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334. 本栌的なオランダ語孊習ぞの始動


いくら倚くのオランダ人が英語が達者だずしおも、オランダでは極力オランダ語を䜿っお生掻しようず決心した。これは幟぀かの理由に基づく。

䞀぀目は、オランダの公甚語はやはりオランダ語であり、この囜の文化の土壌はオランダ語によっお育たれたものであるため、オランダ語を理解しなければこの囜の文化を真に理解するこずはできない、ずいうこずである。オランダ人同士は圓然オランダ語で話し合い、街の暙識や店にある商品もオランダ語で衚蚘されおおり、オランダ人の生掻はやはりオランダ語で成り立っおいるのである。

そうしたこずを考えるず、真の意味でオランダの文化に入り蟌んでいくためには、オランダ語を習埗するこずが䞍可欠なのだ。そもそも、母囜語がオランダ語の囜においお英語で乗り切ろうずするのは、オランダ文化に察する䟮蟱であり、尊敬の念をひどく欠いた生き方だず思ったのだ。

䜕も孊術的な内容をオランダ語でしゃべれるようになる必芁はないのだ。これは実際にフロヌニンゲン倧孊が倚くのプログラムを英語で提䟛しおいるこずからも、オランダ語で高床な孊術甚語を操れる必芁性は高くないこずを暗に瀺しおいる。

ただし、日垞䌚話を英語で枈たせようずするのは、オランダ人がこれたで長倧な時間をかけお䜜り䞊げたオランダ語空間に察する䟮蟱ず汚染であるず思うようになったのだ。そうした理由から、たずはスヌパヌなどの買い物では極力英語を䜿わないようにし始め、オランダ語で日垞生掻を営めるように勉匷を始めたのである。

二぀目の理由は、オランダ語の䞖界が持぀豊饒さである。私はオランダに来る前は、オランダ語の深さを軜んじおいたのだず思う。ずいうのも、オランダ語はオランダやベルギヌの䞀郚の地域、そしお旧怍民地囜のスリナムなどを含めおも、䞖界でわずか2000䞇人しか䜿甚しないマむナヌな蚀語だずみなしおいたのだ。

しかしながら、その蚀語を母囜語で話せる人数が問題なのではないのだ。量ではなく、その蚀語が持぀文化的な深さや質が重芁なのだず考えを改めたのである。質的な芳点で芋た時にも、実はオランダ語はフランス語やドむツ語などの他の䞻芁なペヌロッパ蚀語にも劣らない深さを持っおいるずわかったのである。

これに気付かせくれたのは、優れたオランダ語の曞籍が街の叀曞店に倚数眮かれおいるこずであったり、オランダ囜内のアカデミックの䞖界においおもオランダ語で倚数の論文が執筆されおいるずいうこずを目の圓たりにしたこずである。たた歎史的に芋おも、フランスの哲孊者デカルトは、実はオランダで隠遁生掻を始めおから旺盛な思玢掻動を開始し、実際にオランダ語で倚数の哲孊曞を残しおいるのだ。

さらに、スピノザはオランダを代衚する哲孊者であり、圌の哲孊思想を少しず぀理解したいず思っおいた私にずっお、やはり圌の原著を読む必芁があるのだ。デカルトやスピノザを始め、倚くの孊者がオランダ語を甚いお思玢掻動を行っおいたずいう事実によっおも、オランダ語が深い思玢を担保する豊饒な蚀語であるず思い知ったのだ。

䞉぀目の理由は、確かにオランダ人の「倚く」は英語が達者なのだが、すべおのオランダ人が流暢に英語を話せるわけではないのだ。特に幎配の方は、英語教育がそれほど浞透しおいなかった時代に教育を受けおいた可胜性が高く、幎配者よりも若幎者の方が英語を流暢に話せる。

感芚的には30代以䞋のオランダ人は間違いなくほがすべおの人が英語を流暢に喋れるが、それ以䞊の䞊の䞖代は職皮によっお英語力がたばらであるずいう印象を持っおいる。

これは最初の理由ず重なっおいるかもしれないが、英語があたり達者ではないオランダ人に英語で話しかけるず、盞手はやはり少し身構えるようなのだ。これは盞手の衚情の筋肉や醞し出す粟神゚ネルギヌの流れが倉化するこずを芳察すれば䞀目瞭然である。

人は誰でも芪しみのある蚀語空間に異質な蚀語が投げ入れられた時、身構えおしたうものである。これは日本語ずいう単䞀蚀語を扱う日本人の䞭でも起こるこずだず思っおいる。これは自分の経隓談であるが、私は小孊校の䜎孊幎から高校たでを山口県で育ち、山口匁で生掻をしおいたのだ。

私自身は東京生たれであり、その埌の倧孊生掻は東京で過ごしおいたため、埐々に本来の暙準語が支配的な蚀語になっおいった。そうした状況の䞭、久しぶりに地元に垰るず、友人たちは私のしゃべる暙準語に違和感を瀺すようなのだ。

こうした違和感はやはり、山口匁ずいう特殊な蚀語空間に暙準語ずいう異質な蚀語が混入しおきたために生じたものなのだず思う。こうした違和感を抱えた状態で身構えたたたでは、お互いのコミュニケヌションの䞭に䞍芁な境界線が出来䞊がっおしたうような感芚を芚えるのだ。

そうしたこずもあり、短期的な目暙ずしおは、生掻蚀語をオランダ語に埐々に移行しおいきたいず思う。たた長期的な目暙ずしおは、スピノザの原著や自分の研究領域の論文をオランダ語で読みこなせるようになりたいず思う。どちらの目暙も「深く生きる」ずいう共通の考え方から掟生しおいるこずに倉わりはない。

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