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2358. レクティカのアセスメントのその先


今日は早朝から随分と文献を読み進めた。とりわけ、私が三年前に離れたマサチューセッツ州のレクティカという組織がこれまで行ってきた一連の研究をもう一度辿っていた。

私が当該組織を離れて以降も、着実に人間発達のアセスメント開発がレクティカでは進んでいるようであり、最近ではついに、コンピューターを用いたアセスメントの自動化が実現されたようである。

もう代表者のセオとは随分と長く連絡を取っていない。当時一緒に在籍していたメンバーの中で今でもレクティカにいるのは、オーストラリア人の友人のアイデンだけとなっているようだ。

レクティカが積み重ねてきたこと、そして現在行っている取り組みには未だに共感することが多い。一方で、レクティカの試みがもはや斬新なものには映らなくなっているのも確かだ。

アセスメントの自動化に関しても、それはAIを活用するような高度なものではないため、もはやそれほど画期的なことのようには思えない。レクティカの試みには大きな感銘を受け、共感することも多々あるのだが、今後はより展開力のあるアセスメントを開発することが重要に思われる。

今のままのアセスメントでは、定点観測的にある対象領域の能力レベルを明らかにすることはできたとしても、よりリアルタイムな日々の成長プロセスを可視化することはできない。レクティカのアセスメントは長きにわたる実証研究から生み出されているだけあって非常に洗練されているのだが、ミクロな成長を可視化し、そうした成長を真に支援していくためのアセスメントとしては重たすぎるのだ。

複雑性科学の非線形ダイナミクスの手法を実装するようなアセスメントであれば、日々のミクロな成長のプロセスを可視化することが可能である。レクティカのアセスメントは、発達測定の世界においては傑出したものであるだけに、そうした展開力の欠如はもったいないように思う。

レクティカに所属しながら新たなアセスメントを開発することは、正直なところ私にはできない事情がある。そうしたもどかしさがあったのだが、ここ最近二、三のアセスメント開発の話を日本企業からいただいている。

それらの全てがAIの活用を見越したプロジェクトであり、そのうちの一つは最近ゆっくりと動き始めた。レクティカのアセスメントのように、多くても数ヶ月に一度アセスメントを実施するような静的な形で発達プロセスを可視化するのではなく、より時間単位を短くし、日々の非線形的なミクロな発達プロセスを可視化するようなアセスメントを開発したいと思う。

幸運なことにそれら二、三のプロジェクトは測定対象領域がまるっきり異なるため、利害関係が生まれることもなく、全てのプロジェクトを同時並行に進めることが可能である。それらのプロジェクトを通じて、自分の中で知見が獲得されていき、それをお互いのプロジェクトの中で活用していくことができるだろう。フローニンゲン:2018/4/2(月)11:56 

No.933: A New Start

I got up around 4 AM. I’m leaving for Central Europe.

I predict that this trip will be a new start in my life. Groningen, 05:24, Friday, 4/13/2018

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