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1976. 出発の朝に


日本を離れる日の朝がやってきた。宿泊先のホテルが快適であったためか、今朝も普段と同じように体調がいい。

成田での日が昇る時刻は、山口県のそれよりも早く、六時半を迎える今はすでに外が薄明るくなっている。ホテルの自室から、朝日に照らされ始めた空が、様々な色調を持った姿を見せている。

自室から飛行機の滑走路がすぐ近くに見えるのだが、ホテルの防音がしっかりしているためか、一切の騒音が聞こえない。着陸で待機している何台かの飛行機が星のように光って見える。 今朝方、印象に残る夢を見た。夢の中で私は、小中学校時代のある一人の友人が持っている、芸術に対する特異な感性について、その友人から相談を受けていた。

話を聞いてみると、彼の感性と私の感性は似ており、何らかの芸術作品に対する対象理解の方法が似通っていた。もう少し話を聞いてみると、それは芸術作品のみならず、自然界の現象全般に関しても感性が共通していることがわかった。

彼と私が共通に持っている感性を「特異」という言葉で表現したが、実際のところは、お互いにそれが「異常」なものであることを理解していた。二人で話をしていたところ、中学校時代にお世話になっていた数学の先生がその場に現れた。

先生は、私たちが何について話していたのかに関心があるようであり、私たちの話に割って入ってきた。友人と私は少し話を濁らせた。

だが、その先生は本当に私たちの話に関心があるらしく、根掘り葉掘り様々なことを聞きだそうとしていた。友人の話を聞いている私は、さながらサイコセラピストのようであり、先生は私がそのように振舞っていることについて少し心配をしているようだった。

すると先生は、私が友人の相談に乗ることと、サイコセラピストやカウンセラーを含め、その道の専門家が友人の話を聞くことのどちらが最も望ましいのかについて質問を私に投げかけてきた。

二つの場合それぞれにおいて、両者のメリットとデメリットを述べるように先生は私に要求してきたのである。私は即座にその質問に答えた。

彼が私に相談することと、サイコセラピストやカウンセラーに相談することのメリットとデメリットをすぐさまいくつか列挙した。すると先生は私の回答に納得したようであり、結局、私が継続的に友人の相談を乗ることになった。

友人と私はお互いに理解し合える関係性を持っており、また二人の感性は特異なものであるため、他の人に相談を持ちかけずに済んだことに対して、二人は安堵した。そこで夢から覚めた。 時刻は七時に近づきつつある。八時あたりにホテルを出発し、空港のラウンジで少しばかり仕事をしたい。

ラウンジで仕事を終えることができたら、まだ書き残せていない日記をいくつか書き、それが済んだら作曲実践を行いたいと思う。昨夜、就寝前にホテルの自室で作っていた曲を完成させたい。 今、ホテルの自室から見える成田の空は雲ひとつなく、とても爽快だ。良い天気に恵まれた幸運に包まれながら、今日も自分がなすべきことに淡々と取り組んでいく。成田:2018/1/6(土)06:46

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