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2386. 黒体の不気味な魚を釣り上げる夢


今日は早朝の五時半に目を覚ました。この数日間と同様に、眼が覚めた瞬間に小鳥たちの鳴き声が寝室に響き渡っていた。

起床時の時間帯はまだ闇に包まれていたのだが、そうした闇の中に小鳥たちの小さく、それでいて透き通った声が高らかに鳴り響いていた。小鳥たちがこのように早朝に鳴き始めたのは、おそらく春がもうすぐやってくるからだろう。実際に昨日はとても暖かく、春の到来を強く予感させた。

今朝方の夢を少しばかり振り返っている。いくつか印象に残っている場面があるが、それらの記憶が刻一刻と薄らいでいる。記憶が消えてしまわないうちに覚えている範囲のことを書き留めたい。

夢の中で私は、ある波止場にいた。そこで小中学校時代の何人かの友人と釣りをしていた。今日の釣果はそれほど冴えるものではなく、私たちは釣りよりもその場での会話を楽しんでいたように思う。

そろそろ釣りを終えようと思っていたところ、私のルアーが何かとても重たいものに引っかかったのを感じた。最初は海底の障害物にでも引っかかったのかと思ったが、それが鈍い動きをともなっていたために、何か大きな魚が掛かったのだと分かった。

私がリールを慎重に巻く姿を見ていた友人たちも、私のルアーに何か大きな魚が掛かったのだと気付いたようだった。そこからしばらく、私は友人たちに見守られながら、その大きな魚と格闘し、ゆっくりとだが確実にこちらの方に魚を引き寄せていった。

いよいよ海面からその魚が姿を表すとき、私はとてもぎょっとした。というのも、海面から姿を現したのは、全身が真っ黒の得体の知れない大きな魚だったからである。

体長は60cmほどなのだが、その重さが鉛のように重かった。波止場にその魚を引き上げたとき、その魚の口からルアーを外すのがどこかためらわれたため、生き物に詳しく、得体の知れない生物にも臆することのない友人にルアーを外してもらった。

:「ありがとう。その魚はすぐに逃がそう」

友人:「そうだね。じゃあそこから逃がすよ」

友人は手際よくその魚の口からルアーを外し、波止場の上から海面に向かってその魚を逃がした。それほど激しくその魚を投げたわけではないのだが、その魚は海に投げられた時、しばらく海面に浮かんでいた。

黒々としたその体がどこか不気味な光を発しているように思えた。私はその魚が死んでしまったのではないかと少々心配したが、そこから数秒後にまた元気になり、海面に水しぶきを上げて海底の方に潜っていった。

その姿を見たとき、私は安堵感を覚え、そこで夢の場面が変わった。それ以降に見た夢の記憶はやはり断片的なものになってしまっている。

あるプールサイドで両手に持ちきれないほどの飲み物と食べ物を抱え、友人にその一部を持ってもらうようにお願いしている場面を覚えている。そのとき、友人は一つだけ飲み物を持ってくれたのだが、もう少し別のものを持ってもらうように強くお願いしたことが印象に残っている。

また、その後の夢の場面では、小さな部屋に一人の教師と数人ほどの生徒がいて、これから芸術作品の評価を行うことになっていた。それらの作品は全て生徒たちが作ったものである。

私はその生徒の一人であった。生徒たちが画用紙に描いた絵が黒板に貼られており、教師はどの絵から評価を始めるかを生徒たちに尋ねた。一人の生徒が勢い良く挙手をし、彼の絵から評価を始めていこうとした。

そのとき、私の身振りが紛らわしかったのか、教師から見ると私も挙手をしたように見えたらしかった。そのため、教師は私の絵の評価を先に行ってもいいかと尋ねてきた。だが、私にはその意図はなかったため、代わりに一つ質問をすることにした。

:「先生、絵画の評価をする際にはまず前提となる文脈を明らかにし、特定された文脈からその絵画を評価していく必要があると思うのですが、どうでしょうか?ある意味評価の観点が不明確なままでは、僕たちは絵画の評価などできるはずがなく、仮にできたとしてもそれは単なる感想報告会に留まってしまうと思うんです」

先生:「確かにそうだな。それでは評価の前提となる文脈を明らかにし、評価の観点を少し明確にしよう」

先生は私の質問に対して一瞬戸惑った表情を見せたが、質問の意図を汲み取ってくれ、事前に文脈と評価観点を明らかにした上で芸術作品の評価をすることにした。そのような夢が印象に残っている。

一連の夢はどれも脈絡はないように思える。夢と夢との間には非線形的な溝があり、それでいて一つの全体としての夢を連続的に構成している。

夢というのは常に未知なる特徴を持っており、夢について意識を向ければ向けるほど、少しずつ未知なことが既知になっていく。それはどこか、自分自身を知ることと同じであるように思える。フローニンゲン:2018/4/8(日)06:35

No.956: Movement of Spring

The movement of spring is sometimes very calm and sometimes very powerful. I often think so recently. Groningen, 10:43, Thursday, 4/26/2018

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