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512. 心象イメージと本日の読書


以前言及したような、意味が生成する深層世界に意識的に参入することが可能になりつつある。就寝前に、目を閉じて横たわりながら心身をリラックスさせ、その後、自分の手のひらをおでこにかざすと、意味が生成する深層世界に入っていくことを感じることができる。

具体的には、意味が内包する心象イメージが意識内で立ち現れては消え、立ち現れては消え、というような現象が起こる。鮮やかな色を伴った心象イメージがめくりめく変化していく様子を最初に目撃した時は、自分の意識と脳内で何が起こっているのか定かではなかった。

今現在は、こうした心象イメージが流動的に立ち現れるという現象に対して、とても冷静に受け止めている自分がいる。短い時間の中で、大量の映画を鑑賞しているような感覚なのだが、面白いことに、それらのイメージをこちらから意図的に操作することはできないようなのだ。

つまり、自分が見たいような心象イメージを意図的に生み出すことはできず、意識内で生成された心象イメージをただただ鑑賞することしか、こちら側にできることはないのである。昨夜も就寝前に、意味世界の深層に降りていき、千変万化する心象イメージをただただ眺めがら眠りについた。

起床後、今日は幾つかの専門書を並行的に読み進めていこうと思う。最初に取り掛かろうと思うのは、「人工知能の父」と称されるマービン・ミンスキーの “The society of mind (1985)”という書籍である。

本書は、人間の知性に関して、実に多様な論点を紹介している。同時に、各論点が基本的に一ページでまとまっているため、非常に読みやすい。本書の全ての内容に目を通していこうとすると、集中力が落ちてしまうことは明らかなので、自分の研究分野と関連した箇所のみを選定して読み進めていきたい。

次に取り掛かりたいのは、ジュアン・ガルシアというシステムダイナミクスの研究者が執筆した “Theory and practical exercises of system dynamics (2006)”という書籍である。本書には、システムダイナミクスに関する理論のみならず、システムダイナミクスを分析するコンピュータツールに関するエクササイズと説明が豊富にある。

システムダイナミクスを研究しようとする者にとっては、とても有益な専門書だろう。もちろん、組織というシステムに関わる実務家にも有益な考え方が多数盛り込まれているが、どちらかというと研究者向けの専門書だと思う。

一つだけ残念なのは、本書が正規の出版社から出版されたものではなく、著者自身で作成した書籍であるため、中身の作りが少し雑なところが散見される——図表の文字がぼやけていたり、不必要な余白があったりする。

時間が許せば、もう一冊 “Psychoanalysis and ecology at the edge of chaos (2011)”に取り掛かろうと思う。本書は、複雑性科学と精神分析学を架橋することをテーマとして掲げている。それらの組み合わせによって、人間精神の複雑さにアプローチをしている専門書はあまり例を見ないため、非常に価値のある一冊だと思っている。

これから取り組む書籍を列挙してみると、人間の知性をシステム科学や複雑性科学の観点から捉えていくような書籍が多いことに気づく。しかし、扱っている内容やそれらの理論を活用している領域が若干異なるため、単調な読書ではなく、複数の書籍を行き来しながら集中力を保った読書が行えそうである。

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