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6364-6365: 日本滞在記 2020年10月31日(土)


No.1523 福井の夜空に_For the Night Sky in Fukui

本日の言葉

Attention leads to immortality. Carelessness leads to death. Those who pay attention will not die, while the careless are as good as dead already. Gautama Buddha


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本日生まれた4曲

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タイトル一覧

6364.【東京滞在記】秋めいた東京の朝に

6365.【東京滞在記】米原行きの新幹線を待ちながら


6364.【東京滞在記】秋めいた東京の朝に


時刻は午前8時に近づいている。今、東京駅の真横にある丸の内ホテルの自室でこの日記を書いている。


今日の東京は快晴であり、土曜日ということもあってか、東京駅近郊は落ち着いた雰囲気を発している。土曜日の早朝に、ガタゴトと走る列車の音が聞こえてくる。東京もすっかりと秋の雰囲気になっていて、朝の陽光は優しく、肌寒さがどこか心地良い。


昨日、知人の鈴木規夫さんと3年振りに対談をさせていただいた。オンラインの対談は3年前に『能力の成長』を出版した時に行わせていただいたのであるが、リアルな場での対談は実に4年振りであった。


ここで当日の対談についてあれこれ書くことはしないが、非常に濃密かつ有意義な時間を過ごさせてもらったことに大変感謝している。それは対談相手の鈴木さん、そして対談を裏で支えてくださった方々のご尽力、さらには対談に参加してくださった方々の温かい眼差しのおかげかと思う。


対談会場に向かう際に、丸の内線と銀座線に乗った。コロナ対策なのか、車内の窓が少し開いていて、地下鉄が走る際に発する切り裂くような音がとても不快であった。思わず私は手で耳を覆い、その不協和音の渦に耳がやられないようにした。


欧州の街を巡り、今回日本でも種々の街を巡ってみると、自分が生誕した東京という街そのものに対しては言いたいことがたくさんある。ただそれらはことごとく否定的なものであるため、それらについてもここであえて書くことをしない。


この街でどうやって人間として生きていけるのか不思議でならない。人間であることを放棄してまでこの街で住む必要などほとんどないと思うのだが···。この世界には、人間であることを深く、そして活き活きと実感させてくれる場所がたくさんあるというのに。


昨日は、対談を終えた後に、麻布十番の「We Are The Farm」というお店に連れて行っていただいた。そこで今回の対談の関係者の6名と一緒に夕食を共にした。


この店の野菜は新鮮であり、全ての料理が美味であった。何度も舌鼓を打ち、終始会話に花が咲いた。結局、夜の10時半までお店にいて、ホテルに到着して就寝したのは12時半であった。


社会的な生き物として生きていく上で、たまには娑婆の世界で人と交わり、普段のリズムからあえて逸脱することもまた良きものなりと思った。年に1度、日本に帰って来て大切な人たちと会う時ぐらいは、リズムからの逸脱があって良い。


今日はこれから絵を描き、作曲実践を少々して、ホテルの朝食をゆったりと摂る。今日からはホテルの朝食は和食にしようと思う。今朝の朝食、そして明日からのホテルの朝食においては和食を食べ、日本的なものに最後に触れる形でオランダに戻っていこう。


朝食を摂った後、スーツやビジネスシューズなど、今回の一時帰国に際しての対談で使ったものを実家に郵送する。昨日ホテルの方に確認したところ、小さな段ボールを購入し、それに詰めて送ることができると教えてもらった。


荷物の整理をした後に、ホテルの隣にある丸善丸の内に行き、そこで今回の一時帰国に際しての最後の書籍の吟味を行う。数冊ほど良き本と出会うことができたら幸いだ。書籍の吟味後、そこからゆっくりと福井に向かう。


東京駅から福井の宿泊先のホテルまでは3時間半ほどである。いよいよ今回の一時帰国の旅も大詰めを迎えようとしている。東京2020/10/31(土)08:12


6365.【東京滞在記】米原行きの新幹線を待ちながら


時刻は午後2時を迎えようとしている。今、新幹線の駅構内のジオオーガニックカフェという店にいる。


米原行きの新幹線を待つがてら、オーガニックブレンドコーヒーを飲みながら一息ついている。先ほど、丸善丸の内を出発し、今に至る。


今回の一時帰国中においては、滞在先のホテルでGo Toキャンペーンのクーポンをもらうことが多く、今回宿泊した丸の内ホテルでも1枚千円分のクーポンを6枚もいただけた。


これは飲食店のみならず、丸善丸の内などの書店でも使うことができて、先ほど6千円分のクーポンを使って、3冊ほど書籍を購入した。1冊は、昨日知人に教えてもらった中野剛志さんが執筆した『富国と強兵』という書籍であり、もう1冊はジャック·ラカンの入門書、そしてもう1冊は現代音楽の作曲技法に関するものである。京都でもクーポンを使って書籍を購入したのだが、今回もこのような形でクーポンを用いて和書を購入することができて嬉しく思う。


丸善丸の内の4階には洋書コーナーがあるので、そこを覗いてみたところ、なかなか面白い本が揃えられていたが、洋書はオランダで購入した方が圧倒的に安く、さらには特定分野に関して一気にまとめ買いをすることに関してもオランダの方が容易なので、丸善丸の内では洋書を購入することはなかった。オランダに戻ったら、映画評論に関する書籍、それも社会学、心理学、哲学の観点から映画を分析している書籍を一括大量注文しようと思う。


今回日本の様々な場所で——書店のみならず、美術館や記念館などでも——随分と多くの和書を購入し、旅の最中で時間を作って次々と読んでいった。初読は全体像を把握することを心がけており、精読的な再読を行うのはオランダに戻ってからにしよう。もう約4週間ほど日本語空間で生活していたこともあり、自分の思考の中はすっかり日本語が居場所を占めている。


来週の水曜日からは再びオランダでの生活が始まる。そこでも今回持ち帰ることにした和書を読み進めていくが、自然と英文書籍にシフトしていくというのが常である。思考空間の緩やかなシフトを楽しもう。


これまでお世話になっていた編集者の方が今月から独立することになり、昨日、対談会場で挨拶をさせていただいた。その時に、川瀬巴水(かわせはすい:1883年-1957年)とうい大正·昭和期の浮世絵師かつ版画家のはがき集をいただいた。


川瀬巴水という芸術家を知らなかったので、色々と調べてみたところ、日本各地を旅行し、旅先で写生した絵を原画とした版画作品を精力的に創作していたという点に関心を持った。


日本的な美しい風景を叙情豊かに表現したことから、「旅情詩人」とも呼ばれており、旅をしながら絵や音楽を作っている自分に共鳴するものがあった。どうやら日本国内よりも海外での評価が高いらしく、葛飾北斎や歌川広重などと並び称されるほどの人気があるとのことであり、ここから川瀬巴水の作品を意識して鑑賞してみようと思う。


さて、もう少ししたら新幹線がやって来る。東京から米原までは2時間強の列車の旅であり、米原から福井までは1時間ほどの列車の旅になる。


どちらもグリーン車に乗車することにし、ゆったりとした空間の中で仕事をしようと思う。仕事が終わり次第、先ほど購入したラカンの書籍を読んだり、作曲実践をしたい。


福井はどのようなところなのか、期待に胸が小踊りする。東京2020/10/31(土)14:12

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