそうなスウェーデン人女性に財布と部屋のキーカードを自室に忘れてしまった旨を伝え、代わりのカードをもらった。

お礼を述べ、部屋の机の上に置かれていた財布を取り、すぐさま夕食を食べに部屋を後にした。再度受付に行き、代わりのカードを返してホテルを後にしたことを思い出していた。

午後にチェックインを済ませ、自室に入った時にも愛らしく感じていたが、改めて部屋に戻った時に、ベッドの上に置かれている三匹の犬のぬいぐるみがとても可愛らしく思えた。三匹ともトイプードルのようだ。

一匹は親犬であり、もう二匹は子犬である。これはサービスとして自室に置かれているのだが、持ち帰ることはできない。

ただし、それらのぬいぐるみを購入することができるらしい。三匹のうちの子犬の一匹がとても可愛らしく、購入するかどうかを迷ってしまうほどだ。

いくら小さいぬいぐるみとはいえ、スーツケースに入れるとかさばってしまうかもしれないのが難点であり、とりあえず今日からの五日間はその子犬の名前を「ストック」と命名することにした——ストックホルムで出会ったため。

もう少し練られた名前が欲しいとストックが言うかもしれないので、古代スウェーデン語の“stock”の意味を考慮して、「叡智・希望・愛情・幸福の集まり」という意味をその名前に込めようと思う。

気がつけばもう午後10時を過ぎていた。移動の疲れもあるため今日はもう寝ることにして、明日からの活動に備えたいと思う。ストックホルム:2018/8/25(土)22:24

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