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2018. 永遠に向かう魂の衝動


時刻は七時を迎えたが、まだ闇に包まれている。ふと昨日の夕方のことを思い出した。

昨日の夕方、数百匹の鳥の大群が自己組織化の隊列を成しながら遠方の空を飛んでいる光景を目撃した。その隊列の動きは、大きな波のようであり実に見事であった。

数百匹の鳥たちはいくつかの隊列を作っており、それが動いていく様子は、さながら大海の波のようであった。机に向かっている時に、書斎の窓からその様子が視界に入り、私はすぐさま窓際に駆けつけて、その鳥の大群の動きをずっと眺めていた。

鳥たちが遠方の空彼方にいなくなるまで、私はずっと彼らの動きに釘付けになっていた。鳥たちの姿がもう見えなくなったところで、私は再度フローニンゲンの夕方の空を仰ぎ見た。

昨日は本当に素晴らしい爽快な青空が広がっていた。線香花火のような飛行雲、何層にもわたって色のグラデーションを変えている青空、そしてその青空の向こうに見える夕日。それらの全てが静かに私を捉えていた。

欧州での生活も一年半を過ぎると、本当に欧州での生活が板についてくる。それは単純に物理的な生活面のみについて述べているわけではなく、それよりもむしろ精神的な生活についての話である。

欧州での生活が二年目を迎えてみると、私は精神的な葛藤を一度も経験していないのではないかと思う。初めて欧州での生活を営んだ一昨年とは随分と様子が違う。

精神的な葛藤というのは、確かに内面的な成熟をもたらすために不可欠なものであるが、葛藤と対極にある安定性というのもまた、さらなる内的成熟に不可欠なものであることは確かだろう。

葛藤があり、それを乗り越えた後には精神の安らぎがある。しばらく安定的な精神生活が営まれることによって、次の葛藤に向かっていくための胆力が醸成される。

それが人間の内面的発達のプロセスだろう。どうやら現在の私は、精神の安らぎの真っ只中にいるようだ。そのため、日々の生活が静かに平穏に営まれていくのだろう。

私の中で欧州での生活は一旦二年で区切りを付け、再び米国に戻ろうとしているのはもしかするとこの話と関係しているかもしれない。欧州での最後の一年は、安らぎのさなかにあって次の葛藤に向かっていくための準備をする期間なのだろう。

米国に向かうことは新たな葛藤に向かうことである。そんなことを思う。

以前から日記で書き留めているように、私の魂の内在的な特性である「遍歴性」というのは、こうした精神生活における運動と密接に関係しているように思えて仕方ない。葛藤を求めて次の生活拠点に移るというのはおかしな話かもしれないが、私の魂は葛藤を通じた独自の運動を求めている。

そしてそうした運動によって、魂はまた成熟の方向へと一歩を踏み出す。人間の魂はどこまでも深く変貌を遂げていくことを求めており、どこまでも運動を続けていくことを望んでいるかのようだ。

魂の絶え間ない変容衝動と絶え間ない運動衝動こそが、魂を永遠なるものにしている所以なのかもしれない。フローニンゲン:2018/2/8(木)07:20 

No.737: Collective Pathology

My interest has recently leaned toward collective pathology——or organizational and social pathology.

Of course, psychopathology can be applied to collective pathology, but I want to approach the issue not only from psychopathology but also from a different academic field.

One of the candidates would be system and network science in that both fields not only address the development of systems and networks but also the process of their collapses.

I want to investigate collective pathology from inside and outside.

The former would derive from the study of psychopathology, whereas the latter would stem from system and network science.

In parallel with my present academic and professional work, I’ll start to learn the mechanism and process of collective pathology. Groningen, 08:02, Saturday, 2/10/2018

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