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2614. 金曜日のフローニンゲンの午後


幸いにも今日は午後から雨が降らなかった。早朝は薄い雲が空を覆っており、午後に雨が降る可能性が高いと思っていたが、昼食を摂り終える頃には雨が降るような気配はなかった。

天気予報を確認すると、もう雨は降らないようであったから、折り畳み傘を持たずに自宅を出発し、大学キャンパスに向かった。キャンパスに向かった目的は、論文アドバイザーのミヒャエル・ツショル教授とミーティングをするためである。

おそらく残すところミーティングも今日を含めてあと二回ほどではないかと思う。もちろん、今後も不定期にツショル教授と会って話をする機会はあるだろうが、今回の研究に限ってみれば、もう残すところそれほどミーティングの回数は多くない。

いつものように大学のカフェでミーティングを行った。今日のミーティングはいつものように非常に実りのあるものであり、同時に論文を締め括っていくための洞察をいくつも得た。

私の論文でより強化するべきところは依然として文献調査の箇所にある。まだ誰も研究したことのないトピックを調査することにしたため、そもそも先行研究というものはないのだが、自分が採用する観点や測定基準については先行研究がある。

すでに見つけた論文については再度丁寧に読み直し、自分の研究仮説と結びつけていくための適切なストーリーが必要になる。この点については以前から取り掛かっていたのだが、まだ不十分のようである。

この箇所さえうまく乗り切れば、今回の研究を査読付き論文とすることができる、とツショル教授からコメントがあった。それは予てからの理想であり、研究が後半に差し掛かると、査読付き論文でなくとも学会発表のための小さな論文で良いかと妥協しそうになったが、今日のコメントを受けて再度意欲が高まったように思う。

こうした自分を見るにつけ、研究を進めていくにあたっての支援者の意義を再度実感する。昨年にツショル教授と査読付き論文を執筆した際には、ツショル教授が非常に積極的に文献調査をしてくださり、私の論文の下書きに非常に分厚い記述を付け加えてくださった。

今回の論文はすでに修士論文の域を超えており、ツショル教授の意思として今回も協働で査読付き論文を執筆したいという考えがあることはとても有り難い。明日は一旦研究から離れ、読みたい書籍を読み耽る一日としたい。

明後日の日曜日は午前中に、木曜日からアムステルダムで始まる国際ジャン・ピアジェ学会の発表の準備をしたい。私の発表は金曜日の夕方であるが、日曜日中に資料の大枠を作っておきたい。

発表時間は質疑応答を含めて20分程度であるから、それほど多くのパワーポイントスライドを作る必要はない。先行研究、研究の目的、研究手法、研究結果などの骨格を抑えた資料を作っていく。発表に向けた資料作りが早く終われば、日曜日の残りの時間に論文執筆についてもう一度考えを巡らせておきたいと思う。

ツショル教授とのミーティングを終え、今日も購入するものがあったので街の中心部に出かけた。いつもの通り、街の中心部は昼間からお酒を飲む人やカフェでくつろぐ人たちの姿をたくさん見かけた。

このようにゆったりとくつろいでいる人たちの表情を見るのが私は好きだ。時間がより緩やかに流れ、自分が落ち着いていくのがわかる。

心のゆとりを持って生きること。それは本当に大切なことであり、そうしたゆとりが私たちの人生をより深めてくれるのだと思う。ゆとりがないというのは、何か大切なものを見落とすことを助長してしまう。

あるいは、もしかするとそれはすでに何かを喪失し、何かを見失ってしまったことを意味しているかもしれない。街の中心部をゆっくりと歩きながらそのようなことを思った。フローニンゲン:2018/5/25(金)17:51

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