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873. 春の予感がする頃に


フローニンゲンの街も非常に春らしくなってきた。近所の公園や街路に植えられた植物たちが、春の訪れを告げている。

今週から来週にかけて、気温も上昇する一方である。ようやく長く暗い冬を抜け、光に満ちた春に入る。まさに明後日からサマータイムに入るため、日本と仕事をする際の時差に注意をしなければならない。 今日は午前中に、「再帰定量化解析(RQA)」と「交差再帰定量化解析(CRQA)」に関する論文を読んでいた。これは以前に簡単に言及した、 “Recurrence plots for the analysis of complex systems (2007)”という論文である。

この論文は、物理学のジャーナルの中でも権威のあるPhysics Reportsに投稿されたものであるだけに、私のような物理学や高度な数学的知識のない者にとっては、読み進めるのが非常に困難である。この論文は、非線形ダイナミクスの手法に関して私のアドバイザーを務めてくれているラルフ・コックス教授から勧めてもらったものである。

私がこの論文を読もうと思った目的は明確であり、RQAとCRQAの背後にある数学理論を学ぶためであり、それらの分析手法が持つ応用可能性などについてより理解を深めるためであった。そうした目的を持ってこの論文を読み進めていたため、難解な数式表現などには深い入りすることなく、とりあえず一読することができた。

この論文に掲載されている知識項目の豊かさを考えると、今後も折を見てこの論文を読み返す必要があるだろう。論文を読んだ後、少しばかり意識が朦朧としていた。

聞こえてくるシューベルトのピアノ曲に身を委ねる形で、静かに目を閉じ、少しばかり瞑想をしていた。瞑想後、意識が幾分明瞭なものになったため、再び仕事に取りかかったが、しばらくすると、今度は眠気に襲われた。

そのため、少しばかり仮眠を取ることにした。寝室のベッドに横辺り、しばらくすると、突然、額の真ん中あたりに白く強烈な光を感じた。

午前中に仮眠を取るときは、黄色がかったエネルギーの流れが全身を駆け巡ることがよくあるのだが、今回はそうした現象とは異なり、稀な体験だった。 仮眠後、完全に眠気が払拭されたため、システム科学とネットワーク科学の専門書をそれぞれ一章ほど読み進めた。明日、明後日にかけて、「複雑性とタレントディベロップメント」のコースで課せられている論文を集中的に執筆しようと思っているため、今日は自分の関心に純粋に従った読書の日にしようと思っていた。

システム科学とネットワーク科学の探究がひと段落すると、いつもはあまり気にかけない一つの本棚を眺めていた。そこでふと、久しぶりに、ウィルバーの “The eye of spirit (2001)”を読んでみようと思い立った。

その本におもむろに手を伸ばし、書斎の上に置いた。夕方からは、久しぶりにこの書籍とゆっくり向き合いたいと思う。

今日というこの日、その瞬間に、この書籍を手に取ったのは何か意味があるに違いないと思わずにはいられなかった。2017/3/24

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