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1854. MOOCとAI


昨日は、日中に随分と作曲実践を行うことができていたため、昨夜は就寝前に三本ほどMOOCに関する論文を読んでいた。

二つの論文はMOOCに関する科学的な論文であり、もう一つの論文はどちらかというと哲学的な論文であった。全ての論文は再読に価するものだったのだが、とりわけある一つの論文から多くの示唆を得た。

その論文は、MOOCの中で書き込まれる受講者のコメントやディスカッションを自動的に分析する方法に関して紹介をしていた。端的に述べると、AIを活用し、機械学習の方法を応用して、テキスト分析を自動で行うのである。

既存のテキストマイニングなどとは異なり、何か有意味なパターンを抽出するというよりも、パターン抽出から分析までを一連の流れとして行ってしまうことが、昨今のAI技術では可能になるようだ。

その論文の内容に私は釘付けとなっていた。というのも、近年のAI技術を駆使すれば、MOOCが持つ大量な言語データに対して、学習段階の測定を行うことが可能になると思ったからである。

論文を読みながら、私の頭の中には無数のアイデアが浮かんでいた。この論文に記載されていることを応用し、さらに改良を加えていけば、これまでのMOOCに関する研究の課題であった、無数の学習者の残したテキストを自動で評価・分析していくことが可能になるという視界が開けた。

もちろんこれは、そうしたことが理論的かつ技術的に可能であるということに関しての視界が開けただけであり、仮に人の手を介することなく、AIが学習者の学習段階を自動で評価・分析することに伴う倫理的・哲学的な問題についても考えなければならない。

偶然にも、そうした問題を考えるヒントを与えてくれたのが、昨日の最後に手に取った論文であった。一つの論文が呼び水となり、別の論文を読むという循環的な現象が起こっている。

まさにそれは、関心が関心を呼び、問いが問いを呼ぶという、循環的な探究構造だ。

欧州での生活を始めて以降、今まで以上に自分の人生が動き出している実感がある。その動きは全く予想できないものであり、動きの方向性やその大きさも私の認識の範囲を遙かに超えている。

だが、自分の人生が今大きく動き出しているということだけは、確かな実感として認識することができている。もしかすると私は、発達科学と教育科学の研究を架橋するために、複雑性科学の知見を活用するのみならず、AIを真剣に応用していく道を歩むことになるかもしれない。

現在取り掛かっているMOOCに関する研究を進めれば進めるほど、学習者がオンライン上で行うコメントやディスカッションは貴重なデータであり、MOOCがより学習者にとって意味のあるものにしていくために、そうした大量なデータを自動で評価・分析することを可能にするAIの力を借りる必要があるという思いが強くなっている。

AIに対する関心は少し前から自分の内側に芽生えていたのだが、今AIの必要性と重要性を強く感じる。AIに関する専門家になるというよりも、AIをいかに人間の発達や学習に活用していくかに関する科学的な研究と哲学的な考察に関心を寄せている。

AIをMOOCが持つ大量なデータの分析・評価に活用するというのは、まさに私がまず着手してみたい大きなテーマの一つだ。MOOCとAIに関する論文を執筆した研究者に今後の協働研究を打診する旨のメールを送り、その方からの返信を待ちたい。

人生がまた見えないところで大きく動き出しているのを強く実感する。2017/12/2(土)08:37 No.499: Translation and Transformation of a Meaning

Writing about someone’s philosophy implies that I am translating the meaning of a text and simultaneously transforming the meaning.

Thus, I am making a new meaning by myself while writing about someone’s thoughts.

The situation of interpreting music is almost the same.

When I interpret a composer’s music, I make a brand new meaning based on the interpretation.

Writing is translating and transforming a meaning, and interpreting is done in the same way. 10:59, Friday, 12/8/2017

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