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2081. あの夢について


今朝もまた、昨日に引き続き雨模様である。昨日は本当に雨も風も強く、外出の際には随分と手こずらさられる一日だった。

七年前にボストンで購入した折り畳み傘が壊れてしまい、昨日フローニンゲンの街の中心にあるデパートで新しいものを購入した。この日の出来事とこの新しい傘は一つの記憶の中に仕舞われることになるだろう。

先ほど、今朝方見ていた夢について再び回想していた。ここ四日間連続して印象に残る夢を見ている。

夢の印象度合いと起床時の爽快さにはあまり相関関係を見出せないが、今朝の目覚めは大変良かった。六時に起床し、身体を少しばかり目覚めさせたところで一日の活動を始めた。

今朝方に見ていた夢は、今思い返してみても温かい気持ちを誘う。「1993年夏」というのは、実際には東京から山口県に引っ越しをした翌年の夏だと思う。

確か私は1992年の春に山口県に引っ越しをしているはずであるし、夢の中に出てきたA君という人物を私は知らない。私が感動していたのは、実際に存在する具体的な人物との間に育まれていた友情に対してではなく、一人の人間と別の人間が生み出す友情の本質、すなわち友情のイデアのようなものに触れていたからだろう。

夢というのは、具体的な形として実存しないものを私たちに提示することがあるのと同時に、その提示された形には完全なまでに存在する抽象的な主題が含まれていることがある。友情のイデアはまさにその一つだろう。

友情というのは抽象的なものであるが、あの夢の中には間違い無く、具体的な友人と私が育む友情のイデアが確かに存在していた。夢の持つ形象性と形象を超えた抽象的主題を暗示する力には驚かされるばかりである。

今日もまた、一人かつ一人ではないこの奇妙な世界の中で生きることが始まった。早朝からの雨も雨脚が強まり、時間の経過と共に、書斎の窓に打ち付けられる雨の音が大きくなる。

昨日、行きつけのチーズ屋の店主と雑談をしていた時に、明後日までは雨の日が続き、そこからは晴れの日が続くが、まためっきり寒くなる、という話を聞いた。

晴れの日が連続することはこの数ヶ月間ほとんどなかったため、太陽の光を浴びれる日が続くことは有り難いのだが、天気予報を確認すると、確かに店主の言う通り、今週の土曜日から来週にかけては最低気温が軒並みマイナスになっている。

研究インターンの始まる日は、最高気温が0度、最低気温がマイナス4度を示している。日照時間が伸びて、少しばかり春の到来の予感を感じていたが、また厳しい冬に戻ってしまったかのようだ。

今朝方の夢にモチーフとして現れたテレフォンカードのことが気になり、私は大切に保管している、父の描いた絵が採用されたテレフォンカードを久しぶりに眺めてみることにした。改めて眺めてみると、これまで気づかなかったことに気づかされる。

私はてっきり、家族三人を表した三匹の可愛らしいハリネズミが気球に乗って空を飛んでいると記憶していたのだが、実際には宇宙の中を気球で飛んでいるようだった。

無数の星で煌めく銀河の中を気球で飛んでいる様子が描かれており、ハリネズミの父とハリネズミの子供が指差す方向を、ハリネズミの母が望遠鏡を使って眺めており、指差す方向には黄色く輝く太陽とその周りに一段と美しく輝く星々がある。

このテレフォンカードの左下を眺めると、このテレフォンカードはどうやら、新日鉄の労働組合の支援のもとに作られたものであるらしいことがわかる。久しぶりにこのテレフォンカードを眺め、一日の仕事に取り掛かるために、このテレフォンカードを元の場所に保管しようと思ったその時に、再度三匹のハリネズミが視線をやる方向を眺めた。

すると、光り輝く太陽と銀河のその上に、「し・あ・わ・せ・∞」の文字が記されていることを初めて知った。

無限に広がる宇宙と共に、私たちの内的宇宙に生じる幸福というのは本来無限大なのだろう。そうした幸福を奪い合うのではなく、幸福の創出に関与し、幸福を分かち合う方向に人類は一丸となって歩みを進めないだろうか。フローニンゲン:2018/2/1(木)07:49

No.712: Longing

It has been snowing very much since the early morning in Groningen.

Yet, the longing for walking in the snow showed up within me. Groningen, 11:59, Saturday, 2/3/2018

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