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1144. 語り続ける夢:深層的な知識体系の構築


昨晩、この夏の休暇を活用して読もうと思う30本ほどの論文を、大学の電子ジャーナルを通じてダウンロードした。自分のパソコンにダウンロードした論文を大学の図書館で印刷するために、再度それらの論文を自分のメールアドレスに送った。

それら30本の論文は、一見すると領域が多岐にわたっているが、自分の中には統一的なテーマがある。人間発達と教育というテーマを根幹に据え、それを中心に現在の私の関心の輪が広がっている。

論文を選定する際に、無数の論文の概略をざっと読み、印刷するべき論文の吟味を重ねていたためか、自分の内側に大量の知識が流れ込んでくる感覚が昨晩あった。当然ながら、それらをその場で完全に消化することなどできず、逆に、それらの大量の知識といかに自分が向き合っていくべきかの方策について考えを巡らせていた。

関心の輪が広がれば広がるほど、多様な領域の知識と向き合うことになるが、その時に、いかにそれらを自分が根幹として持つテーマに帰着させていくかが非常に大事になる。種々雑多な知識をそのままの形で取り入れるのではなく、自らの根幹的なテーマと絶えず関連付けながら、それらの知識と向かい合っていく必要がある。

昨夜の就寝前に、そうしたことを考えていた。同時に、就寝前の私は少しばかり焦燥感に駆られていたのも確かである。

現在の私が向き合わざるをえない多様な領域とそこで得られる多様な知識を、いかに統一的なテーマの中に包摂していくのかについて、そのようなことが自分にできるのだろうかという思いになっていた。次から次へと自分に向かってくる無数の知識が、私を圧倒していた。

知識の大群に押し潰されるような感覚を持ちながら、私は眠りについた。早朝目覚めてみると、そうした重々しい感覚が消え去っており、自分の内側で何かが整理されていることに気づいた。

昨夜の夢の中で私は、獲得された知識を自分の内側に体系として構築するために、延々と何かを話し続けていた。それはこれまで読んできた論文や専門書の内容、そしてこれから読むであろう論文や専門書の内容を先取りする形で、とにかく自分が向き合う知識の大群の一つ一つに言葉を当てることを行っていた。

夢の中で文章を書くかのように話し続けていた私は、一つ一つの知識に対する深い理解のみならず、それらの知識の関連性に気づき、そこからまた新たな気づきを得ることによって、再びそれについて話し続けるということを延々と行っていた。

その過程の中で一切の疲労感はなく、文字を書くように話せば話すだけ、自分の内側に均衡がもたらされ、自分の精神空間が澄み渡っていくような確かな感覚があった。夢から覚めた直後、私はノートの端に「生成的な夢」「探究的な夢」「ユング的な夢」というキーワードを書き付けていた。

確かに、それは探究的な夢であり、一つの知識が他の知識を呼び込むという意味で生成的な夢だった。しかし、起床直後の私が何をもってして昨夜の夢を「ユング的な夢」と形容したのかは定かではない。

昨夜の夢の中で話し続けていた最後の知識項目がユングに関するものだったようなおぼろげな記憶が脳裏をよぎる。いずれにせよ、昨夜の夢は、混沌とした知識の大群を一つの統一体にまとめ上げ、自分の精神空間を整理するような夢であったことは間違いない。

おそらく、こうした夢を継続的に見ることが、知識を深層的な次元で体系化していくことに必須なのだと思う。2017/6/18

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