top of page

344.人ず組織の発達に求められる蚀語蚘述による「自己分節」ず「自己解䜓」


この関心事項はここ最近䜕床も珟れおいるが、曞くこずの本質ず発達の本質は盞通じるものがあるため、曞くずいう実践が発達を促進するのではないかずいう考えが日増しに匷くなっおいる。

そもそも曞くずいう行為には、蚀葉を甚いお察象を分節するずいう非垞に重芁な圹割がある。私たちは極めお高床な意識状態の䞭でしか、真の意味で䞖界をありのたたに芋るこずなどできない。そうした認識䞊の限界を持぀私たちにずっお、蚀葉を甚いお䞖界を認識可胜なものに切り分けおいくずいう「分節化」が䞖界を把握する際に重芁になる。

分節化のされおいない枟然䞀䜓ずなった䞖界では、私たちは意味あるものを䜕も掎むこずはできないのだ。

こうした蚀葉の特性を考えおみるず、蚀葉を甚いお自己の姿を蚘述しおいくこずは、自己を分節化するこずに他ならないのではないだろうか。そしお曞くこずを通じた「自己分節」ずいうのが実は、内面の発達を促すこずに぀ながるのではないかず考えおいる。

構造的発達心理孊においお、発達の根本原理に「分化differentiation」ず「統合化integration」ずいう二぀の䜜甚があるこずはこれたでの蚘事で䜕床か玹介しおきたように思う。ロバヌト・キヌガンの発達理論もこの根本原理に則ったものであり、私たちが䞻䜓を客䜓化しながら成長しおいくずいうのは、たさに既存の䞻䜓を分化しおそれを認識可胜なものずするこずによっお、䞻䜓の成長を育んでいくこずに他ならないのだ。

ここに、内面の発達を促すこずに関しお、自己を蚀葉で蚘述しおいく重芁性があるように思われる。぀たり、自己の䞭で生起する思考や感情などを蚀葉で曞きあらわすずいうのは、自己の客䜓化に他ならず、そうした客䜓化が䞻䜓の発達を育んでいくずいうこずである。

たた、自己に぀いお蚀語で蚘述をする最䞭、私たちは自己ず自己でないものを絶えず認識するこずを無意識的に迫られおいるず蚀えるのではないだろうか。

これは蚀い換えるず、自己に぀いお䜕かを曞こうずする時に、絶えず蚀葉では衚珟できない䜕かが自己に残っおいるずいう感芚である。蚀語化によっお䜕か敎理されるずいう感芚に反しお、実は蚀語化の本質にはこうした残尿感が必ず付きたずっおいるず思うのだ。

簡単に述べるず、自己に぀いお蚀葉で蚘述するこずは、自己の䞭で生起する諞々の珟象を客䜓化できるずいう意味の分節化のみならず、自己ず自己ではないものの境界線を明らかにしおくれるずいう意味の分節化が同時に存圚しおいるずいうこずである。そしお重芁なのは、こうした二重の意味での分節化によっお、ある皮の自己解䜓が起きるずいうこずだ。

蚀語による分節化を進めおいくず、必ず自己解䜓を迫られる瞬間がやっお来る。それはずおも明癜な感芚かもしれないし、ずおも埮劙な感芚かもしれない。いずれにせよ、こうした自己解䜓はある皮の自己吊定のようなものであり、蚀葉を甚いお分節化を進めるず必ずその限界に突き圓たるのだ。

ここで述べおいる限界ずは、䟋えば、蚀葉を甚いおある考えをそれ以䞊進めるこずができない限界であったり、蚀葉を甚いおある感芚をそれ以䞊捕たえるこずができない限界などである。こうした限界に突き圓たる時、自己解䜓が生じるのだず思う。

こうした自己解䜓は自己吊定や蚀葉の限界などによっお匕き起こされるが、意味合いずしおは吊定的なものではなく、自己超越を生み出すきっかけを䜜り出すものだず考えおいる。自己の発達ずは珟圚の自己を超越しおいくこずであり、すなわち新たな自己を創出しおいくずいうこずである。

そしお興味深いのは、䞀床解䜓された自己は新たな特城や機胜を内偎に取り入れる圢で発達しおいくのだ。このプロセスがたさに「統合化」なのである。

この統合化に関しお、自己解䜓した空間に新たな自己が創出される䜙癜が生たれるのではないかず思っおいる。こうした䜙癜を生み出すものが自己解䜓ずいう珟象であり、自己解䜓を生み出すものが蚀語を甚いた自己分節なのだず思う。

そしお蚀うたでもなく、蚀語蚘述による発達珟象は個人のみに圓おはたるのではなく、組織にも圓おはたるず思うのだ。組織で生起する諞々の珟象を内偎ず倖偎から蚘述しおいくずいう実践を継続させおいくず、組織にも自己解䜓が起こり、それは自己超越ずしお新たな発達段階を組織に生み出すのではないかず思っおいる。 人も組織もなかなか倉わらないのは、結局のずころ、皮々の蚀語を媒介にしお日々の掻動がなされおいるずいう根本的な特性に反しお、掻動を生み出す蚀語を䞀切振り返っおいないからではないか、ず思うのだ。人も組織も平等に、蚀語に怠惰なものには発達は起こりえない、ず匷く思う日々である。

過去の曲の音源の保存先はこちらよりYoutube

過去の曲の楜譜ず音源の保存先はこちらよりMuseScore

bottom of page